悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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絡まる糸

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「セシル殿、最後に一つ……よろしいですか?」



アニエスに言われてドアに手をかけたところで振り返った。



「あのベルという貴族なんですが……帝国兵士100名連れて解放団に入りましたが……なんて言いましょうか……来た日にセシル殿がいないとわかると激昂してこちらの兵に剣をむけまして……。
ゼシカが止めたから大事にならなかったのですが、彼はどちらかと言えば帝国寄りの考え、セシル殿をどうにかして振り向かせたいと考えているのだと私は感じました。
着いて来た兵士も“我々の仲間”というより“ベルの手下”という感じで……」


アニエスが困っていた。

そりゃそうだろうね。
ベルのあの態度は昔からだし、明らかに解放団にいながらも帝国貴族だから偉いと言いたげな態度だと、大広間で散々他の方から聞いていた。



「ベルは……たぶんまだあたしたちが目指す格差のない社会とか、理解してないでただあたしがいるから来ただけなんだと思う。
レイクサイドに行ってからちゃんとベルに話をするよ。兵士もベルじゃなくて軍師であるアニエスやレンゲの指示を聞けなきゃ意味がないからね」



あたしが苦笑いで答えて部屋を出た。




できればベルとは話したくない。


でもベルの思想は恐らくあたしたちとは違う。
自由な世界になっても格差社会を作りたがる思想。


そして周りからも不満が出ている以上、リーダーのあたしが解決しないといけない。



なんだかせっかく拠点に帰ってきたのに、帰ってくるのが楽しみだったのに……今は息苦しさしか感じなかった。

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