三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

文字の大きさ
23 / 47
空森島

しおりを挟む
 気付けば真っ暗――どうやら、魔王の怨念を撃退したあと倒れたらしい。このときフッと思う、倒れてもこのままか……、一人って怖い。

 グゥウ。――魔力をつかい腹が減ったな。その前にライトの魔法を使いあたりを照らして、下を覗き、俺は張った結界を確認した。

(うーむ。しっかり結界を張ったつもりだったけど、一枚目はほぼ砕けたな――次回は三枚、張ってほうがいいかな?)

 魔法で報告書をだして今日の日付と、どう対処したかを事細かく書く。一ヶ月に一度したに降りるときにギルドに提出する。

「腹減った」

 そうだ。サン先生が言っていたけど、ギルド裏から転移魔法してきた場所に、朝昼晩の食事が届くとも言っていた。さっそく行ってみると、トレーに乗った夕飯が届いていた。

(……ウワッ、ぜったいに冷めてるし、むなしい)

 来る前にオッサンに貰った材料で、なにか作ればいいのだが、疲れていて作る気がしない。

 施設のご飯食べたい。
 一日にしてホームシックだよ! 

「ハァ、ひとりの食事も虚しいな、スライムでも呼ぶか」  

 スライムを呼ぼうと指輪を触り画面をだした。スス、スラ、スム――テイムした三匹のスライムを呼ぼうとしたのだが。三匹テイムしたスライムのほかに"何か"をテイムしたであろう空欄があった。名前はないから借りテイムなんだろうけど。

 ――俺はスライム以外に、なにをテイムしたんだ?

 覚えていなくてとりあえず呼んでみようと、空欄をさわり"何か"を呼んでみた。現れたものをみて絶句。ウガァ――なんと、風呂に入っていたのか、泡をつけ裸のエンが現れた。

「はぁ、なんで、エン?」

 驚く俺と、冷静なエン。

「こんばんは、ローリス。呼ぶのはあと一時間、待ってくれないか?」

「……んあ、わ、わかった」

 って、俺、エンをテイムしてないぞ!




 夕飯と風呂を終わらせて一時間後、ふたたびエンを呼んだ。現れたエンは落ち着いた格好で現れる。やはり間違いではなく、俺はエンをテイム(仮契約)しているようだ。

 現れたエンに頭を下げた。

「エン……すまん。何かの手違いで、お前をテイムしているみたいなんだ、まだ仮契約だしけすな」

「いいや、消さなくていい。それに間違いじゃない……酔っ払って、雑魚寝して日に俺から願いでた」
  
 エンから願いでたぁ?

「へっ? 酔っ払っていたから覚えていないぞ、友達をテイムなんて……イヤじゃないか?」

「俺はイヤじゃない。お前、こんな場所でひとりは寂しくないか?」

 ――こんなところで一人「グッ」エン、痛いとこをつくなぁ。

「まあ、本音は。ここに一日いて、魔王を撃退して倒れてもひとり、寂しいよ。でも、エンと俺はともだちだろ?」

「今日のあのあと――倒れたのか?」

 しまった……つい口が滑った。エンの驚いた顔をしたあと考え込む。やばい、コレは引かないな。そりゃ、寂しいときにエンが来てくれたら楽しいけど……エンのプライベートの時間を潰してるようでイヤだな。

「わかった――ローリス。俺と契約しよう!」

 ――やっぱり、そうなるかぁ! 優しすぎるぞ、エン!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

処理中です...