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悪魔と呼ばれた戦利品
第36話 五分の魂 2
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木々が紅葉し、肌を刺すような冷たい風が吹く。
季節は巡り、秋が深まり冬が訪れようとしていた。
珍しく晴天が広がる朝、ベルドール王宮には多くの民が詰めかけていた。
いつまでも独身を貫こうとしていた国王の婚礼が盛大に挙げられようとしている。
沢山の花で飾られた豪奢な馬車が、城の大階段の真下に横付けされ、花嫁が降り立った。
花の冠に、見事な刺繍の施された純白のドレスを纏った花嫁が、出迎えた宰相の手をとる。
民の見守る中、大階段の上で待つ国王アージェスの元へと向かった。
エメラルドの双眸を輝かせ、風にブロンドの後れ毛がなびく。
王冠を頭上に戴いて正装したアージェスは、やってきた花嫁を無表情で眺めた。
愛しい女に思いを馳せながら、彼は神の前で宰相パステルの息女を王妃に迎えた。
宴は朝まで続き、浮かれた城下町ではお祭り騒ぎが数日続いた。
後宮に花嫁のマリアが移り住むと、陰気な城内は急に華やいだ。
后候補の中でも最も有力視されていた公爵令嬢であっただけに、多くの家臣が胸を撫で下ろしている。
アージェスの私室には、もう誰も住んではいない。
始めから誰もいなかったかのようにひっそりとしている。
国王である彼だけが、取り残されたように現状を受け入れられないでいた。
自分の選択が間違っていたとは思わないが、ルティシアを想えば耐えるしかなかった。
婚儀から数日が立ち、アージェスは頃合を見計らって王宮から抜け出した。
馬に騎乗し、城内の広大な敷地内を走る。
橋を渡り、池を越えた木々の奥に屋敷が見えてくる。
こじんまりとした屋敷は、もともとは歴代のベルドール王が、一時王宮から離れて寛ぐ為に設けられた場所だった。それがいつの時代からか、とある目的で使用されることが多くなり、今では『秘密の花園』と呼ばれるようになっている。
その名も、場所も、王と一部の家臣のみが知る秘密の場所だ。
逸る気持ちを抑えて、アージェスは近くの木に馬の手綱を結ぶと、屋内には入らずに外から庭へと回った。
庭に設えられたガゼボに彼女はいた。
長い黒髪を風に靡かせて、一人がけの椅子にゆったりと座っている。
近づいてみても動く様子はない。
膝の上には毛布が掛けられ、規則ただしい息遣いが聞こえてきた。
どうやら眠っているらしい。
アージェスは彼女の前で片膝をつくと、無造作に毛布の上に乗せられていた白い手を取る。
冷気に熱が奪われて、冷たくなっていた。
その冷たささえもアージェスには愛おしく、彼女の手を躊躇うことなく己の温かい首筋に当てた。
タルタロゼルとモントロベル両軍との戦を平定して帰還した夜、アージェスは確かにルティシアを王妃に迎えると公言した。
もはや誰にも口出しなどさせはしなかった。
家臣を黙らせ、後は婚儀を挙げるだけのはずだった。
ところが、着々と婚儀の準備をしていたのだが、予想に反してルティシアが突然倒れたのだ。
栄養失調だった。
ルティシアに愛されていることを知って以来、アージェスは浮かれていた。
反論もせずに大人しくしているのを見て、単純にルティシアがやっと受け入れる覚悟をしてくれたのだと、喜んでいたのだ。
だから気づけなかった。以前にも増して痩せた身体が、さらにやせ細っていくのを。
原因不明のまま、アージェスは婚儀の日取りを渋々先延ばしにした。
そんなある日、原因を突き止めた侍女のファーミアが、執務室に報告へ来た。
食事後、目を光らせていたファーミアは、閑所へ入るルティシアを、いつもであれば入り口で待機するところ、中までつけて様子を窺った。見ると、ルティシアが口に指を突っ込んで、今しがた食べたものをすべて吐いていたのだという。
侍女の涙ながらの謝罪を、アージェスは蒼白になって聞いていた。
落ち着いてからファーミアを戻らせたが、アージェスはもう執務どころではなく、ルティシアの様子を見に居室へと戻った。
普段から日中に居室に戻ることも、前触れもなかったこともあってか、清掃に入っていた侍女らが驚いていた。
『いかがなさいましたか、陛下?』
侍女の一人が、どこか慌てた様子で手を止めて訊ねてきた。
自分の部屋だというのに、なぜ一々侍女などに問われねばならないのか。
不快極まりない。
『倒れた婚約者を見舞いにきたに決まってるだろ』
『あ、あの、陛下……』
前を塞ぐように歩み寄って来た侍女をかわし、歯切れ悪く声をかけてくるのを振り払って寝室へ踏み込んだ。
『どういうことだ?』
寝室を見渡したアージェスは、ぐっと握った拳を怒りで震わせた。
天幕の開かれた寝台は無人で、毛布もシーツも取り払われ、見回してもルティシアの姿は、どこにもなかった。
ルティシアは、今朝もまだ、血の気の失せた青白い顔で、起き上がれない様子だった。
ゆっくり休むようにと言いつけて離れたのだ。
『朝食後、起き上がりましたので、清掃に入らせていただきました』
名前も呼ばず、敬語もなしか。
『どこへ行った?』
『存じ上げて……ひっ』
背後で受け応えていた侍女を、アージェスは振り返ると胸倉を掴み上げた。
『あ、あの女の衣裳部屋です』
突き飛ばすように手放すと、慄いた侍女は床に尻をついて倒れた。
『そんなに不満なら王宮から出て行け。目障りだ』
悔しげに唇を噛んで泣き崩れる侍女を、別の侍女が連れて行く。
ルティシアの衣裳部屋はすぐに見つかった。
部屋の外にオリオンが立っている。
こちらも確信犯か。
王に気づいて青くなり、口を開こうとしたのを手で制し、室内には知らせぬように目で命じると、アージェスは音もなく扉を僅かに開いた。部屋の中から声が聞こえてくる。
『ルティシア様、まだお身体が良くなられておられないのですから、お部屋へ戻りましょう』
『心配しないで、大丈夫。知っているでしょう? 私はここが好きなの。とても落ち着くの。夕食前には戻るから、ここにいさせて』
アージェスは、ガツンッと鈍器で頭を殴られたような衝撃に見舞われた。
ルティシアが何を言っているのか分からなかった。
物で埋められた狭い納戸で、王に后へと切望された女が言う台詞ではない。
夕食前に戻ることもそうだ。
夢遊病を隠して、『三度の食事の席に着くことと、夕食後に居室にいる』という約束さえ守っていれば、それで良いとルティシアは思っていた。
王妃にすると公言しても、何も変わってなどいなかったのだ。
それどころか、己の居室でさえ迫害が行われ、よもや居場所を追われて狭い納戸で過ごしていたとは思いもよらなかった。
恐らく侍女側と、ルティシア本人がファーミアとお付の騎士に口止めし、伏せられ続けていたのだろう。その事実を知ったショックは大きい。
心配させたくなかったのか。
どれほど辛くとも、頼ることも縋ることも頑なにしなかった。
それなのに、アージェスの身を案じて己の眼を潰そうとした。
今度は、自ら食事を吐いて生きることから背を向けたのだ。
以前のように死までは考えなかったはずだ。
俺の元で生きようとしていたはずだ。
アージェスは音もなく扉を開いた。木箱と木箱の間に挟まるように、ルティシアは鉄格子の窓の下、壁にもたれて座っていた。ぐったりとした弱弱しい姿に、死の影が見える。アージェスは諦めた。
王妃になりたくないのだな。
『分かった。部屋を用意してやる。お前が誰にも気兼ねなく寛げる、お前だけの居場所を用意してやる。結婚ももうしなくていい。王宮からも出してやる。だから死ぬな』
いつの間にそこにいたのか、アージェスが話すまでその存在に気付かなかったルティシアとファーミアは驚いた。
『……陛下……』
ルティシアが目を細めて口元を緩めた。
心からの安らぎを浮かべて、嬉しげに微笑んだのだ。
初めて見たルティシアの心からの嬉しそうな笑顔を、アージェスは生涯忘れることはないだろう。
季節は巡り、秋が深まり冬が訪れようとしていた。
珍しく晴天が広がる朝、ベルドール王宮には多くの民が詰めかけていた。
いつまでも独身を貫こうとしていた国王の婚礼が盛大に挙げられようとしている。
沢山の花で飾られた豪奢な馬車が、城の大階段の真下に横付けされ、花嫁が降り立った。
花の冠に、見事な刺繍の施された純白のドレスを纏った花嫁が、出迎えた宰相の手をとる。
民の見守る中、大階段の上で待つ国王アージェスの元へと向かった。
エメラルドの双眸を輝かせ、風にブロンドの後れ毛がなびく。
王冠を頭上に戴いて正装したアージェスは、やってきた花嫁を無表情で眺めた。
愛しい女に思いを馳せながら、彼は神の前で宰相パステルの息女を王妃に迎えた。
宴は朝まで続き、浮かれた城下町ではお祭り騒ぎが数日続いた。
後宮に花嫁のマリアが移り住むと、陰気な城内は急に華やいだ。
后候補の中でも最も有力視されていた公爵令嬢であっただけに、多くの家臣が胸を撫で下ろしている。
アージェスの私室には、もう誰も住んではいない。
始めから誰もいなかったかのようにひっそりとしている。
国王である彼だけが、取り残されたように現状を受け入れられないでいた。
自分の選択が間違っていたとは思わないが、ルティシアを想えば耐えるしかなかった。
婚儀から数日が立ち、アージェスは頃合を見計らって王宮から抜け出した。
馬に騎乗し、城内の広大な敷地内を走る。
橋を渡り、池を越えた木々の奥に屋敷が見えてくる。
こじんまりとした屋敷は、もともとは歴代のベルドール王が、一時王宮から離れて寛ぐ為に設けられた場所だった。それがいつの時代からか、とある目的で使用されることが多くなり、今では『秘密の花園』と呼ばれるようになっている。
その名も、場所も、王と一部の家臣のみが知る秘密の場所だ。
逸る気持ちを抑えて、アージェスは近くの木に馬の手綱を結ぶと、屋内には入らずに外から庭へと回った。
庭に設えられたガゼボに彼女はいた。
長い黒髪を風に靡かせて、一人がけの椅子にゆったりと座っている。
近づいてみても動く様子はない。
膝の上には毛布が掛けられ、規則ただしい息遣いが聞こえてきた。
どうやら眠っているらしい。
アージェスは彼女の前で片膝をつくと、無造作に毛布の上に乗せられていた白い手を取る。
冷気に熱が奪われて、冷たくなっていた。
その冷たささえもアージェスには愛おしく、彼女の手を躊躇うことなく己の温かい首筋に当てた。
タルタロゼルとモントロベル両軍との戦を平定して帰還した夜、アージェスは確かにルティシアを王妃に迎えると公言した。
もはや誰にも口出しなどさせはしなかった。
家臣を黙らせ、後は婚儀を挙げるだけのはずだった。
ところが、着々と婚儀の準備をしていたのだが、予想に反してルティシアが突然倒れたのだ。
栄養失調だった。
ルティシアに愛されていることを知って以来、アージェスは浮かれていた。
反論もせずに大人しくしているのを見て、単純にルティシアがやっと受け入れる覚悟をしてくれたのだと、喜んでいたのだ。
だから気づけなかった。以前にも増して痩せた身体が、さらにやせ細っていくのを。
原因不明のまま、アージェスは婚儀の日取りを渋々先延ばしにした。
そんなある日、原因を突き止めた侍女のファーミアが、執務室に報告へ来た。
食事後、目を光らせていたファーミアは、閑所へ入るルティシアを、いつもであれば入り口で待機するところ、中までつけて様子を窺った。見ると、ルティシアが口に指を突っ込んで、今しがた食べたものをすべて吐いていたのだという。
侍女の涙ながらの謝罪を、アージェスは蒼白になって聞いていた。
落ち着いてからファーミアを戻らせたが、アージェスはもう執務どころではなく、ルティシアの様子を見に居室へと戻った。
普段から日中に居室に戻ることも、前触れもなかったこともあってか、清掃に入っていた侍女らが驚いていた。
『いかがなさいましたか、陛下?』
侍女の一人が、どこか慌てた様子で手を止めて訊ねてきた。
自分の部屋だというのに、なぜ一々侍女などに問われねばならないのか。
不快極まりない。
『倒れた婚約者を見舞いにきたに決まってるだろ』
『あ、あの、陛下……』
前を塞ぐように歩み寄って来た侍女をかわし、歯切れ悪く声をかけてくるのを振り払って寝室へ踏み込んだ。
『どういうことだ?』
寝室を見渡したアージェスは、ぐっと握った拳を怒りで震わせた。
天幕の開かれた寝台は無人で、毛布もシーツも取り払われ、見回してもルティシアの姿は、どこにもなかった。
ルティシアは、今朝もまだ、血の気の失せた青白い顔で、起き上がれない様子だった。
ゆっくり休むようにと言いつけて離れたのだ。
『朝食後、起き上がりましたので、清掃に入らせていただきました』
名前も呼ばず、敬語もなしか。
『どこへ行った?』
『存じ上げて……ひっ』
背後で受け応えていた侍女を、アージェスは振り返ると胸倉を掴み上げた。
『あ、あの女の衣裳部屋です』
突き飛ばすように手放すと、慄いた侍女は床に尻をついて倒れた。
『そんなに不満なら王宮から出て行け。目障りだ』
悔しげに唇を噛んで泣き崩れる侍女を、別の侍女が連れて行く。
ルティシアの衣裳部屋はすぐに見つかった。
部屋の外にオリオンが立っている。
こちらも確信犯か。
王に気づいて青くなり、口を開こうとしたのを手で制し、室内には知らせぬように目で命じると、アージェスは音もなく扉を僅かに開いた。部屋の中から声が聞こえてくる。
『ルティシア様、まだお身体が良くなられておられないのですから、お部屋へ戻りましょう』
『心配しないで、大丈夫。知っているでしょう? 私はここが好きなの。とても落ち着くの。夕食前には戻るから、ここにいさせて』
アージェスは、ガツンッと鈍器で頭を殴られたような衝撃に見舞われた。
ルティシアが何を言っているのか分からなかった。
物で埋められた狭い納戸で、王に后へと切望された女が言う台詞ではない。
夕食前に戻ることもそうだ。
夢遊病を隠して、『三度の食事の席に着くことと、夕食後に居室にいる』という約束さえ守っていれば、それで良いとルティシアは思っていた。
王妃にすると公言しても、何も変わってなどいなかったのだ。
それどころか、己の居室でさえ迫害が行われ、よもや居場所を追われて狭い納戸で過ごしていたとは思いもよらなかった。
恐らく侍女側と、ルティシア本人がファーミアとお付の騎士に口止めし、伏せられ続けていたのだろう。その事実を知ったショックは大きい。
心配させたくなかったのか。
どれほど辛くとも、頼ることも縋ることも頑なにしなかった。
それなのに、アージェスの身を案じて己の眼を潰そうとした。
今度は、自ら食事を吐いて生きることから背を向けたのだ。
以前のように死までは考えなかったはずだ。
俺の元で生きようとしていたはずだ。
アージェスは音もなく扉を開いた。木箱と木箱の間に挟まるように、ルティシアは鉄格子の窓の下、壁にもたれて座っていた。ぐったりとした弱弱しい姿に、死の影が見える。アージェスは諦めた。
王妃になりたくないのだな。
『分かった。部屋を用意してやる。お前が誰にも気兼ねなく寛げる、お前だけの居場所を用意してやる。結婚ももうしなくていい。王宮からも出してやる。だから死ぬな』
いつの間にそこにいたのか、アージェスが話すまでその存在に気付かなかったルティシアとファーミアは驚いた。
『……陛下……』
ルティシアが目を細めて口元を緩めた。
心からの安らぎを浮かべて、嬉しげに微笑んだのだ。
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