悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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絡まる糸

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あたしがしばらく落ち込んでいたら、部屋をノックする音がした。


「だ……だれ!?」




もうかなり夜も更けてきたのにあたしの部屋に来る人なんかいるの?






「私です……アベルです」



ドア越しに聞こえる声に安心して急いで開けた。



「アベル……っ!!!」




ドアを開けて大好きな人を見たら衝動的に抱き着いた。



「え?セシル、どうしました?」


アベルは不思議そうに聞いてきたけど、あたしは何も答えないでしばらく抱きついていた。













それを、一人の人に見られたとも気づかずに……













人目があるから彼を部屋に招いて、アベルに聞かれるより先にあたしの不安を話した。
言わないと通じないって思ったから。



「心配性ですねぇ」


そう言ってアベルはあたしの手に何かの鍵を乗せた。


「何の鍵?」



しげしげと眺めながら聞いたら真剣な顔をしてベッドに座るあたしの目線に合わせてしゃがんでくれた。



「私の部屋の合鍵です。セシルが突然来て困るような事はありません。だからあなたが持っていてください」




本当に嬉しかった。

あたしが不安に思う事はないって態度で示してくれたから。




「そ……それと」



アベルが顔を赤くしてポケットからもう1つ何かを出した。
でもなかなか見せてくれないアベルの手を無理矢理開かせたら真珠が1粒ついたシンプルなイヤリングがあった。


「真珠!綺麗だね~」


脳天気に眺めていたけど視線を感じで顔を上げた。
やっぱり真剣な顔をしたままのアベルと目があった。






「このイヤリングは……私の母の形見です。ハーン様のお屋敷に住み込みで働くと決まった時に家から唯一持ってきました」



アベルの思い出したくない過去をあたしが聞き出したようで悪い気がした。

でもすぐにアベルは笑った。




「私がいつか……この人と生涯を共にしたいと思う方と出会った時にその方にこれを渡したいと思ってました」



「うん……って!?」



「セシルがもらってくれませんか?」




いきなりのアベルからのプロポーズに驚いた。




「今の帝国のままなら私たちは結ばれませんが……自由な世界ができた時に、私はあなたを妻にしたい」




アベルの言葉に涙が込み上げてきた。



「あ……あたしでいいの?あたしなんかで……」



あたしが絶対に想いすら伝えられない相手に想いを伝えてお互い愛し合えただけでなくて、未来も自分の隣にあたしを選んでくれるのが嬉しくて仕方なかった。



「その言葉はセシルに返します。私は地位も身分も低い人間です。本当はセシルにこんな事を伝える事すらできないような身分のくせに、それを省みずこのような事を言ったんですよ?」



「あたしは、いつまでも一緒にいたい」




アベルの手を握ったら彼はそのままあたしの身体を自分に引き寄せた。


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