悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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湖の街の危機

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「帝国はなんちゅー毒を持ってんだ!おっかねぇな!」


クルーが言う通り、本当に恐ろしい毒だと思う。



「外傷は傷を受けた部位が壊死していくという毒だから……最悪その皮膚を焼けば………ものすごーく痛いだろうけど」


「じゃあ帝国はなんで色分けするんだ?俺達に『私は毒持ってます』って教えるようなもんじゃないか」


クリックが聞いてきた。



「もし切っ先でも味方に掠めたらどうなります?味方も毒に冒される可能性がある。
だから味方にも注意のため、また民間人にも威嚇の意味をこめてわざと色分けしてるんです」


アベルの説明にクリックも納得していた。



「帝国軍の兵士はその毒兵隊がいる戦場では常に解毒剤を持参しています。味方の被害は最小限、敵の被害は最大限……それが狙い。
そしてその毒を開発したのが医師だったティアという女性です」


「ティア先生が!?」



ゼシカの説明に驚いた。
毒を開発した医師が誰かまでは知らなくて、まさかあたしが小さい頃に風邪や病気にかかれば看てくれた医師がそんな事をしてるとは思えなかったから。



「ティア医師は帝国にその毒の製造方法は伝えず、医師としての仕事を辞め、ただひたすら毒を作り続けているそうです。だから、解毒剤も彼女しか作れません」



人を助ける医者が人を殺す毒の製造をしている。
やはり、この国は狂っている。


「まれに市場に解毒剤が出回るらしいですが……基本的に解決策がないです。ですので気をつけて……」



ゼシカがその場を締めてくれたが、クリックたちはその存在を知らなかったらしく言葉をなくしていた。



「外部からの侵略の心配がないこの地にそんな毒なんて……力で国民を押さえ付けるためじゃねぇか!!!」


クルーの怒鳴り声を背中で聞きながら大広間を出た。





明日、あたしはゴウライ地方に行く。


部屋に戻りゴウライ地方の地図を片手に悩み続けた。
上陸地点……行き方……



ゴウライ地方には北のゼレイ地方寄りにドライ水上砦がある。
だから、上陸するならなるべく南……ドライ水上砦の近くに港町メイリーがあるが、水上砦に近すぎて危険……やっぱり無理矢理どこかから上陸するしかない。

そして、なるべく南を選ぶならロックライフに行く方が近いだろう。



ゴウライ地方はその中心にロック城があり、ロック城よりさらに西にロックライフとロックルックがある。
南西にロックライフ、北西にロックルック
この二つの市の後ろは絶壁の岩山で他国は侵略できない天然の造り。


ロック城から見て北側と南側に有名な学院がある土地で知られている……それがゴウライ地方。

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