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「リュート様、先ほど言った精霊獣の話を聞いても、よろしいですか?」
「精霊獣の話?」
顔を上げた彼を見ながら、私はこくこくと頷く。その話が気になっていた。
聞きたいと言われて、彼は考えるそぶりを見せた。まさかこの話してはならないとか? 国家機密⁉︎
「あの、無理でしたらだったいいのですよ」
「違うんだ、リリア嬢。今から話すのはお婆様から聞いた、国中のみんなが知ってる話なんだ。ただ、上手く話せるかなって……ヘヘっ」
ポリポリとおでこをかくリュート様。それが心配になり、照れたのですか?
「リュート様。時間はまだ、たっぷり有りますわ。ゆっくり話してください」
「わかった、遥か昔。豊作の神と呼ばれた精霊獣の一族がいた。何処かの森の奥、はたまた山の中、彼らがどこに住んでいるかは、誰も知らない」
ゆっくり、言葉を選びながらリュート様の話は始まった。
「その神が姿を表せば豊作の年になるとして、僕達、獣人族は豊作の神。精霊獣様を神の様に崇めた。祠を立てて、毎年、苗を植える時期が来ると、みんなで祭りを開き、祠にお供え物をしていた」
五穀豊穣のお祭り。
「ある満月の夜、歌が聞こえた。人々は気になり見に行くと畑の周りを歌いながら、月夜に照らされて、銀色に輝く数人の男女がいた。彼らは踊り歌う。その声はうつくしく、精霊獣様が私達のために姿を現してくださったと、みんなは拝んだ」
銀に輝く⁉︎ な、なんて神秘的なの。
「その年は豊作。作物が実り、果物がたくさん収穫できた。皆は精霊獣様に感謝し。精霊獣様の祠にたくさんのお供物をしましたとさ……これが僕達に伝わる精霊獣様の話なんだ」
「素敵な話ですね。その精霊獣様はいらっしゃらないのですか?」
今でも山や森に住んでいそうだけど。
「この話はお婆様が小さい頃にお母様から聞いた話で、誰も精霊獣様を見たことがないらしいんだ、でも国のあちこちには祠があり、毎年春と秋に祭りが開催されている。今年は無理だけど、父上と兄上が来年、いや再来年には祭りをやると意気込んでいたよ」
戦争によって踏み荒らされた土地。もし、精霊獣様がいれば蘇るだろう。
「リュート様の国のお祭りって楽しそうだわ」
「みんなで楽器を奏でたり、踊ったり歌ったり楽しいよ。リリア嬢も来年か再来年に、僕と一緒に見に行けたらいいね」
リュート様とか行きたいな。
でも、来年、再来年……まだ学園の二年と三年。多分、王子の婚約者のままだ。
早くララーナさんと結ばれて、婚約破棄をしてくれればいいのに。
「……紅茶が覚めてしまいましたね」
「あ、入れ直さなくていいよ。この紅茶の茶葉も僕の国の元だ、覚めても美味しいよ。暑い日なんかは、氷を浮かして飲むのもいい」
アイスティー!
「いいですわね」
この日から、私達は学園が終わると仲良くキッチンに立ち、一緒にお菓子作りをした。
学園から帰りの馬車の中。
「ねぇ、リリア嬢、今日帰ったら何を作る」
「そうですわね。林檎があったから、アップルパイ、林檎のパウンドケーキ、タルト・タタンはどうですか?」
「どれも美味しそうだ、迷っちゃうな」
と反対側の席で微笑み。食べたいお菓子を選びながら、ぱたぱた尻尾が動く。
もう可愛いなぁ、リュート様は。
屋敷で働くみんなもリュート様のことが好きだ。
だって彼が笑うと、メイド達、従者、私も混ざって笑い。屋敷の中が明るくなるのだ。
「精霊獣の話?」
顔を上げた彼を見ながら、私はこくこくと頷く。その話が気になっていた。
聞きたいと言われて、彼は考えるそぶりを見せた。まさかこの話してはならないとか? 国家機密⁉︎
「あの、無理でしたらだったいいのですよ」
「違うんだ、リリア嬢。今から話すのはお婆様から聞いた、国中のみんなが知ってる話なんだ。ただ、上手く話せるかなって……ヘヘっ」
ポリポリとおでこをかくリュート様。それが心配になり、照れたのですか?
「リュート様。時間はまだ、たっぷり有りますわ。ゆっくり話してください」
「わかった、遥か昔。豊作の神と呼ばれた精霊獣の一族がいた。何処かの森の奥、はたまた山の中、彼らがどこに住んでいるかは、誰も知らない」
ゆっくり、言葉を選びながらリュート様の話は始まった。
「その神が姿を表せば豊作の年になるとして、僕達、獣人族は豊作の神。精霊獣様を神の様に崇めた。祠を立てて、毎年、苗を植える時期が来ると、みんなで祭りを開き、祠にお供え物をしていた」
五穀豊穣のお祭り。
「ある満月の夜、歌が聞こえた。人々は気になり見に行くと畑の周りを歌いながら、月夜に照らされて、銀色に輝く数人の男女がいた。彼らは踊り歌う。その声はうつくしく、精霊獣様が私達のために姿を現してくださったと、みんなは拝んだ」
銀に輝く⁉︎ な、なんて神秘的なの。
「その年は豊作。作物が実り、果物がたくさん収穫できた。皆は精霊獣様に感謝し。精霊獣様の祠にたくさんのお供物をしましたとさ……これが僕達に伝わる精霊獣様の話なんだ」
「素敵な話ですね。その精霊獣様はいらっしゃらないのですか?」
今でも山や森に住んでいそうだけど。
「この話はお婆様が小さい頃にお母様から聞いた話で、誰も精霊獣様を見たことがないらしいんだ、でも国のあちこちには祠があり、毎年春と秋に祭りが開催されている。今年は無理だけど、父上と兄上が来年、いや再来年には祭りをやると意気込んでいたよ」
戦争によって踏み荒らされた土地。もし、精霊獣様がいれば蘇るだろう。
「リュート様の国のお祭りって楽しそうだわ」
「みんなで楽器を奏でたり、踊ったり歌ったり楽しいよ。リリア嬢も来年か再来年に、僕と一緒に見に行けたらいいね」
リュート様とか行きたいな。
でも、来年、再来年……まだ学園の二年と三年。多分、王子の婚約者のままだ。
早くララーナさんと結ばれて、婚約破棄をしてくれればいいのに。
「……紅茶が覚めてしまいましたね」
「あ、入れ直さなくていいよ。この紅茶の茶葉も僕の国の元だ、覚めても美味しいよ。暑い日なんかは、氷を浮かして飲むのもいい」
アイスティー!
「いいですわね」
この日から、私達は学園が終わると仲良くキッチンに立ち、一緒にお菓子作りをした。
学園から帰りの馬車の中。
「ねぇ、リリア嬢、今日帰ったら何を作る」
「そうですわね。林檎があったから、アップルパイ、林檎のパウンドケーキ、タルト・タタンはどうですか?」
「どれも美味しそうだ、迷っちゃうな」
と反対側の席で微笑み。食べたいお菓子を選びながら、ぱたぱた尻尾が動く。
もう可愛いなぁ、リュート様は。
屋敷で働くみんなもリュート様のことが好きだ。
だって彼が笑うと、メイド達、従者、私も混ざって笑い。屋敷の中が明るくなるのだ。
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