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11~20話
11c、私はスキンシップをわかっていない
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「剣自体初めて見るので素振りもビシッて感じで格好良かったですし、模擬試合もすごく見応えがあって! こう、ガッて組み合ったと思ったらサッと受け流したり、フェイントみたいにこうやってヒュッてやったり、一瞬で間合いを詰めて懐に潜り込んだり!」
ガルが手ずから食べさせてくれるため空いたままの両手を使って、身振り手振りで興奮を伝える。
「ガル様の試合もすごかったです! 何だか構えたガル様の周りだけオーラが漂って見えました! 始まったと思ったら次の瞬間には終わっちゃって、私の目では追えないくらいの早技で! ガル様はとっても強っ……ゲホッゴホッ」
「興奮しすぎだ、ほら」
手渡された紅茶をありがたく啜る。
大きな手の平は優しく背中をさすってくれた。
「マヤが楽しめたのならよかった」
「!」
ガルが笑っている。
笑顔のガルは険も取れ、ただただ格好よくって心臓に悪い。
それでも貴重な笑顔を今回は見逃すものかと、その笑みが消えるまでじっと見つめ返した。
温かな紅茶で呼吸が落ち着くと、そっとカップを取り上げられてまた口元に菓子を運ばれる。
サクサク。
むぐむぐ。
ひょい、パク。
ひょい、パク。
「むぐむぐ……んぐ、っぷは。さっきから私ばっかり食べてるじゃないですか! ガル様だってお腹空いてますよね?」
「いや、俺は……」
ガルが手ずから食べさせてくれるため空いたままの両手を使って、身振り手振りで興奮を伝える。
「ガル様の試合もすごかったです! 何だか構えたガル様の周りだけオーラが漂って見えました! 始まったと思ったら次の瞬間には終わっちゃって、私の目では追えないくらいの早技で! ガル様はとっても強っ……ゲホッゴホッ」
「興奮しすぎだ、ほら」
手渡された紅茶をありがたく啜る。
大きな手の平は優しく背中をさすってくれた。
「マヤが楽しめたのならよかった」
「!」
ガルが笑っている。
笑顔のガルは険も取れ、ただただ格好よくって心臓に悪い。
それでも貴重な笑顔を今回は見逃すものかと、その笑みが消えるまでじっと見つめ返した。
温かな紅茶で呼吸が落ち着くと、そっとカップを取り上げられてまた口元に菓子を運ばれる。
サクサク。
むぐむぐ。
ひょい、パク。
ひょい、パク。
「むぐむぐ……んぐ、っぷは。さっきから私ばっかり食べてるじゃないですか! ガル様だってお腹空いてますよね?」
「いや、俺は……」
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