三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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空森島

十九

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 昼にガッツリ甘めのカツ丼を食べて、亜人街にあるドワーフの鍛冶屋に向かった。ドワーフはゲーム、ファンタジーにでてきた通りで、背丈が低く長い髭を蓄えているときいた。
 
 ドワーフって鍛冶や工芸技能を持ってるんだよな。
 ハンマーを持ち、熱い炎の中での作業は尊敬する。
 
 店に着きカランコロンと、ドアベルを鳴らして中に入ると。ドワーフが作ったのか氷の魔石を使用した扇風機らしき物が置いてあり、涼しい空気を店内に送っていた。

 ――魔石扇風機だぁ! アンティーク調で可愛い、欲しい。

 俺は初めてみるドワーフの作品に見入っていた、エンは胸元から紙を取り出して、カウンターに行き声をかけた。

「注文品を受け取りにきた」

 しばらくすると奥から、しゃがれた声が聞こえる。
 
「おう、ちょっと待ってくれ」

 チュニックのような服を着て現れたドワーフ。そのみためは可愛いおじさん。あ、女性にも髭があるんだっけ?

 ドワーフはエンから紙を受け取り、注文品を確認して、奥からハンゴウなどの品を持ってきた。

「お前がこれらを注文したのか?」
「いいや、そこにいるエルフのローリスだ」

 エンは俺を指さす。

「ほほう。お前がこのハンゴウ、ゴトク、フウボウを依頼した迷子のローリスか? なかなか面白いものを思いついたな――で、これで美味い米が炊けるのか?」

 ――迷子って、もう俺も十八なんだけど……まっいいっか。

 俺は頷き。

「そう、これで鬼人産の米が炊ける。俺が頼んだ大きさでは二合の米が炊ける。お茶碗――約四杯分炊けるよ」

「四杯分か……炊き方は習ったから知っているが、ワシもコレを使って炊いてみたいな」

「いいよ。設計図はオジサンに渡してあるから好きなように作って、欲しい人がいたら、売るかあげちゃっていいよ」

「ローリスの取り分は?」

 あーもし、コレらが売れたらか。

「俺は使えなくなったら、新しいのを作ってもらえるだけでいい。みんながうまい飯を食べれればそれでいいんだ」

「さすが空森島に行く奴はちがうなぁ」

 尊敬の眼差しを向けられたけど……俺は笑った。

「なんだよそれ、たまたまだよ。――たまたま、皆んなよりも魔力があっただけで、普通のエルフだよ。なっ、エン!」

「そうだな、普通のエルフだ」
「そうか、失礼なことを言ったな。悪かった」

 頭を下げようとしたから止めた。

「オジサンは頭下げないで。また下に降りたらきてもいい? ここの商品面白いし、あの魔石扇風機がいい」

「おお、来てくれローリス。ワシの名前はシンだ……魔石扇風機か。今度ローリスが来るときまでに作っておくよ」

  ーーマジか。

「ヤッタァ、楽しみ!」

 次の約束をしてシンの鍛冶屋をあとにした。時刻は三時過ぎ……ここに居られるのも、あと一時間くらいか。

「エン、お茶でもしながら話すか? お前の遠征の話が聞きたい」

「わかった、できたばかりの喫茶店にいこう! 美味いパフェというものが食べるらしい」

 意外に甘いものが好きなエンとその喫茶店に向かい、苺のパフェを食べながら、エンの話を聞きながらまったり過ごした。




 懐かしい料理を考え作ったり、あたらしいものを考えたりと――空森島はたのしい反面忙しい。一番はいつ襲ってくるのかわからない魔王の怨念攻撃。

「ヌヌ、次の攻撃は?」
「真っ直ぐきます」

「よし、わかった。雷撃を落とす!」

 数時間――亡霊となった魔王から王都を守る、それが俺とヌヌの役割だ。

「攻撃が終わったか?」

「反応がなくなりました。……終わったようですね」

 フウッと息をついた――結界を消して、気を抜いた瞬間。俺の顔にむけて、丸い何かが飛んできてひっついた。

「ウワッ、な、なに?」
「ローリス君? 大丈夫?」

「……大丈夫だと思う。お、すごいモフモフしてる」

「モフモフ? 見た目は鳥のようですが……なんでしょう?」

「わかんねぇ、生きてるのかコレ?」

 無理やり剥がそうとして、抵抗した丸いものの爪が顔にささる。

「イッ、イテッ、痛い、モフモフ、爪を引っ込めろ!」

「いやじゃ、余の体に触れるなぁ! 変態!」

 ――変態?

「誰が変態だぁ? 俺は違う!」

 ギャァギャァ暴れて、ようやく離したモフモフ……んー、ヌヌの言う通り鳥のようだが……森でみたことがない。
 
「おい、恥ずかしめはやめろ、変態」
「はい、はい、変態でーす」

 翼も小さい? コイツはどこから飛んで来たんだ?
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