ドランリープ

RHone

文字の大きさ
3 / 22
1章 D Dream of Tail

オープニング 『ユーステル・アルスレーイの既視感』

しおりを挟む


 時たまに見る夢は、いつも奇妙に私の心に余韻を残す。
 言葉を借りればデジャウ、いつかどこかで見た事のあるはずの光景。
 あるいは啓示?
 どこかに囚われた者が繰り返し願う救いの声。
 または予知夢?
 いずれで出会う事になる一時を垣間見ているのか?

 何度も繰り返し見る夢は、私の心を何故か不思議と揺り動かす。

 私にはそんなウィザードの素質はないはず。
 ウィザード……魔法使いの素質は遺伝だと聞いた事がある、私の先祖に素質があった人がいたという話は聞いた事がない。

 この夢は呪いとか、私自身には関係ない何か別の、強引な力の所為ではないのだろうか?
 そうであって欲しい。
 あの夢を見ると切なくなる。
 またあの夢を見たと思い出すとぞっとしてくる。
 そうやって私の心を強く束縛する。

 その日もそう。
 今更夢で見なくても、何度も反芻してそれがどんな夢なのか分かっているのに。
 まるで釘を刺すように私は、久しぶりにその夢を見た。

 龍がさらって行く。
 誰か、少年か?
 龍と思える何者かがそれを腕に掴み、空を泳ぎどこかへと。

 何故かは解らないけれども私は、その少年を助けなければならないと思う。
 焦っている。
 とてもとても。
 姿も顔も、声も名も、何もかも知らないその少年を救うために私は、龍を追いかけている。

 そんな、夢。


 長い長い人類の歴史の中で……それは、唐突に繰り返される。


  龍と眠りを共にする者は、とこしえを知る
  その大きな体を、世界に架けて
  見えざる翼で全てを跨ぐ
  力を込めた宝玉を持ちては、待ちわびる
  龍の最後が極東で、始まりへと繋ぐ


 呪いの預言は告げられた。

 行かなくちゃ。
 夢を見るたびにそうやって、急かされている気がする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...