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第13話 刀が導く覚醒
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訓練場には冷たい風が吹き抜けていた⸺。
天音は息を切らし、膝をついている。呼吸を整えようとするが、肺が焼けるように痛む。目の前では、紫苑と他のメンバーが無言で立っていた。
「……休むな、立て」
紫苑の声は冷酷だったが、そこに嘲笑や皮肉は含まれていなかった。ただ、淡々と、感情を交えない命令。
天音は顔を上げる。紫苑が無造作に一振りの刀を差し出してきた。
「これは……?」
「お前専用の武器だ。八咫烏として戦うなら、その刀を扱え、これから能力覚醒訓練を始める」
銀色に光る刀身には、黒く滲むような刃紋が刻まれていた。触れた瞬間、冷たさの奥で何かが蠢く感覚が走る。
握った柄が、少し重かった。
――八咫烏として、重荷を確かに感じた。
天音は立ち上がり、メンバーたちの前に再び立つ。
(今度こそ、前のようには簡単に倒れない……)
刀を構え、突撃する。
斬り込む⸺。
振るう⸺。
これまでに教わったことを全て叩き込み、必死に食らいついた。しかし、相手の動きは見えず、攻撃は受け止められ、弾かれる。
身体が限界に近づいていた。
呼吸は荒く、視界は揺れる。
そして再び、膝をついた……。
周囲の空気が沈黙に変わる。紫苑もメンバーも、口を開かない。
ただ、その目に映るわずかな落胆。無言の失望が胸を貫いた。
(⸺嫌だ)
脳裏に声が響く。自分自身の声。
(ここで終わりたくない、諦めない)
震える手で刀を握り締める。指が白くなるほど力を込めた。
全身が痛みに悲鳴をあげるが、それでも、天音は立ち上がった。
「まだ……終わってない……」
足元が揺れる。
油断すれば力が抜けそうになる。
だが、その瞬間だった。
胸の奥が、熱く燃え上がる感覚があった。
(熱い……来て!私の中に……熱い何かが?)
無意識の中で、何かを引き寄せる感覚。
次の瞬間、全身に圧倒的な力が駆け巡った。筋肉が膨張するように熱を帯び、視界が一気に鮮明になる。刀が軽い。地面を蹴った時、今まで感じたことのない速度で前へ踏み込んでいた。
「……っ!」
最も近くにいた絢華さんが、息を呑んで目を見張る。紫苑もわずかに目を細めた。
振り下ろした刀が空気を裂き、絢華さんの防御を弾き飛ばす⸺。
その一撃に、確かな手応えがあった。
(これが……私の力……!)
そのとき。
天音の意識の奥で、誰にも聞こえない独り言のような声が零れた。
『……ついに来たか……』
姿はない……。
ただ、暗闇の中で、天音自身も気づかないまま
その声は、口元を歪めてニヤリと笑っていた。
天音は息を切らし、膝をついている。呼吸を整えようとするが、肺が焼けるように痛む。目の前では、紫苑と他のメンバーが無言で立っていた。
「……休むな、立て」
紫苑の声は冷酷だったが、そこに嘲笑や皮肉は含まれていなかった。ただ、淡々と、感情を交えない命令。
天音は顔を上げる。紫苑が無造作に一振りの刀を差し出してきた。
「これは……?」
「お前専用の武器だ。八咫烏として戦うなら、その刀を扱え、これから能力覚醒訓練を始める」
銀色に光る刀身には、黒く滲むような刃紋が刻まれていた。触れた瞬間、冷たさの奥で何かが蠢く感覚が走る。
握った柄が、少し重かった。
――八咫烏として、重荷を確かに感じた。
天音は立ち上がり、メンバーたちの前に再び立つ。
(今度こそ、前のようには簡単に倒れない……)
刀を構え、突撃する。
斬り込む⸺。
振るう⸺。
これまでに教わったことを全て叩き込み、必死に食らいついた。しかし、相手の動きは見えず、攻撃は受け止められ、弾かれる。
身体が限界に近づいていた。
呼吸は荒く、視界は揺れる。
そして再び、膝をついた……。
周囲の空気が沈黙に変わる。紫苑もメンバーも、口を開かない。
ただ、その目に映るわずかな落胆。無言の失望が胸を貫いた。
(⸺嫌だ)
脳裏に声が響く。自分自身の声。
(ここで終わりたくない、諦めない)
震える手で刀を握り締める。指が白くなるほど力を込めた。
全身が痛みに悲鳴をあげるが、それでも、天音は立ち上がった。
「まだ……終わってない……」
足元が揺れる。
油断すれば力が抜けそうになる。
だが、その瞬間だった。
胸の奥が、熱く燃え上がる感覚があった。
(熱い……来て!私の中に……熱い何かが?)
無意識の中で、何かを引き寄せる感覚。
次の瞬間、全身に圧倒的な力が駆け巡った。筋肉が膨張するように熱を帯び、視界が一気に鮮明になる。刀が軽い。地面を蹴った時、今まで感じたことのない速度で前へ踏み込んでいた。
「……っ!」
最も近くにいた絢華さんが、息を呑んで目を見張る。紫苑もわずかに目を細めた。
振り下ろした刀が空気を裂き、絢華さんの防御を弾き飛ばす⸺。
その一撃に、確かな手応えがあった。
(これが……私の力……!)
そのとき。
天音の意識の奥で、誰にも聞こえない独り言のような声が零れた。
『……ついに来たか……』
姿はない……。
ただ、暗闇の中で、天音自身も気づかないまま
その声は、口元を歪めてニヤリと笑っていた。
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