王太子レオールと側近セバス(完結)

にのまえ

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別荘で過ごそう

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別荘に来て3日経った。
遅い朝食の後は剣を握り、書庫、ホームシアター、乗馬に海岸を散歩。そして、午後は執務をこなす。のんびりとした時間を過ごしていた。

「セバス、ここに来い」

執務が終わり部屋の掃除を始めたセバスを、ソファーに寛ぎながら呼び、胸に引き寄せ柔らかな唇を奪う。

「んんっ、レオール様。まだ掃除の途中です」

頬を赤らめて反論しても、アロハシャツ越しに期待して立った乳首、下を触れば反応を見せていた。

「触り合いっこするか?」

「お、お風呂を済ませてからなら……」


(掃除はどうでも良くなったらしい)


「じゃ、一緒に入ろうか」

「はい、お風呂の準備をしますね」


(嬉しそうだな)

最近、いろんな表情を俺に見せるセバスが可愛くて仕方がない。







次の日の午後。

「セバス、執務が終わったらプールか海に行こうか?」

「私はプールに行きたいです!」

「分かった、プールな!」

執務をすませて、セバスと水着とTシャツを着てプールに繰りだした。去年とは違い滝付きの大きなプールに変わっていた。泳ぎの上手くない俺たちは浮き袋でプールに浮かぶだけだ。

アーサーとリュートは昼から海に行っていて、ミッシェルはジェダ王子の別荘に出かけているらしい。俺はプールに浮き輪の上に寝そべった。

ここにも魔法が使われているのか、浮き輪は俺が乗っても沈まずぷかぷかと水面に浮いた。

「ふうっー、水が気持ちいいな」

「はい、泳がなくても浮いているだけで、気持ちがいいです」


そこに。

「いたいた兄貴、遊ぼうぜぇ!」

海から戻ってきたアーサーと側近。手にはビーチバレーボールを持ってきた。

「なんだ? アーサー、去年のリベンジか?」

「リュートとも私に勝てると思っているのですか?」

「兄貴、セバスさん今年は負けねぇ!」

「レオール王太子殿下、セバス兄負けません!」

しばらく白熱した兄弟対決ビーチバレーが、プールの中で行われた。

「うげぇ、また負けた」

「セバス兄、強い!」

「アーサー、まだまだ、だな。これから毎朝、俺と騎士団の訓練に参加しなさい」

「起きられないから無理ぃ!」

プールにアーサーの声が響いた。






「今日は、すき焼きという料理ですか?」

(まだ初めて聞く料理)

「解いたピコ卵に甘く味付けされた野菜、お肉を付けてお食べください」

「そのまま食べると少し甘めな味付けの野菜と肉が、卵でまろやかになって美味いな」

「今日、採れたての牛系のモンスター肉です。血抜きと中の処理を素早く行いましたので、臭みなど残っていないと思います」

「肉うめぇ!」

「アーサー様、もう少し王子らしくしてください! 口から溢れています」

「柔らかくて、臭みなどないサシが甘い肉だな」

「レオール様、凄く美味しいです」

「こんな美味い肉を食べないなんて、ミッシェルもいれば良かったに!」

ミッシェルとメイドはジェダ王子の所で、食事をしてから戻ると言っていた。

「明日はこのお肉の焼肉にしますね」と従者は言っていた。もう少し運動量を増やさないと太るな。

(夜、体を動かすかな)


毎日、別荘にモードラー公爵から野菜、果物、モンスターの新鮮な肉が届く。俺たちでは食べられなかったり残ったものは、近くの町と村に無料で配られているらしい。もちろん野菜が傷む前とか調理済みでだ。

(食べ物を粗末にしないと教えられたのは、子供の頃、セバスにだったな……)

あの時のセバスの瞳は忘れない。たがら俺は食べられる量だけを朝と昼、セバスに用意させる。

近ごろは肉が少なめで野菜と果物中心だな。

それから、町と村の人たちがハンバーガーには喜び、味に驚いたと従者から聞いた。

(あれは、なかなか美味い料理だった)

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