189 / 297
戸惑い
16
しおりを挟む
それから、あたしは簡潔に、でもミリィが伝えたかった事『ミリィ自ら志願した。利用された訳ではない』という説明をした。
「私もその現場は見ましたぞ。ミリィ殿は頑なに水上砦に侵入すると言い張り、アニエス殿は危険だと止めておりました」
レイルの言葉がトドメとなったのか忍びのみんなは黙ってしまった。
レイルが話し終わり、静寂が訪れたがいきなりニーナが顔を上げた。
「紹介が遅れましたが私は忍の村の副首領のニーナです…ミリィとは腹違いの姉妹で、姉様が解放団へ行かれたので忍の村は実質今は私が取り仕切ってます」
ミリィに似てるとはいえ腹違いとは驚いた。
「我が家系は帝国に対抗し殺され、姉様と私以外親族はおりません。姉様の重症の話を解放団にいる忍びの一人が村に伝えに来て姉様を連れ出すと言い、姉様の事を思うと医師がちゃんといるこの場にいるべきと思い私は忍び20名と共にこちらに向かいました。
途中出会った姉様は意識を取り戻し、すぐにこの城に戻るように言いました。私は姉様の意志の通り動きました」
ニーナはそう言ってあたしを見た。
「リーダーであるセシル殿の姉様に対する想い……そして他の皆様からの想いを私は感じ、我々のした行動は誤りであったと思います……首領に変わり私からも謝罪を申し上げます」
そう言って頭を下げた。
「顔を上げてください!結果的に忍びを半壊させたのは事実です。怒る気持ちもわかります。ただミリィの体調をもっと考慮して……みんながあたしたち解放団へ力添えをまだしてくれるならあたしからお願いしたいです」
あたしの言葉に涙ぐむ忍びもいた。
「ミリィが回復してから各々ミリィと話してみたらどうかな?ミリィの気持ちを聞いて……みんな考えて。帝国と戦う覚悟がないなら…あたしは志を違うと思うし、最前線に行けないなら、やはり兵力として頼れない…が現実。あと、ティア先生に刃を向けたのは誰?」
あたしが見渡すと一人の忍びが名乗り出た。
「ミリィは減刑をって頼んで、先生は咎めないと言ったけど…そうはいかないから罰を与えます」
一瞬、空気が凍りついた。
「ミリィの世話、ティア先生の助手をお願いします」
あたしが笑って伝えたらその忍びは安心したみたいだった。
みんなも安心したような顔をしたから……あたしが何を言うかドキドキしてたみたい。
「私もその現場は見ましたぞ。ミリィ殿は頑なに水上砦に侵入すると言い張り、アニエス殿は危険だと止めておりました」
レイルの言葉がトドメとなったのか忍びのみんなは黙ってしまった。
レイルが話し終わり、静寂が訪れたがいきなりニーナが顔を上げた。
「紹介が遅れましたが私は忍の村の副首領のニーナです…ミリィとは腹違いの姉妹で、姉様が解放団へ行かれたので忍の村は実質今は私が取り仕切ってます」
ミリィに似てるとはいえ腹違いとは驚いた。
「我が家系は帝国に対抗し殺され、姉様と私以外親族はおりません。姉様の重症の話を解放団にいる忍びの一人が村に伝えに来て姉様を連れ出すと言い、姉様の事を思うと医師がちゃんといるこの場にいるべきと思い私は忍び20名と共にこちらに向かいました。
途中出会った姉様は意識を取り戻し、すぐにこの城に戻るように言いました。私は姉様の意志の通り動きました」
ニーナはそう言ってあたしを見た。
「リーダーであるセシル殿の姉様に対する想い……そして他の皆様からの想いを私は感じ、我々のした行動は誤りであったと思います……首領に変わり私からも謝罪を申し上げます」
そう言って頭を下げた。
「顔を上げてください!結果的に忍びを半壊させたのは事実です。怒る気持ちもわかります。ただミリィの体調をもっと考慮して……みんながあたしたち解放団へ力添えをまだしてくれるならあたしからお願いしたいです」
あたしの言葉に涙ぐむ忍びもいた。
「ミリィが回復してから各々ミリィと話してみたらどうかな?ミリィの気持ちを聞いて……みんな考えて。帝国と戦う覚悟がないなら…あたしは志を違うと思うし、最前線に行けないなら、やはり兵力として頼れない…が現実。あと、ティア先生に刃を向けたのは誰?」
あたしが見渡すと一人の忍びが名乗り出た。
「ミリィは減刑をって頼んで、先生は咎めないと言ったけど…そうはいかないから罰を与えます」
一瞬、空気が凍りついた。
「ミリィの世話、ティア先生の助手をお願いします」
あたしが笑って伝えたらその忍びは安心したみたいだった。
みんなも安心したような顔をしたから……あたしが何を言うかドキドキしてたみたい。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】エレクトラの婚約者
buchi
恋愛
しっかり者だが自己評価低めのエレクトラ。婚約相手は年下の美少年。迷うわー
エレクトラは、平凡な伯爵令嬢。
父の再婚で家に乗り込んできた義母と義姉たちにいいようにあしらわれ、困り果てていた。
そこへ父がエレクトラに縁談を持ち込むが、二歳年下の少年で爵位もなければ金持ちでもない。
エレクトラは悩むが、義母は借金のカタにエレクトラに別な縁談を押し付けてきた。
もう自立するわ!とエレクトラは親友の王弟殿下の娘の侍女になろうと決意を固めるが……
11万字とちょっと長め。
謙虚過ぎる性格のエレクトラと、優しいけど訳アリの高貴な三人の女友達、実は執着強めの天才肌の婚約予定者、扱いに困る義母と義姉が出てきます。暇つぶしにどうぞ。
タグにざまぁが付いていますが、義母や義姉たちが命に別状があったり、とことんひどいことになるザマァではないです。
まあ、そうなるよね〜みたいな因果応報的なざまぁです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
甘そうな話は甘くない
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
「君には失望したよ。ミレイ傷つけるなんて酷いことを! 婚約解消の通知は君の両親にさせて貰うから、もう会うこともないだろうな!」
言い捨てるような突然の婚約解消に、困惑しかないアマリリス・クライド公爵令嬢。
「ミレイ様とは、どなたのことでしょうか? 私(わたくし)には分かりかねますわ」
「とぼけるのも程ほどにしろっ。まったくこれだから気位の高い女は好かんのだ」
先程から散々不満を並べ立てるのが、アマリリスの婚約者のデバン・クラッチ侯爵令息だ。煌めく碧眼と艶々の長い金髪を腰まで伸ばした長身の全身筋肉。
彼の家門は武に長けた者が多く輩出され、彼もそれに漏れないのだが脳筋過ぎた。
だけど顔は普通。
10人に1人くらいは見かける顔である。
そして自分とは真逆の、大人しくか弱い女性が好みなのだ。
前述のアマリリス・クライド公爵令嬢は猫目で菫色、銀糸のサラサラ髪を持つ美しい令嬢だ。祖母似の容姿の為、特に父方の祖父母に溺愛されている。
そんな彼女は言葉が通じない婚約者に、些かの疲労感を覚えた。
「ミレイ様のことは覚えがないのですが、お話は両親に伝えますわ。それでは」
彼女(アマリリス)が淑女の礼の最中に、それを見終えることなく歩き出したデバンの足取りは軽やかだった。
(漸くだ。あいつの有責で、やっと婚約解消が出来る。こちらに非がなければ、父上も同意するだろう)
この婚約はデバン・クラッチの父親、グラナス・クラッチ侯爵からの申し込みであった。クライド公爵家はアマリリスの兄が継ぐので、侯爵家を継ぐデバンは嫁入り先として丁度良いと整ったものだった。
カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる