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11~20話
助けて、助けられて【上】
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泣き疲れに酔いも相まって泥のように眠り、一夜明けた翌――朝?
「っふぁぁ~ぁ」
微かな頭痛を覚えながら上体を起こせば、一晩中抱きしめていた遺骨入りカプセルがコロンとシーツに転がり落ちた。
「……異世界かぁ」
大きなカプセル。
小さな自分。
ここが地球上のどこかだと期待することすら叶わない、『魔法』や『スライム』なんてものの存在する見知らぬ世界。
異世界に放り出されたというだけでも一大事なのに、そのうえ身体まで小さくなってしまっただなんて。
ここまで来るともはや、一周回って清々しさすら感じる。
「――うん。まあ、飛ばされたのがここでよかった」
雨風しのげる寝床……どころか立派すぎる住まいがあって、家主のクロは驚くほど親切にしてくれる。
もしもこれが森の中にでも放り出されていようものなら、この小ささだ。自分の置かれた状況に気付くよりも先に、一瞬で野生動物の餌になっていたことだろう。
それに、ここにはおじいちゃんもいる。
カプセルを軽く揺すってみればカタカタと、そこにいる音がする。それだけで、この世界に一人きりではないと思えるから。
カプセルをもう一度ぎゅっと抱きしめてからバスケットに戻すと、ぴょいとベッドを下りた。
「落ち込んでたって何も変わらないなら、落ち込むだけ損だもんね!」
昨晩とことん泣いたことで、大分気持ちが落ち着いた。
今のところ元の世界に戻れそうな気配はないけれど、幸か不幸かあちらで私の帰りを待つ人もいない。
それなら今は、この世界でどう生きていくかを考えたほうが建設的だろう。
「生きるためにも、まずはー……朝食っ!」
プレゼントで貰った食料を胃袋に収めるべく、えいえいおー! と部屋を出た。
「っふぁぁ~ぁ」
微かな頭痛を覚えながら上体を起こせば、一晩中抱きしめていた遺骨入りカプセルがコロンとシーツに転がり落ちた。
「……異世界かぁ」
大きなカプセル。
小さな自分。
ここが地球上のどこかだと期待することすら叶わない、『魔法』や『スライム』なんてものの存在する見知らぬ世界。
異世界に放り出されたというだけでも一大事なのに、そのうえ身体まで小さくなってしまっただなんて。
ここまで来るともはや、一周回って清々しさすら感じる。
「――うん。まあ、飛ばされたのがここでよかった」
雨風しのげる寝床……どころか立派すぎる住まいがあって、家主のクロは驚くほど親切にしてくれる。
もしもこれが森の中にでも放り出されていようものなら、この小ささだ。自分の置かれた状況に気付くよりも先に、一瞬で野生動物の餌になっていたことだろう。
それに、ここにはおじいちゃんもいる。
カプセルを軽く揺すってみればカタカタと、そこにいる音がする。それだけで、この世界に一人きりではないと思えるから。
カプセルをもう一度ぎゅっと抱きしめてからバスケットに戻すと、ぴょいとベッドを下りた。
「落ち込んでたって何も変わらないなら、落ち込むだけ損だもんね!」
昨晩とことん泣いたことで、大分気持ちが落ち着いた。
今のところ元の世界に戻れそうな気配はないけれど、幸か不幸かあちらで私の帰りを待つ人もいない。
それなら今は、この世界でどう生きていくかを考えたほうが建設的だろう。
「生きるためにも、まずはー……朝食っ!」
プレゼントで貰った食料を胃袋に収めるべく、えいえいおー! と部屋を出た。
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