70 / 297
湖の街の危機
6
しおりを挟む
「帝国はなんちゅー毒を持ってんだ!おっかねぇな!」
クルーが言う通り、本当に恐ろしい毒だと思う。
「外傷は傷を受けた部位が壊死していくという毒だから……最悪その皮膚を焼けば………ものすごーく痛いだろうけど」
「じゃあ帝国はなんで色分けするんだ?俺達に『私は毒持ってます』って教えるようなもんじゃないか」
クリックが聞いてきた。
「もし切っ先でも味方に掠めたらどうなります?味方も毒に冒される可能性がある。
だから味方にも注意のため、また民間人にも威嚇の意味をこめてわざと色分けしてるんです」
アベルの説明にクリックも納得していた。
「帝国軍の兵士はその毒兵隊がいる戦場では常に解毒剤を持参しています。味方の被害は最小限、敵の被害は最大限……それが狙い。
そしてその毒を開発したのが医師だったティアという女性です」
「ティア先生が!?」
ゼシカの説明に驚いた。
毒を開発した医師が誰かまでは知らなくて、まさかあたしが小さい頃に風邪や病気にかかれば看てくれた医師がそんな事をしてるとは思えなかったから。
「ティア医師は帝国にその毒の製造方法は伝えず、医師としての仕事を辞め、ただひたすら毒を作り続けているそうです。だから、解毒剤も彼女しか作れません」
人を助ける医者が人を殺す毒の製造をしている。
やはり、この国は狂っている。
「まれに市場に解毒剤が出回るらしいですが……基本的に解決策がないです。ですので気をつけて……」
ゼシカがその場を締めてくれたが、クリックたちはその存在を知らなかったらしく言葉をなくしていた。
「外部からの侵略の心配がないこの地にそんな毒なんて……力で国民を押さえ付けるためじゃねぇか!!!」
クルーの怒鳴り声を背中で聞きながら大広間を出た。
明日、あたしはゴウライ地方に行く。
部屋に戻りゴウライ地方の地図を片手に悩み続けた。
上陸地点……行き方……
ゴウライ地方には北のゼレイ地方寄りにドライ水上砦がある。
だから、上陸するならなるべく南……ドライ水上砦の近くに港町メイリーがあるが、水上砦に近すぎて危険……やっぱり無理矢理どこかから上陸するしかない。
そして、なるべく南を選ぶならロックライフに行く方が近いだろう。
ゴウライ地方はその中心にロック城があり、ロック城よりさらに西にロックライフとロックルックがある。
南西にロックライフ、北西にロックルック
この二つの市の後ろは絶壁の岩山で他国は侵略できない天然の造り。
ロック城から見て北側と南側に有名な学院がある土地で知られている……それがゴウライ地方。
クルーが言う通り、本当に恐ろしい毒だと思う。
「外傷は傷を受けた部位が壊死していくという毒だから……最悪その皮膚を焼けば………ものすごーく痛いだろうけど」
「じゃあ帝国はなんで色分けするんだ?俺達に『私は毒持ってます』って教えるようなもんじゃないか」
クリックが聞いてきた。
「もし切っ先でも味方に掠めたらどうなります?味方も毒に冒される可能性がある。
だから味方にも注意のため、また民間人にも威嚇の意味をこめてわざと色分けしてるんです」
アベルの説明にクリックも納得していた。
「帝国軍の兵士はその毒兵隊がいる戦場では常に解毒剤を持参しています。味方の被害は最小限、敵の被害は最大限……それが狙い。
そしてその毒を開発したのが医師だったティアという女性です」
「ティア先生が!?」
ゼシカの説明に驚いた。
毒を開発した医師が誰かまでは知らなくて、まさかあたしが小さい頃に風邪や病気にかかれば看てくれた医師がそんな事をしてるとは思えなかったから。
「ティア医師は帝国にその毒の製造方法は伝えず、医師としての仕事を辞め、ただひたすら毒を作り続けているそうです。だから、解毒剤も彼女しか作れません」
人を助ける医者が人を殺す毒の製造をしている。
やはり、この国は狂っている。
「まれに市場に解毒剤が出回るらしいですが……基本的に解決策がないです。ですので気をつけて……」
ゼシカがその場を締めてくれたが、クリックたちはその存在を知らなかったらしく言葉をなくしていた。
「外部からの侵略の心配がないこの地にそんな毒なんて……力で国民を押さえ付けるためじゃねぇか!!!」
クルーの怒鳴り声を背中で聞きながら大広間を出た。
明日、あたしはゴウライ地方に行く。
部屋に戻りゴウライ地方の地図を片手に悩み続けた。
上陸地点……行き方……
ゴウライ地方には北のゼレイ地方寄りにドライ水上砦がある。
だから、上陸するならなるべく南……ドライ水上砦の近くに港町メイリーがあるが、水上砦に近すぎて危険……やっぱり無理矢理どこかから上陸するしかない。
そして、なるべく南を選ぶならロックライフに行く方が近いだろう。
ゴウライ地方はその中心にロック城があり、ロック城よりさらに西にロックライフとロックルックがある。
南西にロックライフ、北西にロックルック
この二つの市の後ろは絶壁の岩山で他国は侵略できない天然の造り。
ロック城から見て北側と南側に有名な学院がある土地で知られている……それがゴウライ地方。
0
あなたにおすすめの小説
退屈令嬢のフィクサーな日々
ユウキ
恋愛
完璧と評される公爵令嬢のエレノアは、順風満帆な学園生活を送っていたのだが、自身の婚約者がどこぞの女生徒に夢中で有るなどと、宜しくない噂話を耳にする。
直接関わりがなければと放置していたのだが、ある日件の女生徒と遭遇することになる。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
不器量令嬢は、婚約破棄の断罪が面倒くさい
あんど もあ
ファンタジー
不器量なマルグリットは、婚約者の美しい第一王子からずっと容姿を貶められる日々。とうとう王立学園の卒業パーティーで王子に婚約破棄を宣言され、「王子から解放される! それいいかも!」となったが、続く断罪が面倒くさくて他の人に丸投げする事にする。
後宮薬師は名を持たない
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる