なら、家族になりませんか?

青波 三笠

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変わらないもの

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結婚して半年が過ぎた頃。
いつものように酒を交わす。
今回は結婚おめでとう会だ。

「どう?結婚生活」
「あんまり変わらんね。同棲してたし。名前くらいかな。でも、仕事は旧姓使わせてもらってるから、病院で名前呼ばれる時くらいかも。実感湧くの。」
「引っ越しはせんの?」
「今のところその予定も無くて。家族が増えたら考えるかなって感じ。」
「結婚するのとしないのって何が違うんやろ」
「感覚的になっちゃうけど、家族って感じがする。恋人よりも夫婦の方がパイプが太い感覚。」

だし巻き卵がきた

「確かにな。『彼女』よりも『妻』の方が何か強い気がする。」
「そっちこそどう?同じ時期に結婚したじゃん」
「いやー。なんか守らねばって感化が強くなったわ。妻を守るっていうより家族を守るって感じ。」

私達2組のカップルは法律婚でそれぞれ夫婦になった。

「事実婚とか考えた?」
「よぎりはした。でも、俺たちが子供の頃って事実婚はほとんど耳にしなかったし、結婚=婚姻届っていうのがあったからね。」
「それはそう。」
「万が一何かあった時、夫婦って認められなかったら辛いしさ。質問返ししていい?」
「苗字を変えたかったから」
「なんやそれ笑」
「私の旧姓在り来りすぎだもん。在り来り苗字の中で1番つまらんよあれ。佐藤とかならまだ許せるけど」
「印鑑に困ることは無くない?メリットとして」
「弱いて」

餃子がきた

「結婚式挙げるの?」
「ティアラ貰っちゃったしさ。言われちゃったんだよね。見たいって。」
「あの時の誕生日凄かったな。」
「ね。あれを超えるものは無いよ。財布が心配だけど」
「あれから婚約指輪カツアゲしたの?笑」
「したよ」
「鬼嫁や」
「嫁呼ぶぞ」
「怒られる」

揚げ餃子がきた

「婚約指輪のお返しって貰った?」
「いや、何それ」
「婚約指輪貰ったお返しをするのがあるらしい」
「別にいらんな」
「どうして?」
「だって結婚して下さいって言ったの俺やし。婚約成立の証みたいなもんやと思ってる」
「いいこと言うやん」
「プレゼントじゃないんやからさ。」
「イケメンやな」
「まあな。あげたん?」
「いや。プレゼントとして貰った訳じゃないしなと思って。」
「愛で返してもらえればええねん」
「奥さん呼ぶか」
「恥ずかしい」
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