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初恋
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8月16日
今夜、約束の場所で
久生(ひさお)さんに会えた。
このまま私を連れて行って欲しかった。
それは出来ないから、ちゃんと父に
話しをしたいと久生さんは言うが
あの父が許してくれるとは思えない。
こんなにもあなたが好きなのに。
久生さんも今、あのお月様を見てますか。
下弦の月の夜に
昭和16年、お盆に帰省した兄が連れてきた
友人に、この日記の著者は
好意を寄せている。
日記は、その友人との些細なやり取りに
胸をときめかせる少女の初々しい
恋心が記されていた。
1日の締めくくりは、必ず
思うように付き合えない
切ない気持ちが綴られている。
昔のティ-ンエイジャ-は、
恋に夢見がちな女の子が
多かったのだろうか?
荷物を持って貰ったくらいで
喜んでいる日もあった。
マヤは、なんじゃこりゃ?な気持ちで
読んでいた。
この少女が特別なのかもしれない。
まだ恋を知らないマヤには分からない
気持ちだった。
昭和16年は、太平洋戦争が勃発する年
この時代は、イメージ的に暗く差別的な
印象をマヤは持っていた。
図書館で読んだ井伏鱒二の「黒い雨」
漫画「はだしのゲン」、
アニメ「火垂るの墓」を見たからかも
しれない。
どれも戦争中の悲惨な話である。
でも、この少女の日記には
そんな悲壮感漂うところはなかった。
毎日が兄の友人のことを思って
幸せそうだった。
ただ、マヤのご先祖だからだろうか
時々、日記に登場する少女の父親は
まるで祖父を彷彿とするくらい似ていた。
少女が、兄の友人久生と会話してた所を
見かけただけで、父親に顔をぶたれている。
イミフだ。信じられない。
そして、これがマヤなら
何するのよ!と、くってかかりそうだが
少女はひたすら父親に詫びている。
友人は兄と士官学校に戻るが
手紙のやり取りを少女は続けていた。
読み進めていくうちに
この少女には、許嫁がいることが分かった。
(ママと同じだ)
なるほどね、それで彼とのことを
許して貰えないのかな?
郷田久生さん、か。
どんな人何だろう?
この少女が好きで好きでたまらない
というこの青年のことが気になったマヤ。
先ずは、この少女が誰なのかを
調べてからだよね、と思う。
明日、範子さんに聞いてみようっと。
時計を見ると、ちょうど午前2時に
なった。
早く寝なきゃ。
起きれるかな。
今夜、約束の場所で
久生(ひさお)さんに会えた。
このまま私を連れて行って欲しかった。
それは出来ないから、ちゃんと父に
話しをしたいと久生さんは言うが
あの父が許してくれるとは思えない。
こんなにもあなたが好きなのに。
久生さんも今、あのお月様を見てますか。
下弦の月の夜に
昭和16年、お盆に帰省した兄が連れてきた
友人に、この日記の著者は
好意を寄せている。
日記は、その友人との些細なやり取りに
胸をときめかせる少女の初々しい
恋心が記されていた。
1日の締めくくりは、必ず
思うように付き合えない
切ない気持ちが綴られている。
昔のティ-ンエイジャ-は、
恋に夢見がちな女の子が
多かったのだろうか?
荷物を持って貰ったくらいで
喜んでいる日もあった。
マヤは、なんじゃこりゃ?な気持ちで
読んでいた。
この少女が特別なのかもしれない。
まだ恋を知らないマヤには分からない
気持ちだった。
昭和16年は、太平洋戦争が勃発する年
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印象をマヤは持っていた。
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しれない。
どれも戦争中の悲惨な話である。
でも、この少女の日記には
そんな悲壮感漂うところはなかった。
毎日が兄の友人のことを思って
幸せそうだった。
ただ、マヤのご先祖だからだろうか
時々、日記に登場する少女の父親は
まるで祖父を彷彿とするくらい似ていた。
少女が、兄の友人久生と会話してた所を
見かけただけで、父親に顔をぶたれている。
イミフだ。信じられない。
そして、これがマヤなら
何するのよ!と、くってかかりそうだが
少女はひたすら父親に詫びている。
友人は兄と士官学校に戻るが
手紙のやり取りを少女は続けていた。
読み進めていくうちに
この少女には、許嫁がいることが分かった。
(ママと同じだ)
なるほどね、それで彼とのことを
許して貰えないのかな?
郷田久生さん、か。
どんな人何だろう?
この少女が好きで好きでたまらない
というこの青年のことが気になったマヤ。
先ずは、この少女が誰なのかを
調べてからだよね、と思う。
明日、範子さんに聞いてみようっと。
時計を見ると、ちょうど午前2時に
なった。
早く寝なきゃ。
起きれるかな。
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