三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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空森島にやってきたモフモフ黒い鳥。

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 二日ほど経ちエンから連絡がはいる。
 話し合いは勇者が成人するまでは維持。だそうだ。
 
 黒の処遇は空森島のローリスが預かることになった。

 ――うん、それが妥当かなと俺も思う。

「黒、二年経ったら水晶玉をこわしてやる。それまではここでのんびりするといいよ」

「そうね、黒ちゃんも一緒にローリス君の料理を堪能しましょう!」

 朝食にハンバーガーは重いかと思ったが……二人は三つペロリだ。俺としても美味しそうに食べてくれる黒が増えて嬉しい。

「うむ、あらためて。ローリス、ヌヌ、よろしくじゃ」

「よろしくね、黒ちゃん」

「よろしくな、黒……と呼んではいるが、名前どうする?」

「黒でよい、その名は気にっておる。しかしな、ローリス……露天風呂で男同士のイチャイチャはやめた方がいいぞ」

 ――露天風呂でイチャイチャ?

「そんなことエンとしてねぇけど? あ、おまっ、俺たちの風呂覗いたのか? アレはだな、エンの傷を治していたんだよ」

「傷?」

「実は俺、回復魔法も使えるようになったから、試しにエンの傷を治してみた。触れるか触れないかの距離で手をかざしていたからか、黒は誤解したんだな」

 ……じっさいは鍛え抜かれた、エンのシックスパックの筋肉を触っていたがな……我ながら変態だ。

 だが、細くて筋肉が少ない俺は、男らしいエンの筋肉に憧れる。



「そうか、頬が赤く――よい雰囲気を醸し出していた」


「まあ」

 ヌヌ、面白がるなよ。

「ちょっと待て、俺とエンは女の子が好きなノーマルだ! 勘違いしないでくれよ……ったく。俺、畑の見回りにスライムと行ってくるから、後片付けよろしくな、ヌヌ、黒」

「「はい」」

 俺はスライムをだして畑の見回りに向かった、キャベツ、レタス……玉ねぎ、ジャガイモを季節関係なく収穫できる。

 魔法で、なんとかなるのがまたいい。

「スス、スラ、スム、畑に水をまくぞ!」

「「キュ!」」

 一緒にスライム達にも水をかけてやると、キュ、キュ、喜びながら水をあびる。

 ――うん、なごむ。

 水をまき、畑の虫とりをスライム達に任せ、次は温室の見回り。ここではポーションの薬草とキュウリ、トマト、イチゴを育てている。

「イチゴが食べ頃か……イチゴジャムを作って、パンケーキ、パン、フレンチトースト……」

 決めた、フレンチトーストにしよう。

 何もなければ、俺って空森島でスローライフを楽しんでいるな。よく飲み、よく食べる仲間もいる、けっこうめぐまれているよな。

「今日も空森島はいい天気だ」

 この大陸のどこかで、両親たちは元気にやっているかな?

 もし、この首輪がはずれたら冒険者になって、のんびり冒険をしながら探してみたい。まあ、俺は長寿と呼ばれるエルフだし、時間はまだまだある。

「そのためには、魔法をもっと覚えないとな」

 方向音痴とノーコンは……一生付きまとう悩みの種になりそうだが。

 ――それもむくめて、この異世界を楽しむさ!
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