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71~80話
72b、メイド長はご主人様の嗜好をわかっていない3
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単なるご婚約だけであれば手放しで喜べるものの、挙式、すなわちご結婚となれば少し話は変わってまいります。
ご結婚には、必然的に子を成すための行為も含まれるのですから。
マヤ様の成人を待たれてからでは遅いのでしょうか……。
「……かしこまりました」
使用人達が困惑する最中、沈黙を破った執事長に続いて慌てて礼をとります。
その後、マヤ様からのご挨拶へは、皆思い思いに歓迎の言葉を返しました。
ことマヤ様がガリュース様と添い遂げてくださるという事実に関しては、使用人一同心より歓迎しているのです。
愛おしげにマヤ様を見つめ、お側に控える私の存在もかまわず口付けられるご様子に、ガリュース様はこんなにも愛情深い方でいらっしゃったのかと大きな驚きを感じました。
甲斐甲斐しくマヤ様のお世話をされることも、傍目にわかるほどの愛情を注がれることも。
人々から恐れられ、亡き大奥様から存在を否定され続けたガリュース様にとって、こうして人を愛し愛を受け入れられることは何より欲したものであったのかもしれません。
心配していたマヤ様のお気持ちについても、ご婚約発表を終えてガリュース様に笑みを向けられるお姿には一片の翳りも見えず、幸せそうなお二人のご様子にほっと胸を撫で下ろしました。
ご結婚には、必然的に子を成すための行為も含まれるのですから。
マヤ様の成人を待たれてからでは遅いのでしょうか……。
「……かしこまりました」
使用人達が困惑する最中、沈黙を破った執事長に続いて慌てて礼をとります。
その後、マヤ様からのご挨拶へは、皆思い思いに歓迎の言葉を返しました。
ことマヤ様がガリュース様と添い遂げてくださるという事実に関しては、使用人一同心より歓迎しているのです。
愛おしげにマヤ様を見つめ、お側に控える私の存在もかまわず口付けられるご様子に、ガリュース様はこんなにも愛情深い方でいらっしゃったのかと大きな驚きを感じました。
甲斐甲斐しくマヤ様のお世話をされることも、傍目にわかるほどの愛情を注がれることも。
人々から恐れられ、亡き大奥様から存在を否定され続けたガリュース様にとって、こうして人を愛し愛を受け入れられることは何より欲したものであったのかもしれません。
心配していたマヤ様のお気持ちについても、ご婚約発表を終えてガリュース様に笑みを向けられるお姿には一片の翳りも見えず、幸せそうなお二人のご様子にほっと胸を撫で下ろしました。
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