前世で医学生だった私が転生したら殺される直前でした。絶対に生きてみんなで幸せになります 2

１：バースでの新生活

６：パトリシア様の授業

シャーロット様、ようこそいらっしゃいました。」

「本日はお招きいただきありがとうございます。ご指導いただけるとのことよろしくお願い申し上げます」


ここは、王妃の女官長をしているパトリシア オーウェンの館である。パトリシアが、外国語を教えてくれることになっておりシャーロットはやってきたのであった。

「ほほほ、医学部に入学を考えられているのであれば外国語、特にスコール語は重要ですもの。王妃様からもぜひ指導するように言われておりますので一緒に頑張りましょう」

「はい、よろしくお願いします。」

「今日は、少し勉強した後に何人かの令嬢とお茶会を予定しておりますの。エリザベス様とセーラ様もお呼びしておりますので安心なさってくださいな」

「まあ、今までお茶会に参加しなかったので、何か粗相があってはと不安でございますが、お二人がご一緒であれば安心です」

「ええ、それに来られる令嬢方も心優しい方ばかりですので安心なさってくださいね。では、始めましょう」

早速、スコール語の勉強を始める。

シャーロットは、教科書を開いて驚いた。今まで勉強したことがなかったので知らなかったのだが、スコール語はほぼ英語と同じなのだ。ローヌ語は生まれてからずっと話している言語で勉強もしている。こちらは、自分の前世の知識で知っている言語とは全く一緒ではなくフランス語に近いのかなと思う程度であった。しかし、スコール語はほぼ英語である。これならわかる。前世で美咲として英語も勉強している。

「ま、まあ。スコール語は勉強されていないと言うことでしたけど、謙遜でしたか・・・」
パトリシアが驚く。

「い、いえそう言うわけでは無いはずなのですが、昔教えてもらったのかもしれません」

苦し紛れの言い訳である。パトリシアはああそうねと言う顔をする。

「そうですわね。もしかしたら昔、ご両親から習われていたのかもしれませんわね」

そういって、日常会話を一緒に練習する。前世で、英語は読み書きはできても、話したり聞いたりは苦手であったのでちょうど良かった。

しばらくしてノックがされる。

「奥様、イーズス伯爵夫人がおいでになりました」

「あら？もう？随分早くていらっしゃるわね。ほほほ、シャーロット様のことが心配で仕方なかったのでしょうね。お通ししてちょうだい」

「御意」

「パトリシア様、本日は、お招きいただきありがとうございます」

セーラが入室してきて、美しいカーテシーで挨拶をする。

「セーラ様、随分早いお越しですこと。でも、レッスンはそんなにする必要がないことがわかりましたので、ちょうど良かったですわ」

「セーラおば様、本日は私のためにご一緒くださりありがとうございます」

「まあ、セーラちゃん、今日も可愛らしいわ。こちらこそ、皆様とご一緒できる時間を設けていただいて感謝しております」

３人で、レッスンの話や王妃様にお渡しした美容に良いお茶やケーキの話をしていると、
「奥様、他の皆様方が到着されました」
と執事が知らせに来る。

「では、今日は庭の見える部屋をお茶会に用意させていただいておりますの。こちらにどうぞ」
と案内される。

そこには、３人の令嬢が待っていた。
「皆様、ようこそいらっしゃいました。今日は楽しい会にさせていただければ嬉しいですわ。皆様はお互いをよくご存知でしょう。シャーロット様をご紹介させて頂きすわ」

「初めまして。シャーロット　ゼオンでございます。もちろん、エリザベス様はこれから姉妹となる間柄で存じ上げております。皆様、仲良くしていただければ嬉しいですわ」
と微笑む。

「シャーロット様、こちらが、マリアンヌ様、そしてもう一人がセリーナさまです」

「初めまして。マリアンヌ　デンツです。」

「初めまして。セリーナ　モンスですわ」


「お二人とも、もう婚約者がいらっしゃってね。変な言い方ですが、他の人を羨むような状況にない方ばかりですの。アーサー様と言う婚約者がすでにいるシャーロット様とはお話があうに違いないと思いましてね。」

「まあ、ありがとうございます。」


早速皆でお茶会が始まる。色とりどりのスイーツ、香り高いお茶をいただく。セーラとパトリシアは４人の方が気楽でしょうからとすぐに別室に移動していった。