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第4章
第37話
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「まあ暴走しているとは言っても対処そのものはそこまで難解ではないね」
「えっ、それってどう言う事なの?!」
それだけヤバイ事を、解決するのが難しくないってあっさり言えちゃうんだ。
「というのも理論上はパラレルワールドの生成がコピー&ペーストに近いっていうのは伝えたと思うけど、実の所この絵本は削除機能も付いている訳で」
「……そんな簡単に?!」
「いや、緊急手段用に開発されているから現状は緊急時にしか機能しないんだけどね」
そんな簡単じゃなかったか……それでもそんな簡単にパラレルワールドの生成と削除が簡単で良いのか? と思うんだけど。
「でもそんな簡単に出来ちゃうの?」
「実の所出来るんだよね。何せ、この絵本は本来の時空と分離した世界を生成する形に近いように開発されてて……今、時空に直接影響を与える様なのは本当に暴走案件なんだよ」
……それって本来なら絵本の機能の範疇でしか影響が無かったものが直接的に影響を与えているって事……? あれ、待って。
そういえば、この絵本を使う時に移動先が使う前と違う時が結構あったけど……。
「……恐らくこの装置使った時、使用前後でいる場所が違う事もあっただろうね」
「そうそれ! あった!」
察しが良いのかタイミングが良いのか。東谷が疑問に思った話を出してきた。
「使用者のイメージを元に新しいパラレルワールド生成しているんだけど、その過程で参照するのは使用された世界をベースに再構築するから、その時その時に使用者がいた場所へと移動する……そういう仕組みなんだ」
「そ、そっか」
微妙に理解は出来ないけど、まあ整合性を合わせるとかそういうの……なのかなって。
「まあそんな形でこの装置は本来なら分離された新しいパラレルワールドを生成するための装置だったけど暴走の結果、時空の融合が始まった訳で……」
ここからが重要問題って所……? 時空の融合という確実に日常会話では起きえないような話が出てくるのを聞いて私は感じる。
「絵本の機能暴走の結果……融合したらそもそもの時空の安定性が破壊されて……綺麗に時空が木っ端みじんに破壊されそうというのが見立てだ」
「……それ洒落になってないんじゃない?!」
「言わずもがな」
東谷があまりに冷静に話しているからそうではない様に感じられるけど話している内容そのものは世界崩壊とか軽くそのスケールに突っ込んでる。もしかして……私の装置使用がリスクに……?!
「ちなみに、北野さんの装置の使用は特にきっかけにはなってないかな。あの状態で北野さんの存在状態が安定しているのが不思議な位には問題が起きてなかったよ……凄く気になるくらいにはね」
「あれ、それって……?」
「つまるところこの時代に来た時点で装置は暴走状態になってたから別に北野さんのせいいという訳ではないんだよ」
そうなの? それじゃあ一体……?
「でも、これからどうする気なの? このままじゃ完全に洒落にならない事になると思うんだけどっ」
「うーん……そこはそうだね……確実性があると考えられる手段は装置の初期化で影響を無くす事ではあるんだけど……」
東谷は、次にこう言及した。
「つまるところ、もう一度選択をし直す事になるかな、ここまでの日々を」
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という訳で、私は家に帰った後悩みに悩んでいた。ちなみに、この装置の暴走対処計画は緊急事態とはいえ準備が必要との事でその日は解散という話にされてしまった。
どうしよう……色々と、とんでもない事になっているという事実に私はかなり戦慄している。世界崩壊の危機って事じゃない? 時空の崩壊って……。
東谷が未来人だったというのも驚きだし、この絵本が時空移動じゃなくてパラレルワールドを生成させるための装置だったというのも驚きだし……あっ、だから絵本のページのなかに絵が描かれるという事? 保存機能って言ってたし、そういう事か。
「……あぁー、どうしようっ!」
本当に色々と焦りだけが募っていく。
「えっ、それってどう言う事なの?!」
それだけヤバイ事を、解決するのが難しくないってあっさり言えちゃうんだ。
「というのも理論上はパラレルワールドの生成がコピー&ペーストに近いっていうのは伝えたと思うけど、実の所この絵本は削除機能も付いている訳で」
「……そんな簡単に?!」
「いや、緊急手段用に開発されているから現状は緊急時にしか機能しないんだけどね」
そんな簡単じゃなかったか……それでもそんな簡単にパラレルワールドの生成と削除が簡単で良いのか? と思うんだけど。
「でもそんな簡単に出来ちゃうの?」
「実の所出来るんだよね。何せ、この絵本は本来の時空と分離した世界を生成する形に近いように開発されてて……今、時空に直接影響を与える様なのは本当に暴走案件なんだよ」
……それって本来なら絵本の機能の範疇でしか影響が無かったものが直接的に影響を与えているって事……? あれ、待って。
そういえば、この絵本を使う時に移動先が使う前と違う時が結構あったけど……。
「……恐らくこの装置使った時、使用前後でいる場所が違う事もあっただろうね」
「そうそれ! あった!」
察しが良いのかタイミングが良いのか。東谷が疑問に思った話を出してきた。
「使用者のイメージを元に新しいパラレルワールド生成しているんだけど、その過程で参照するのは使用された世界をベースに再構築するから、その時その時に使用者がいた場所へと移動する……そういう仕組みなんだ」
「そ、そっか」
微妙に理解は出来ないけど、まあ整合性を合わせるとかそういうの……なのかなって。
「まあそんな形でこの装置は本来なら分離された新しいパラレルワールドを生成するための装置だったけど暴走の結果、時空の融合が始まった訳で……」
ここからが重要問題って所……? 時空の融合という確実に日常会話では起きえないような話が出てくるのを聞いて私は感じる。
「絵本の機能暴走の結果……融合したらそもそもの時空の安定性が破壊されて……綺麗に時空が木っ端みじんに破壊されそうというのが見立てだ」
「……それ洒落になってないんじゃない?!」
「言わずもがな」
東谷があまりに冷静に話しているからそうではない様に感じられるけど話している内容そのものは世界崩壊とか軽くそのスケールに突っ込んでる。もしかして……私の装置使用がリスクに……?!
「ちなみに、北野さんの装置の使用は特にきっかけにはなってないかな。あの状態で北野さんの存在状態が安定しているのが不思議な位には問題が起きてなかったよ……凄く気になるくらいにはね」
「あれ、それって……?」
「つまるところこの時代に来た時点で装置は暴走状態になってたから別に北野さんのせいいという訳ではないんだよ」
そうなの? それじゃあ一体……?
「でも、これからどうする気なの? このままじゃ完全に洒落にならない事になると思うんだけどっ」
「うーん……そこはそうだね……確実性があると考えられる手段は装置の初期化で影響を無くす事ではあるんだけど……」
東谷は、次にこう言及した。
「つまるところ、もう一度選択をし直す事になるかな、ここまでの日々を」
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という訳で、私は家に帰った後悩みに悩んでいた。ちなみに、この装置の暴走対処計画は緊急事態とはいえ準備が必要との事でその日は解散という話にされてしまった。
どうしよう……色々と、とんでもない事になっているという事実に私はかなり戦慄している。世界崩壊の危機って事じゃない? 時空の崩壊って……。
東谷が未来人だったというのも驚きだし、この絵本が時空移動じゃなくてパラレルワールドを生成させるための装置だったというのも驚きだし……あっ、だから絵本のページのなかに絵が描かれるという事? 保存機能って言ってたし、そういう事か。
「……あぁー、どうしようっ!」
本当に色々と焦りだけが募っていく。
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