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11~20話
15c、私は買われた理由をわかっていない
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これまでガルの私に対する態度に感じていた妙な違和感は、愛玩奴隷への認識がズレていたせいだったのか。
愛玩動物と同様に認識されていたのかと思えば、ガルの行動にいくつも思い当たる節がある。
人間扱いされていないという意味では奴隷もペットも同じような気がするけれど、今日までガルから愛情を込めて何くれとなく世話をされ、それらが私の尊厳を貶めようとするものでないことは身をもって知っている。
愛玩動物代わりという事実に、ショックを受けるよりむしろ納得がいってスッキリした気持ちだ。
しかしそんな晴れた気分も、その後に続いたフェンベックの言葉に掻き乱されることになる。
「それでお前、わざわざ人族の国まで行ってマヤちゃん買ってきたってか」
「この国には奴隷制がないからな」
『人族』の、国———?
どうやらあの日私が気絶している間に、初めにいたのとは違う国まで来ていたらしい。
そこに多少驚きはあるが、最初の国に思い入れがあるわけでもない。転移のできるガルにかかれば長距離の移動も一瞬なのだろう。
それより何より気になるのは、『人族』という言葉だ。
それではまるで、ガルとフェンベックが、この国の人々が、人間ではないと言っているかのようではないか。
愛玩動物と同様に認識されていたのかと思えば、ガルの行動にいくつも思い当たる節がある。
人間扱いされていないという意味では奴隷もペットも同じような気がするけれど、今日までガルから愛情を込めて何くれとなく世話をされ、それらが私の尊厳を貶めようとするものでないことは身をもって知っている。
愛玩動物代わりという事実に、ショックを受けるよりむしろ納得がいってスッキリした気持ちだ。
しかしそんな晴れた気分も、その後に続いたフェンベックの言葉に掻き乱されることになる。
「それでお前、わざわざ人族の国まで行ってマヤちゃん買ってきたってか」
「この国には奴隷制がないからな」
『人族』の、国———?
どうやらあの日私が気絶している間に、初めにいたのとは違う国まで来ていたらしい。
そこに多少驚きはあるが、最初の国に思い入れがあるわけでもない。転移のできるガルにかかれば長距離の移動も一瞬なのだろう。
それより何より気になるのは、『人族』という言葉だ。
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