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41~50話
はじめての……【上】
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「……俺の家を、覗いていた……?」
ヨルグの復唱が追い討ちのように現状を突きつける。
もうダメ、嫌われた! 完っ全に嫌われた! さすがにここまで打ち明けるつもりはなかったのに!
覗いていた事実についてもいつかは話さなければと思っていたけれど、それは断じて『今』ではない。
完全に能力を受け入れてもらえたうえで、ちょっとやそっとでは嫌われないくらい仲良くなれたと確信できてから、それとなーく遠回しに伝えていきたかった。
嫌われない保証もないうちに、こんなにもハッキリと伝える羽目になるなんて。
――それでもこれ以上、黙って賞賛を浴びつづけるのは無理だった。
「本当にごめんなさい!」
「……家には寝に帰るくらいで、これといった趣味もない。俺の家を覗いたところで、面白いものなどなかっただろう?」
『いえいえ、非常に興味深く楽しませていただきました』などと答えるわけにもいかず。
私の伝え方が悪かったのか、無意識なほど日常の一部なのか、ヨルグはどうも『覗かれていた光景』にピンと来ていないらしい。
首の皮一枚繋がったようでいて、ギロチン台に首を据えているような状況は変わらない。
「しかし、どうして俺の家なんか……? ああ、近距離しか見えないと思っていたんだったか。それで手近な――」
「ヨルグさんが好きだからですっ!」
――もう、もうっ! こんなはずじゃなかった! ヨルグが告白してくれた湖のほとりのように……とまではいかなくても、もっとロマンチックな雰囲気で伝えたかったのに!
だってヨルグが、まるで近場ならどこでもよかったみたいに言うから!
半ば自暴自棄になって、反応のないヨルグに畳みかける。
「私、ヨルグさんのことが好きなんです! 一年ちょっと前、酔っぱらいに絡まれてるところを助けてもらったときからずっと! 誰でもよかったわけじゃない。ヨルグさんが好きだから、もっといろんな姿が見たくて覗いてたんです――っ!」
ええい、もうなるようになれ!
今さらどう足掻いたって、ここまでバレてしまっては取り繕いようもないのだ。
…………。
バクバクと、うるさい自分の鼓動だけが聞こえるしばらくの沈黙を置いて、ヨルグがおもむろに口を開いた。
「……リズ、その言い方はよくない」
「…………」
自分でも、もっとうまく、ロマンチックに伝えたかったと思う。告白が大失敗したことなんて自分が一番よくわかっている。だからといって、なにも告白にダメ出ししなくてもいいではないか……。
羞恥と後悔で、じわりと涙がにじんでくる。
「その言い方ではまるで、俺のことを『恋愛対象として好き』だと言っているように聞こえてしまう」
「……えっ」
「リズに好意を寄せている人間に対し、そうやって不用意に誤解を与えるような発言は……」
「恋愛対象として好きなんですってば!!」
ヨルグの復唱が追い討ちのように現状を突きつける。
もうダメ、嫌われた! 完っ全に嫌われた! さすがにここまで打ち明けるつもりはなかったのに!
覗いていた事実についてもいつかは話さなければと思っていたけれど、それは断じて『今』ではない。
完全に能力を受け入れてもらえたうえで、ちょっとやそっとでは嫌われないくらい仲良くなれたと確信できてから、それとなーく遠回しに伝えていきたかった。
嫌われない保証もないうちに、こんなにもハッキリと伝える羽目になるなんて。
――それでもこれ以上、黙って賞賛を浴びつづけるのは無理だった。
「本当にごめんなさい!」
「……家には寝に帰るくらいで、これといった趣味もない。俺の家を覗いたところで、面白いものなどなかっただろう?」
『いえいえ、非常に興味深く楽しませていただきました』などと答えるわけにもいかず。
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首の皮一枚繋がったようでいて、ギロチン台に首を据えているような状況は変わらない。
「しかし、どうして俺の家なんか……? ああ、近距離しか見えないと思っていたんだったか。それで手近な――」
「ヨルグさんが好きだからですっ!」
――もう、もうっ! こんなはずじゃなかった! ヨルグが告白してくれた湖のほとりのように……とまではいかなくても、もっとロマンチックな雰囲気で伝えたかったのに!
だってヨルグが、まるで近場ならどこでもよかったみたいに言うから!
半ば自暴自棄になって、反応のないヨルグに畳みかける。
「私、ヨルグさんのことが好きなんです! 一年ちょっと前、酔っぱらいに絡まれてるところを助けてもらったときからずっと! 誰でもよかったわけじゃない。ヨルグさんが好きだから、もっといろんな姿が見たくて覗いてたんです――っ!」
ええい、もうなるようになれ!
今さらどう足掻いたって、ここまでバレてしまっては取り繕いようもないのだ。
…………。
バクバクと、うるさい自分の鼓動だけが聞こえるしばらくの沈黙を置いて、ヨルグがおもむろに口を開いた。
「……リズ、その言い方はよくない」
「…………」
自分でも、もっとうまく、ロマンチックに伝えたかったと思う。告白が大失敗したことなんて自分が一番よくわかっている。だからといって、なにも告白にダメ出ししなくてもいいではないか……。
羞恥と後悔で、じわりと涙がにじんでくる。
「その言い方ではまるで、俺のことを『恋愛対象として好き』だと言っているように聞こえてしまう」
「……えっ」
「リズに好意を寄せている人間に対し、そうやって不用意に誤解を与えるような発言は……」
「恋愛対象として好きなんですってば!!」
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