三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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 サン先生、エンと一緒に書庫で転移魔法について考えていた。魔法陣に乗り転移魔法を唱えると、そこまで飛ぶことはできるが戻ることができない。

 いやそこまでのゲートは開いているのだから、戻れるはず。

「なぜ帰れない?」

「ローリス君、自分の部屋の場所など覚えていますか?」

「俺の部屋の場所? あっちだろ」
「いいえ、反対側です」

「扉の色は?」
「赤色?」

 ……クック、エンの笑い声が聞こえた。

 サーチ魔法と、エンの見取り図が精巧で転移魔法のゲートは開いたが……帰りの場所、講義室の位置がイマイチな俺は上手く、帰り道の想像ができなくて戻れない。

「うーん、場所が覚えれないのだとすると……施設の地図を描くか。講義室をリンゴとして、部屋をイチゴ、イチゴからリンゴとか、身近な果物で場所を想像するしかありませんね」

 ……えっ。

「サン先生、でしたら講義室の扉に果物の絵を貼れば、ローリスも覚えれるのでは?」

「いい案だね、さっそく明日みんなで絵を描き、転移魔法の勉強をしましょう」

 ――みんな、俺の為に優しいな! 果物に例えるのは子供みたいだが、今は子供だからOK!







 他のみんなも説明をした。みんなは転移魔法を使えば簡単に移動できると喜び、俺の為に果物の絵を描いてくれた。

 俺の部屋はイチゴ、エンの部屋はブドウなど、覚えやすく描いてけれたおかげで、迷うことなく移動ができた。日課になったサン先生とエン、俺は講義のあと書庫にいた。

「ハッハハ! これで迷子よ、さらばだ!」

「よかった、ローリス」

「フフッ、そうだといいですがね……明日は王に会いに王城に向かい、魔法省で魔力測定をします」

 ウゲッ。

「施設の外に出るのか! 待て、みんなも言語以外の言葉を覚えた……ここに来たときのような、人が発する酷い言葉を理解するぞ!」

「ええ……自分達が人間に、どのように見られているのか知りますね。ここで暮らす以上――それも乗り越えなくてはなりません」

 待てよ、女子たち傷付いて泣くんじゃないのか? いや――みんなも傷付くことになる。

「そんな悲しい顔をしないでください、ローリス君も同じです、これは亜人達の通る道なのです」

「サン先生も、ここで働くみんなもか……クソッ、俺たちは何もかわらねぇのに」

「変わりますよ、我々は人間にない魔力量、見た目、不死などですかね」

「そうだ……僕は成竜になると頭のツノが太くなり、背中に羽が生えて、尻尾もいまよりも太くなる」
 
 カッコいい、さすが竜人だな。

「獣人達も成獣になれば姿が変わります。私達エルフもですよ」

「俺も?」

「ええ、エルフ族は男も女も、もっと美形になり……金持ちの貴族が愛玩用――奴隷としてそばに置きたいと言いますね。私の友も数人買われていきました……特にローリス君は成人すると、その声が多くなるかもしれませんね」

 ――奴隷はいやぁだぁ!!!
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