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空森島
十四
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さすが獣人、耳がいい。それに、この子のサーチ魔法はかなりレベルが高い。
それを知ったサン先生がノーコンな俺の手伝いとしてよこしたのか?
彼女のおかげで、ポーションが一本で済んた。
「ありがとう、マジで助かった。遅くなったけど……朝食にしよう」
俺よりも頭ひとつ分低い、彼女は見上げながらうなずいた。
「はい、ローリス君」
「おっ、俺の名前知ってたんだ。君はヌヌさんていうんだよね。歳は?」
「十七歳……白猫族です」
俺よりも二歳年上で白猫族? 獣人で猫の中にも族互いがあるのか。俺が生まれた森にはいなかった種族だな。となると、別の国から来たのかもしれない。
んー、あまり。そのことに関しては聞きたくない。
後五年――王子に勇者の力が芽生えるらしいけど。それから先のことは俺にもわからない。
「俺は十五歳、見ての通りエルフな」
「はい、サン先生から聞いています。方向音痴のローリス君だと」
――サン先生、ほんとうだから怒れない。
「ハハッ、そこまで知ってるのか。じゃ、迷子にならないよう、王都に降りたら手を繋いでくれる?」
「はい、お姉さんがローリス君を迷子にさせません」
ガッツポーズする彼女はやっぱり可愛い。
朝食の後――温室の手入れをスライムたちと始めた。ヌヌもついてきて温室に咲く、草と花を楽しげにみている。
「ローリス君。これ全部、薬になるのですか?」
「ああ、なるよ。ポーション、腹痛、頭痛薬、傷薬……ハーブは料理に使う」
「料理に使うのか……なんでもいってください、私もお手伝いします」
「ありがとう。夜になったらサン先生を呼んで、ヌヌさんの今後を話さないといけない。空森島にずっといるのか、通いにするのとかさ。もしかすると一回きりかもしれないし」
サン先生のことだ、試しに送ったのかもな。
「今日はもうないと思うから。ヌヌさん、森の探索、昼寝、読書とか、いまから自由に過ごして」
「はい、ローリス君は何をするんですか?」
「俺? 俺はいまから昼飯つくりと、夕飯の仕込みかな。遠征に行っていた友が帰ってくるんだ。美味い飯をここで食べてもらう」
「お友達ですか……」
「ああ、友達なんだけどテイムしちゃってさ……特別に空森島に呼べるんだ。ヌヌさんもたくさん食べてね」
モンスター討伐で遠征していたエンから帰ると、さっき通信具に連絡が入った。
夕飯はバーベキューコンロで、ピザを焼こうとおもっている。
それを知ったサン先生がノーコンな俺の手伝いとしてよこしたのか?
彼女のおかげで、ポーションが一本で済んた。
「ありがとう、マジで助かった。遅くなったけど……朝食にしよう」
俺よりも頭ひとつ分低い、彼女は見上げながらうなずいた。
「はい、ローリス君」
「おっ、俺の名前知ってたんだ。君はヌヌさんていうんだよね。歳は?」
「十七歳……白猫族です」
俺よりも二歳年上で白猫族? 獣人で猫の中にも族互いがあるのか。俺が生まれた森にはいなかった種族だな。となると、別の国から来たのかもしれない。
んー、あまり。そのことに関しては聞きたくない。
後五年――王子に勇者の力が芽生えるらしいけど。それから先のことは俺にもわからない。
「俺は十五歳、見ての通りエルフな」
「はい、サン先生から聞いています。方向音痴のローリス君だと」
――サン先生、ほんとうだから怒れない。
「ハハッ、そこまで知ってるのか。じゃ、迷子にならないよう、王都に降りたら手を繋いでくれる?」
「はい、お姉さんがローリス君を迷子にさせません」
ガッツポーズする彼女はやっぱり可愛い。
朝食の後――温室の手入れをスライムたちと始めた。ヌヌもついてきて温室に咲く、草と花を楽しげにみている。
「ローリス君。これ全部、薬になるのですか?」
「ああ、なるよ。ポーション、腹痛、頭痛薬、傷薬……ハーブは料理に使う」
「料理に使うのか……なんでもいってください、私もお手伝いします」
「ありがとう。夜になったらサン先生を呼んで、ヌヌさんの今後を話さないといけない。空森島にずっといるのか、通いにするのとかさ。もしかすると一回きりかもしれないし」
サン先生のことだ、試しに送ったのかもな。
「今日はもうないと思うから。ヌヌさん、森の探索、昼寝、読書とか、いまから自由に過ごして」
「はい、ローリス君は何をするんですか?」
「俺? 俺はいまから昼飯つくりと、夕飯の仕込みかな。遠征に行っていた友が帰ってくるんだ。美味い飯をここで食べてもらう」
「お友達ですか……」
「ああ、友達なんだけどテイムしちゃってさ……特別に空森島に呼べるんだ。ヌヌさんもたくさん食べてね」
モンスター討伐で遠征していたエンから帰ると、さっき通信具に連絡が入った。
夕飯はバーベキューコンロで、ピザを焼こうとおもっている。
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