深きダンジョンの奥底より

ディメンションキャット

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出会い

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ぱちぱち── という木が燃える音のなかで、俺は意識を取り戻した。背中からふくらはぎにかける硬い感触からして、俺はどうやら仰向けに寝ているようだ。どうやら、というのは何故か視界が真っ暗なせいで、現状自分がどういった状況に置かれているかを把握出来ないためである。

── なにかいい匂いがするな、それに人の気配も。

 視覚が封じられているせいだろうか、他の感覚が鋭くなっている。それを利用して、俺はなんとなくどういった場所に寝かされているか想像してみる。

 ゴツゴツとした硬い背中の感触や、雪山というのに空気自体が暖かいこと、さらにいい匂いが充満していること全てから察するにここは洞窟のような場所だろう。

 集中して耳を澄ませてみれば、焚き火の音の隙間、少し遠くから寝息も聞こえた。俺を運んで、焚き火をした人間のものだろう。さらに考えれば魔物に恐れることなく安心して寝ているということを思えば、ここは『セーフゾーン』なんだろう。

 しかし、まだ全身が痛い。疲労は<治癒ヒール>では治せない。どこの誰が何の目的で俺を助けたのかは分からないが、取り敢えずは感謝しておこう。

 俺は再び寝るために、思考を止めた。

***

「さむっ……」

 急に寒風が背中に吹き付け、うつらうつらとしていた意識が再び冴え渡る。目を開けば、さっきと違ってきちんと見え、やはり予想通りに狭い洞窟の天井が視界いっぱいに拡がっていた。

「あっ、気が付きましたか?」

 隣から女性の声でそう尋ねられ、俺はそちらに顔を向け、

「えっ……」
 
 見えた彼女のその姿に、恐怖してしまう。

「驚きますよね、すみません……驚いちゃうと思って、私が寝てる間は視界を封じさせてもらったんです、ごめんなさい」

 そう申し訳なさそうに彼女は子供だった。それも見た目からすると10代半ばの、本来なら絶対にダンジョンに居ない年齢の子供だ。
 
 だが、それよりも目を引くところが彼女には有った。いや有るべきものが無くて、無いはずのものが有った。

「この通り……腕も脚も無いものでして」

 彼女はそう言い、少し自分の身体を俺に見えやすいようにする。そう、彼女には人間の四肢が無かったのだ。
 
 そして、
 
「いや……うん、正直驚いた」

 彼女は確かに四肢が無かった。そして、その代わりにデッドウルフの身体と融合していた。






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