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空森島
十九
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昼にガッツリ甘めのカツ丼を食べて、亜人街にあるドワーフの鍛冶屋に向かった。ドワーフはゲーム、ファンタジーにでてきた通りで、背丈が低く長い髭を蓄えているときいた。
ドワーフって鍛冶や工芸技能を持ってるんだよな。
ハンマーを持ち、熱い炎の中での作業は尊敬する。
店に着きカランコロンと、ドアベルを鳴らして中に入ると。ドワーフが作ったのか氷の魔石を使用した扇風機らしき物が置いてあり、涼しい空気を店内に送っていた。
――魔石扇風機だぁ! アンティーク調で可愛い、欲しい。
俺は初めてみるドワーフの作品に見入っていた、エンは胸元から紙を取り出して、カウンターに行き声をかけた。
「注文品を受け取りにきた」
しばらくすると奥から、しゃがれた声が聞こえる。
「おう、ちょっと待ってくれ」
チュニックのような服を着て現れたドワーフ。そのみためは可愛いおじさん。あ、女性にも髭があるんだっけ?
ドワーフはエンから紙を受け取り、注文品を確認して、奥からハンゴウなどの品を持ってきた。
「お前がこれらを注文したのか?」
「いいや、そこにいるエルフのローリスだ」
エンは俺を指さす。
「ほほう。お前がこのハンゴウ、ゴトク、フウボウを依頼した迷子のローリスか? なかなか面白いものを思いついたな――で、これで美味い米が炊けるのか?」
――迷子って、もう俺も十八なんだけど……まっいいっか。
俺は頷き。
「そう、これで鬼人産の米が炊ける。俺が頼んだ大きさでは二合の米が炊ける。お茶碗――約四杯分炊けるよ」
「四杯分か……炊き方は習ったから知っているが、ワシもコレを使って炊いてみたいな」
「いいよ。設計図はオジサンに渡してあるから好きなように作って、欲しい人がいたら、売るかあげちゃっていいよ」
「ローリスの取り分は?」
あーもし、コレらが売れたらか。
「俺は使えなくなったら、新しいのを作ってもらえるだけでいい。みんながうまい飯を食べれればそれでいいんだ」
「さすが空森島に行く奴はちがうなぁ」
尊敬の眼差しを向けられたけど……俺は笑った。
「なんだよそれ、たまたまだよ。――たまたま、皆んなよりも魔力があっただけで、普通のエルフだよ。なっ、エン!」
「そうだな、普通のエルフだ」
「そうか、失礼なことを言ったな。悪かった」
頭を下げようとしたから止めた。
「オジサンは頭下げないで。また下に降りたらきてもいい? ここの商品面白いし、あの魔石扇風機がいい」
「おお、来てくれローリス。ワシの名前はシンだ……魔石扇風機か。今度ローリスが来るときまでに作っておくよ」
ーーマジか。
「ヤッタァ、楽しみ!」
次の約束をしてシンの鍛冶屋をあとにした。時刻は三時過ぎ……ここに居られるのも、あと一時間くらいか。
「エン、お茶でもしながら話すか? お前の遠征の話が聞きたい」
「わかった、できたばかりの喫茶店にいこう! 美味いパフェというものが食べるらしい」
意外に甘いものが好きなエンとその喫茶店に向かい、苺のパフェを食べながら、エンの話を聞きながらまったり過ごした。
懐かしい料理を考え作ったり、あたらしいものを考えたりと――空森島はたのしい反面忙しい。一番はいつ襲ってくるのかわからない魔王の怨念攻撃。
「ヌヌ、次の攻撃は?」
「真っ直ぐきます」
「よし、わかった。雷撃を落とす!」
数時間――亡霊となった魔王から王都を守る、それが俺とヌヌの役割だ。
「攻撃が終わったか?」
「反応がなくなりました。……終わったようですね」
フウッと息をついた――結界を消して、気を抜いた瞬間。俺の顔にむけて、丸い何かが飛んできてひっついた。
「ウワッ、な、なに?」
「ローリス君? 大丈夫?」
「……大丈夫だと思う。お、すごいモフモフしてる」
「モフモフ? 見た目は鳥のようですが……なんでしょう?」
「わかんねぇ、生きてるのかコレ?」
無理やり剥がそうとして、抵抗した丸いものの爪が顔にささる。
「イッ、イテッ、痛い、モフモフ、爪を引っ込めろ!」
「いやじゃ、余の体に触れるなぁ! 変態!」
――変態?
「誰が変態だぁ? 俺は違う!」
ギャァギャァ暴れて、ようやく離したモフモフ……んー、ヌヌの言う通り鳥のようだが……森でみたことがない。
「おい、恥ずかしめはやめろ、変態」
「はい、はい、変態でーす」
翼も小さい? コイツはどこから飛んで来たんだ?
ドワーフって鍛冶や工芸技能を持ってるんだよな。
ハンマーを持ち、熱い炎の中での作業は尊敬する。
店に着きカランコロンと、ドアベルを鳴らして中に入ると。ドワーフが作ったのか氷の魔石を使用した扇風機らしき物が置いてあり、涼しい空気を店内に送っていた。
――魔石扇風機だぁ! アンティーク調で可愛い、欲しい。
俺は初めてみるドワーフの作品に見入っていた、エンは胸元から紙を取り出して、カウンターに行き声をかけた。
「注文品を受け取りにきた」
しばらくすると奥から、しゃがれた声が聞こえる。
「おう、ちょっと待ってくれ」
チュニックのような服を着て現れたドワーフ。そのみためは可愛いおじさん。あ、女性にも髭があるんだっけ?
ドワーフはエンから紙を受け取り、注文品を確認して、奥からハンゴウなどの品を持ってきた。
「お前がこれらを注文したのか?」
「いいや、そこにいるエルフのローリスだ」
エンは俺を指さす。
「ほほう。お前がこのハンゴウ、ゴトク、フウボウを依頼した迷子のローリスか? なかなか面白いものを思いついたな――で、これで美味い米が炊けるのか?」
――迷子って、もう俺も十八なんだけど……まっいいっか。
俺は頷き。
「そう、これで鬼人産の米が炊ける。俺が頼んだ大きさでは二合の米が炊ける。お茶碗――約四杯分炊けるよ」
「四杯分か……炊き方は習ったから知っているが、ワシもコレを使って炊いてみたいな」
「いいよ。設計図はオジサンに渡してあるから好きなように作って、欲しい人がいたら、売るかあげちゃっていいよ」
「ローリスの取り分は?」
あーもし、コレらが売れたらか。
「俺は使えなくなったら、新しいのを作ってもらえるだけでいい。みんながうまい飯を食べれればそれでいいんだ」
「さすが空森島に行く奴はちがうなぁ」
尊敬の眼差しを向けられたけど……俺は笑った。
「なんだよそれ、たまたまだよ。――たまたま、皆んなよりも魔力があっただけで、普通のエルフだよ。なっ、エン!」
「そうだな、普通のエルフだ」
「そうか、失礼なことを言ったな。悪かった」
頭を下げようとしたから止めた。
「オジサンは頭下げないで。また下に降りたらきてもいい? ここの商品面白いし、あの魔石扇風機がいい」
「おお、来てくれローリス。ワシの名前はシンだ……魔石扇風機か。今度ローリスが来るときまでに作っておくよ」
ーーマジか。
「ヤッタァ、楽しみ!」
次の約束をしてシンの鍛冶屋をあとにした。時刻は三時過ぎ……ここに居られるのも、あと一時間くらいか。
「エン、お茶でもしながら話すか? お前の遠征の話が聞きたい」
「わかった、できたばかりの喫茶店にいこう! 美味いパフェというものが食べるらしい」
意外に甘いものが好きなエンとその喫茶店に向かい、苺のパフェを食べながら、エンの話を聞きながらまったり過ごした。
懐かしい料理を考え作ったり、あたらしいものを考えたりと――空森島はたのしい反面忙しい。一番はいつ襲ってくるのかわからない魔王の怨念攻撃。
「ヌヌ、次の攻撃は?」
「真っ直ぐきます」
「よし、わかった。雷撃を落とす!」
数時間――亡霊となった魔王から王都を守る、それが俺とヌヌの役割だ。
「攻撃が終わったか?」
「反応がなくなりました。……終わったようですね」
フウッと息をついた――結界を消して、気を抜いた瞬間。俺の顔にむけて、丸い何かが飛んできてひっついた。
「ウワッ、な、なに?」
「ローリス君? 大丈夫?」
「……大丈夫だと思う。お、すごいモフモフしてる」
「モフモフ? 見た目は鳥のようですが……なんでしょう?」
「わかんねぇ、生きてるのかコレ?」
無理やり剥がそうとして、抵抗した丸いものの爪が顔にささる。
「イッ、イテッ、痛い、モフモフ、爪を引っ込めろ!」
「いやじゃ、余の体に触れるなぁ! 変態!」
――変態?
「誰が変態だぁ? 俺は違う!」
ギャァギャァ暴れて、ようやく離したモフモフ……んー、ヌヌの言う通り鳥のようだが……森でみたことがない。
「おい、恥ずかしめはやめろ、変態」
「はい、はい、変態でーす」
翼も小さい? コイツはどこから飛んで来たんだ?
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