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解放団旗揚げ
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アベルの部屋のドアをノックしたら、いつも通りの雰囲気のアベルが出てきた。
服の隙間から見えるアベルの肩に綺麗に巻かれた包帯が、自分のせいで取れないんだと思うと泣きたくなる。
「どうしたんですか?」
「また……傷が開いたって聞いて……あたしのせいで……」
「お嬢様のせいじゃないですよ?」
絶対にアベルはあたしを責めない。
そんな優しさに涙が出てきた。
「泣かないでください。お嬢様をお守りするのが私の役目です」
「……それが仕事だから?仕事だから、あたしに優しいの?」
そう言ってあたしから抱き着いた。
今、気持ちを伝えないとって思ったから。
「え!?お嬢様!!!?」
「仕事なんかじゃなくて……あたしが将軍家の娘じゃなかったら……アベルはあたしを見てくれた?あたしは、アベルのことを……」
「セシル」
………今、名前で呼んだ?
アベルは絶対にあたしを『お嬢様』と呼ぶ。
名前でなんて絶対に呼ばない。
「あたしの……名前、呼んだ?」
「お嬢様は全く困ったお方です……私が言いたい事を先に言ってしまおうとするなんて」
身体を離して目線をあたしと同じにしてくれた。
「私は……いつかお嬢様が結婚してハーン様のお屋敷を出るまでお側にいるだけでいいと思っていたんですが………まさか同じ想いだと思いませんでした」
優しく微笑んであたしの涙を掬ってくれた。
「私は……今までお嬢様を『ハーン様の娘』ではなく『一人の女性』としてみていました」
服の隙間から見えるアベルの肩に綺麗に巻かれた包帯が、自分のせいで取れないんだと思うと泣きたくなる。
「どうしたんですか?」
「また……傷が開いたって聞いて……あたしのせいで……」
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絶対にアベルはあたしを責めない。
そんな優しさに涙が出てきた。
「泣かないでください。お嬢様をお守りするのが私の役目です」
「……それが仕事だから?仕事だから、あたしに優しいの?」
そう言ってあたしから抱き着いた。
今、気持ちを伝えないとって思ったから。
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「セシル」
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名前でなんて絶対に呼ばない。
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「お嬢様は全く困ったお方です……私が言いたい事を先に言ってしまおうとするなんて」
身体を離して目線をあたしと同じにしてくれた。
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