三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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空森島

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 一緒に学んだみんなは所属する騎士団に移動していった。俺――ローリスは方向音痴、ノーコンは不治の病か治らず。それなりに努力をして魔法をいくつも覚え、天才魔導師となる。

 ――なんてなぁ!

 あれから五年の時が経ち。俺の身長はかなり伸び、体つきも変わり、イケメンのまま十五歳――成人した。エルフはこの年くらいから、ほぼ見た目が変わらないらしい――ずっと、イケメンなわけだ。

 それはラッキーだ。


 まあ五年もあれば色々変わる、騎士団長のオッサンは魔物退治で、ひざを怪我して騎士団をやめて。いまは冒険者ギルドの所長に就任した。副団長が次の団長になった。

 魔女先生ほ一年の休みを最近やっともらい、バカンスにいったし、サン先生は俺のあとに連れてこられた後輩達を教えている。

 空森島に行く前にオッサンに会いにギルドにいくと。ガハハハッとあいも変わらず大声なオッサンに。

『ローリス、空森島から王都に降りるとき、手を繋いでやるよ! 一緒に酒を飲もう!』

 だって。騎士団長を辞めても元気そうでよかった。

 みんなから選別をもらい、サン先生からはテイム(モンスターを使役できる)指輪をもらった。やっぱり、異世界といえばスライムだよなって。先生に頼み、近くの森に行く許可を取ってもらい。スライムを三体ほどテイムしてきた。

 空森島での俺の癒しだ!



 空森島にいく前日の昼。サン先生、事務員さんたちと新人さんを加えて送別会をしてもらった。ナイスバディの猫族事務員さん二人と、ちいぱい竜人の新人さんに挟まれて昼食をとる俺。顔には出さなかったが内ではウヒョウ! 両手に花じゃ~と喜んでいた。

 それがサン先生にはわかったらしく。

「ローリス君、よかったですね」

「…………! はい」

 草食っぽいけどサン先生も男なんだなと、いまさがながら思った。送別会も終わり、俺は部屋の後片付けをスライム達としていた……便利だ。スライムはいらなくなったものを"ジュワッ"と酸で消化してくれた。

「ありがとう、スライム。――よし、持っていくものは全部マジックバッグに入れたな!」

 あとは明日、空森島に行くだけだ――コンコンと扉を叩かれ、扉を開けるとエンがいた。

「エン! よ、久しぶりだな!」

「明日、空森島に行くと聞いた……食べ物と酒を持ってきた、飲まないか?」

「おお、イイぜ。飲もうぜ!」

 珍しく施設を訪れたエン。彼は竜騎士団に入り、魔物討伐などで活躍して、同種の女の子にモテモテらしい。自慢かよ。――獣人隊に入ったみんな、救護隊のみんなも元気だってさ。

 グラスに注いだエールを一気飲みしたエン。

「ローリス、お互いに大変だが、頑張ろう!」

 ――エン。

 聞いた話ではあちこちにと、魔物討伐に駆り出される竜騎士団――エンも休みもなく働き、大変なんだろうな。

「ああ、頑張ろうな! 王都に空森島から降りたら、また酒でも飲もうぜ! お前の愚痴を聞いてやるよ!」

「ククッ、お前のもな」

 この夜、二人、酔っ払って雑魚寝した。




 次の日、朝練があるエンを見送り。サン先生とギルド裏に移動した。その裏にオッサンが食べ物とか衣類、その他もろもろを持って見送りに来ていた。

「ローリス、選別だ! 無理せず、頑張れよ!」

「ローリス君、何かありましたら通信機を使うんですよ」

「ありがとう、オッサン、サン先生。行ってくる!」

 俺は選別を貰い、空森島まで転移した。

 あの廃墟のような家はすべて取り壊されて、温室付きの俺専用の家が建てられ、畑、説明して作ってもらった露天風呂。いまは俺がここの管理者だから、何をしてもイイらしい。足らなくなったもの、必要なものはサン先生に頼めばいいし、魔法で作ればいいかな。

 勇者が成人するまでのんびりやるよ。…………と、言っていた俺! 空森島に着いた早々に魔王からの歓迎が飛んできた。魔導師らしく杖を構えて、俺は王都に結界を二重にして張り。真っ黒な怨念を数うちゃ当たる作戦で打ち払う。

「おい、おい、初日から激務ですなぁ!」

 盛大な独り言を喚きながら王都を守る。何発か外し、結界にあたるもの二重結界の為、びくともしない。

「フフフ、ハハハッ! ――まいったかぁ!」



 五時間後――結界維持、魔力切れを防ぐためにポーションを何本も飲み、魔王の怨念に耐えた…………お、終わったのか? 力尽きてバダッとその場に倒れる。はじめ、あんなにはしゃいでいた俺の屍が完成した。


 ――マジか、キツいぞ!
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