悪役令嬢の『 トリセツ 』はこちら。

一色瑠䒾

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 『 転生 』ならば、神や何かしらの加護と恩恵を受けているが、私の様な『 転移 』の場合は、現世界でのノーマルステータスのまま招かれるケースが殆どだ。運が良ければ、一緒に召喚されたガジェット、スマホやノートPCなど、現世界の電子機器を魔導機として鑑定させ、それを売るなりし、資金源として活用する手もあるが、何せ、私の様な不意を突かれて、飲みかけのビール缶とバスタオル一枚では、金にもならないし、交渉の手段さえない。
 そこで、どうするかだが、簡単な話である。私は力一杯ガチで悲鳴を上げた。

「 キィェぇええーーーー! 」

 突然の悲鳴にビクンッと一斉に召喚士達の体が反応する。彼等は、まさに鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしていた。

「 お前らぁあ! 今、私の裸を見たよなぁ? いや、絶対見たな! この上ない陵辱たる目で、細部までじっくりと舐め回すかのように見ただろ! 」

 そうだ、『 脅迫 』である。

 そして、私はこの時、この窮地をきっかけに、ノーマルステータスに『 絶対的服従 LV:1』と言う、悪役令嬢の専用スキルが発現された。

「 勝手に招いた挙句、女の裸をタダで見られるとは、思ってはおらんよなぁ? あ? 」

 私は召喚士一人ずつ、髪の毛を鷲掴みにし、自分の顔に近付けては問いただす。すると彼等は、『 女の裸 』と言う『 対価 』の要求をすんなり飲み、快くもてなしてくれた。

 肝に銘じておくと良い。『 女の裸 』は交渉の際、十分、イニシャチブを取れるだけの武器となる事を。裸を晒すのが恥ずかしいだとか、そんな、悠長で甘い考えでは異世界で即、命取りになる事を貴女にお伝えしたい。

 私は、私を召喚した八人の召喚士から、それぞれ『 私の裸の対価』に値する、八品の物品を手に入れた。

 
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