王太子レオールと側近セバス(完結)

にのまえ

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別荘に行こう 5

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我慢できなかった。


馬車に乗り込みセバスの手を強引に引き寄せて、その柔らかな唇を奪った。


「んっ」


セバスの口から漏れた吐息、それすら今の俺には欲情の糧となる。


「ふっ、ンンっ」

「はぁ、セバス……もう少し、してもいいか?」


熱に浮かされながら俺らしくない、変なことを聞いた。セバスもそう思ったらしく、目を少し開き驚いた様子だった。


「レオール様はいつも強引ではありませんか? それを私も受け入れているのに、どうして今日はお聞きになるのですか?」

「いやっ、馬車の中といっても外ではないか? アーサーと同じになりそうでな……」

「レオール様、先に謝ります。今日のレオール様は可愛い、そのようですと私から襲ってしまいそうです」


(なっ!)


「セ、セバス、さっきの仕返しか?」

「えっ? ケチャップの事ですか? そうかもしれませんね」 


可愛く笑うセバスにピクンと下が反応した。


「くっ」


(くそっ! ここが馬車の中でなければ、セバスをそこのベッドに押し倒して、めちゃくちゃに犯したのに!)


「ご用意いたしますか?」

「いや、いまはベッドで触り合いっこでもするか」


セバスのスラックスの前をさすれば、「んっ」あげた吐息と、少し反応していた。


(お前も同じか)










ザアァッーー。

ベッドの中での触り合いっこは燃え上がり。薬草の香りが漂う、狭いシャワールームの中でお互いの杭を擦り合わせていた。


「ンンっ、あん……っ」

「ふっ、くっ」


互いの熱杭が手の中で震えた。


「セバス、射精る!」
「あっ、あぁレオール様!」


(所詮、俺もアーサーと同じか……セバスに触れることと、気持ちいいことは好きだ)


「レオール様、裸で出るのは」

「わかった、セバスが拭いてくれ……んっ」


シャワーを止めてセバスの方に振り向き目を瞑った。セバスはシャワールームにクリーンをかけた後、近くのタオル棚からバスタオルを取り、優しく体を拭いてくれた。


「いつもはご自分で拭くのに」

「たまにはいいだろう? セバスの体は俺が拭いてやるよ」

「えっ、結構です!」


「そう、遠慮するなって」


タオルを乱暴に取り髪から体を拭いた。照れたのか赤く染まる頬、俺の噛み痕が残る首筋、吸って赤く腫れた乳首……


(エロいな)


堪らなくなり、ゴクリと喉が鳴った。


「レオール様……」

「これはっ、エロいセバスが悪い!」

「エロ! それはレオール様も同じです」


(はぁ、俺がエロい?)


セバスはわざとらしく咳をして。


「こほん、申しますと……切れ長な瞳、鍛え抜かれた筋肉、長い指先と引き締まったお尻……っ!」


言い過ぎたと思ったのか、セバスは真っ赤になって目を逸らした。


(セバスも、俺の体を見ているんだな……)


「まぁ、体は鍛えているからな……おっ、セバスいつの間に付けたんだ?」


俺の胸の上に、セバスが付けた痕が赤く残っていた。これは初めてのことで。

セバスは自分でも気付いていなかったのか、セバスが瞳を大きく開き、動揺した。


「す、すみません」


(そんな、眉をひそめて辛そうな顔するなよ)


「セバスが付けたいんだったら、いくらでも付けろよ。俺は構わない」


「……レオール様」


焦るセバスを見て微笑んだ。セバスはいまにも泣きそうな顔で俺の名前を呼び、俺の唇に口づけをした。










私はレオール様が好きだ。彼の側近に選ばれて、18歳のときに興味本位でも彼に求められて嬉しかった。

それから月に何度か体の関係はあった。しかし、レオール様にはエリザベス様という婚約者もおられる、私はただの性の捌け口で良かった。


『女性ともしてみたい』


漏れた言葉に、女性になる魔法も覚えた。
彼に捧げられるものは全て捧げた。


心の奥底では(好きで、ごめんなさい)と、レオール様につぶやき続けた。


婚約者のエリザベス様に媚薬を盛られたとき、本当はすぐに魔法で対応ができた。モードラー家で毒などの対応の仕方は全て習っていた。

でも私はそれをせず、レオール様に求められるまま体を差し出した。


(側近失格、いけないとわかりながら……ダメだと言いながら、キスまで……)


そして今日、無意識だったとはいえレオール様の肌に痕を残していた。焦る私に彼は微笑んで「付けたければ、付けていい」と言われて、気持ちを抑えられなかった。


レオール様の唇に口付けをして、我に返る。


「わ、私は……」


彼は困ったような怒ったような表情を浮かべていた。そして、私に近付き目を瞑るとキスではなく、耳元で。


「セバス、俺をあまり煽るな、止まらなくなるぞ」


と苦笑いをして「煽った罰だと」私の頬にかぷっと噛みついた。


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