恋色模様

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その後の二人

その後5


 下りてきた青山は深く口内を貪り、差し込まれた舌に官能のスイッチを押された。器用な動きで絡めてくる。応じたくて懸命に伸ばしても、どうしたって経験の差なのかうまくいかない。

「ふっ、んっ…ん、んんっ」

 くぐもった、鼻から抜ける声にならない声。同じことをしているのに、どうして青山はこうならないんだろう。
 もしや感じてないとか?いや、でもちゃんと勃ちかけているご子息の存在はわかるわけで、腿に存在を示していた。どうもこんばんは、よろしくね。

 口蓋を舐められ、くすぐったいところを撫でられる。俺の肚の中もぞわぞわして、下半身に熱が灯った。

「んっ、んんっ……んぁ、」

 ようやく開放され、糸を引いて離れた青山の唇が艶かしくて目が離せなくなる。濡れた唇を舌先が右から左へチロリと舐めた。
 瞳の奥がギラギラしてくると、興奮しているのか黒目の色が濃くなるのを知っているのかな。自分では見れないだろうから、俺だけが知っているのかもしれない。特権だ。

 布団へ突いた肘で体重を支え、もう片方の手がさらっと俺の前髪を後へ梳いた。丸出しになった額に、唇で触れてくる。
 そんな初々しい仕草を今更されても、もっと濃厚な行為を知ってしまった身体は満足できない。

「もっと、いっぱい……シて」

 俺は強請るように、青山の首へ腕を回した。
 耳に声が運ばれる。『俺がシていい?自分でする?』選択の内容が選びにくいもので、どっちを選んだにしても何だかなーという気がしなくもない。

「シて、ほしい……」

 言いづらいが仕方ない。自分からする方が大変だということは想像に難くなく、できることなら避けたい。
 いやホント。上になるのって体力がいると思う。何度もやったわけじゃないが騎乗位って根性というか筋力?脚や腰や背筋が必要だろ。鍛えるつもりはないから、ビッチの人ってすげえよなぁ。尊敬。

 浴衣の合わせから手が入ってくる。そういえばコレ、宿の借り物だから汚すわけにはいかないよな。脱いでおいた方がいいんじゃないだろうか。

「浴衣、ぬいだほうが……よくない?」

「いや、せっかくなら堪能したいでしょ」

 堪能って、あれか。ちょっと着崩れたり肌蹴たり、ってやつだろうか。俺がそんなことしてもだらしなくなるだけで効果はないと思うけど、青山がやりたいならこのままする?汚したら洗ってくれんのかな。
 そんなことを思ってたら、『ちょっとゴメン』って起き上がってカバンをがさごそ探し始めた。そしてタオルや何やら両手に持って戻ってきた。中にはパッケージのアレがありましてね。
 スキンを俺に着ければ粗相をしても大丈夫ってことらしい。だからこのまま浴衣でやろうってことですか。そうですか。えー。

「そういうわけで、勃ってもらわないと」

 さあ勃ちましょう!って号令すればそうなるもんじゃないです。はい。さすがに何もせずにビンビン元気とはいかず、半勃ち状態で放置されていた俺の息子に青山の手が伸びる。

 下着を脱がされ帯は緩められ、合わせを拡げて胸にしゃぶりつかれた。乳首を舐められているうちにツキンッとした疼きが下腹部へ生まれる。

「ぁ、うそっ……何で、っ」

「もう感じる?へー、これイイんだ?」

 尖り始めた乳首を舌先でチロチロ刺激される。そうすると肌が戦慄いて、ギュンッと息子が張り詰めていった。

「ここでイけるようにさせたいな…」

「いやダイジョウブです」

 主張大事。でも俺の意見は黙殺される気がしてならない。とても楽しそうな青山がしつこい性格をしていることを俺は知っている。楽しそうだなー。たぶん毎回これやることになるんだろうなー。頑張れ、俺。

 スキンを被せるには充分なくらい勃った息子に、青山が嬉々として装着してくれた。これで汚す心配がなくなったよ。どうもありがとう。ありがとう?

 そして挿入する側の青山も自身の息子を扱き、別の箱からサイズの違うスキンを装着完了させた。はいはーい、注目。サイズ違い。俺とはサイズ違い。

「これで文句ないよね?」

「うん、…ん?」

 汚れたらいけないからと言ったからその対応策を講じられた。そうですね、もう心配や問題はありません。

 そうしてやわやわと愛撫が施され、触れられれば感じるくらい敏感な状態へ仕上げられてしまった。
 こうなると何もされないほうが辛くなり、青山へやらしく強請ることになってしまった。

「あ、もう…挿れてっ、ほしっ」

「どこに?」

「…ここっ……あつい、はやくっ……して」

 はーはー息を吐いて熱を逃がそうとしても全然身体は冷えてくれない。腰骨のところにあるホクロを何度も吸っては舐められ、勃ち上がっている陰茎を上下へ擦られているのに決定打とはならず射精には至らなかった。

 自分の右足を持ち上げ後孔を晒す。ここに欲しいのだと伝えたら、叶えてくれるのか?指すら挿れずにひたすら肌の表面ばかり撫でられ、いい加減おかしくなりそうだった。

「夏月の欲しがる姿を見られて…ここまで来た甲斐があったかも」

 ふっ、てその笑い。大体おかしなこと考えてるときー。
 ようやくひくついた窄まりに青山の指が入ってきた。スキンを被せてあるから精液も何もなくて、垂らしたローションで解される。けっきょく汚れるんじゃない?あれ?
 ぬちぬちと聞こえる音がいたたまれなくもあり、これから起こることの予告をしているようで堪らなくなった。

「ここにもあるんだ……知らなかった」

 新しく見付けたらしい脇腹のホクロを指先で撫でられた。円を描き、やはりそこも強く吸い上げる。身体の前面にばかり朱印が散っているだろうから、大浴場で朝風呂はできないだろうな。ちょっと残念だ。

 意識が半分ぼやっとしてて、残りは熱さや快感や焦れったさで埋められる。丁寧で優しくはあるのに、容赦なく孔を拡げられた。
 青山の反り返った怒張が充てがわれ、くぽくぽ先端が侵入の赦しを乞う。

「浅いトコだっけ?ナカを全部擦ってほしい?」

「ちがっ、そんなこと言ってな…っアッ」

 あのとき自分で何を言ったのか覚えているわけもなく、ただ青山の言葉は勝手に言い換えたのだとそれだけはわかった。
 入口近くを何度も擦られ、その次にじっくりゆっくり壁の全面を触るように腰をグラインドさせてきた。時々感じるポイントに当てられ、ビクビク腹が跳ねる。

「ぁ、んあ、ァッ……っや、」

「…いや?」

 息と一緒に声が勝手に出てしまう。嫌ではなくて、いいからヤダというか。とにかく嫌ではないのだ。
 それがわかるようで、反応があるソコばかりを何度も執拗に擦られた。

「あっ、もう…出るっ……イっちゃう」

 ゾワゾワ這い上がる何かが溢れてしまいそう。いつもならトロトロ陰茎を伝って出ているものが、ゴム材の中で少しずつ溜まっていく違和感というか変な感じがした。
 青山がカリを引っ掛けるように、俺の中の前立腺を刺激した。たぶんわざとだ。そういえばそんなこと言ったかもしれない。えーっと、…うん、言ったな。

「あっ、ァ…ああっ、んアッ―――」

 開放感と共に、俺は絶頂を迎えた。吐き出したものがスキンに溜まって、全盛からレベルダウンした息子と一緒に包まれている。何だか気持ち悪い。

 俺とは違ってまだギンギンの青山息子は、一旦動きを止めはしたものの、すぐに再稼働できるらしい。お元気でなによりです!
 いや、そうじゃない。まだ落ち着かない快感をすぐに呼び戻され、ふにゃふにゃのスキンが気持ち悪くて、自分で無造作に取ってしまった。

「汚したくないんじゃなかった?」

「これ、やだ…っ」

 なんかもう最初からあまり意味がなかった気がして、俺は浴衣から腕を抜いた。そして青山にしがみつき、背中からも引き抜いてもらった。これで気にしなくていいかな、と。
 青山も同じように何も身に纏わない姿で、俺たちは抱き合った。



 俺サイズは一枚、青山サイズは五枚。ゴミの数である。今回の新情報は、俺たちサイズが違うんです!ってことだった。



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