異世界創造NOSYUYO トビラ

RHone

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3章  トビラの夢   『ゲームオーバーにはまだ早い』

書の3前半 神の蛻 『そして神様は居なくなった』

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■書の3前半■ 神の蛻 cast off

 道中早速キリュウから密かに渡された手紙を読みながら、俺達は草しか生えない海沿いの原っぱを若干東へ……進んでいる。
 遠くの山間から、営みの印である煙が立ち昇るのが見えて来た。そこに町があるっていう目印でもある、今日中にはその町、スウィートに着くだろう。

「で、何だって?」
 レッドは読んだ手紙をそのまま、俺じゃなくてナッツに渡してなぜか一拍置いて、静かに答えた。
「ラストウォーターがすでに魔王八星に占拠されているのだそうです」
「何ぃ?」
 俺は当然だがびっくりして足を止めた。寝耳に水だ、何だその突然降って湧いた様な話は?またまた、お前お得意の嘘八百じゃぁねぇだろうな?俺だけでなく、流石にテリーやアベルらも驚いてすごい剣幕で軍師連中に振り向いてるし。
「ら、ラストウォーターって……あの、最初に上陸した島にあった町じゃぁなかったっけか?」

 ラストウォーター。謎の荷物の受け渡しが行われた場所に過去存在した、シーミリオン国の首都の名前だ。エイオール船のミンジャンから、正式名がオーター島とだと説明されたな。今は島になってしまった訳だが本来は地名の一つで、海に沈む事無く残った事から『最後のオーター』……訛ってラストウォーターと呼ばれるようになったそうだ。
 陸上にはすでに街が無かった、ナッツの偵察だとまるで人気が無い、との事だったから残骸はあったのかもしれない。俺達が居た浜辺からはそれらしい姿は見えなかったな。
 
 とーッくの昔に、シーミリオン国の首都は『海中のどこか』に移動しているはずなのだ。田舎者の俺が承知してるくらいなんだから。そういう事を把握していたのに、ユーステルの年齢が外見と一致していない可能性には全く気が付かなかったけどな……。
 しかして、移転先が海のドコだという肝心な所ははっきりしていない。
 シーミリオン国はその首都を移動したとーっくの昔に、他国との交流を閉ざしてるんだな。だから、どこに首都である新生ラストウォーターがあるのかは誰も分らない状態であるらしい。ましてや海中だし。

「あの島の事ではなく、海中の何処かにある……場所は未だに明かせないと手紙にありますが……その、ラストウォーターが占拠されている様です。ユーステル女王を含めた国要人はなんとかこの魔の手を逃れ、さらに隠された場所を拠点として活動されているという事。……女王が直接出向いてきたのは、その方が安全だったからかもしれません」
 直接、ナーイアストの居る神殿とやらに向かったのも……そういう事情か。
「占拠してるのがギルなんだ」
 ナッツの驚いた声に、俺は口を歪めてレッドに振り返る。
「どういう事だよ、レッド」
「つまり」
 レッドはため息を漏らして遠くを見つめた。
「シーミリオン国はやはり、魔王の本拠地の一つだったという事です」
「国を閉ざしているのは魔王がいるから?」
 マツナギの静かな問いにレッドは違います、と首を振る。
「国を閉ざしたのは、恐らくリュステルの秘薬によって魔種へ移行する為に必要な措置なのでしょう。時期が丁度重なるはずです。魔王八逆星の騒動は精々十年前くらいの話ですが、シーミリオンが国を閉ざしているのはもっと昔からの話です。魔物を経ないで後天的に魔種になる薬だなんて、どう考えても都合が良すぎます。……何らかの副作用があってしかるべきと僕は思います」
 とするとユーステルが探してくれと頼み込んできた、何も無ければシーミリオン国の王にして彼女の伴侶となるはずだったキリュウの兄にして伝説級の医師、リュステルは……長いな、こいつの肩書き……。
 えと、何だっけ。
 そうそう、そのリュステルは後天的に魔種への移行を可能にする薬、とやらを開発する事は出来るが、それは副作用無しだとは限らないって事だよな。レッドは副作用無しに可能なのか?と、その時聞いたはずだ。そうしたら概ねその通りだとユーステルは首を縦に振っていたと思う。でももしかするとそれは嘘だったのかもしれないわけだ。あるいは……比喩に出した、魔王ルースルーズとやらがたどった結末よりは『易しい』程度の何かしらがあった事を、ある意味肯定しただけの答えだったのかもしれない。
 行方を捜してと頼まれているリュステルが、魔王の側に居るかもしれない。けど多分……自分の国には居ない事は確実なんだろうな。それでも、ラストウォーターが魔王の本拠地だと知っているなら俺達がそこに乗り込もうと云い出すに違いない。
 何故か、それだけは出来ない。未だラストウォーターの場所を明かす事だけは出来ないと頑なに拒んでいるからこそ、自国の詳しい事情は尚語れない状況になっていたのか……。
 しかも居るのがギル?あの、バケモンが居る……もしかして、俺らがリベンジするのを察して黙って居たのかな?絶対現状敵わないのは俺でも察しているが、そりゃやり方にもよるだろう、などと考えてしまってる段階で心情は読まれているよな……。
 首都ラストウォーターの場所を秘匿されたまま、陸に戻されてしまった俺達は今更海に引き返す事も出来ない。

 俺達は、無事危機を脱出したのだろうか?もしかして、大事なアタックチャンスを失ったんじゃねぇのか?

「シーミリオンにリュステルは居ないんだろうね。だから探してくれって事なんだろうけど」
 それで、なんとか魔王連中に対応出来る力を得てくれ、魔王討伐はそれからだ、とでも言いたいのか。そんな俺の微妙な心の具合を見抜いたように、レッドが言った。
「しかし、強化策として打ってつけの劇的な薬を開発出来るというのは、事実なのでしょう。少なくともユーステル女王やキリュウさんには特にこれといった異常性は感じられませんでしたが……副作用と言ってもピンキリですよね。克服してあの状況なのかもしれませんが……知っていますか?」
 レッドは、なぜかにやりと笑って言葉を続ける。
「医者というものは、時にわざと不都合を残す、悪徳な事もするんですよ。あらゆる全ての病を治す『賢者の石』など存在されては困るのです。商売上がったりに成りますからね」
「何が言いたいんだよ、それ」
「つまり、リュステルの方で大衆薬にした時に何らかの小細工をした可能性も無きにしもあらず、という事です。わざと何らかの副作用を及ぼすようにし、国を閉ざした……そう、そのまま行けば王となる人物です。大衆を治める立場なのですから国をどうするかはリュステルの意思一つでも構わない場合だってある。女王達はまだ僕らに何かを隠している……全ては憶測です、しかしだからこそ自由にかの国について憶測が述べられる」
 あーもう、なんだか良く分らないが、とにかくまだ何もかもはっきりしないってのだけは理解したぞ、俺は。
「はっきりさせるには、やっぱり女王を救い出すしかないわね」
「そんで、シーミリオン国首都を奪還……か。いや待てよ。じゃぁ、女王が攫われたのってそっちだろうが!上陸してこれからどこに行くってんだよ」
「そ、そうだ。そうだよ!何で俺達陸に上がってんの?」
 素直に考えればテリーの云う通りだ。俺は慌てて同意する。
「僕はラストウォーターを『魔王の本拠地の一つだ』と、言ったはずですが」
 うッ、そ、そうだっけ?しかしテリーは腕を組み、憮然と言い返す。
「一つだろうと候補には変わりねぇだろうが、」
「そうですね、ですが……。キリュウさんはそこにユーステル女王が居ない事を分かっているのです。ですから、僕等を予定通りに大陸へ運んだのでしょう」
 そう言ってレッドは手紙の中に入っていた、もうひとつ蝋封された小さな手紙を指し示す。
「なんだそれは?」
「これを届けて欲しいというわけですよ」
 そう言ってレッドは再びにやりと笑う。


 キリュウは俺達の前で、ユーステルを助け出してくれとは一言も、言わなかった。そこで俺達も、あえて言わせようとはしない事にしたんだ。恐らく何か俺達には立ち入ってもらいたくない、深い事情がある事は察した。
 どーせ俺達の目的はあの魔王連中だ。いずれ必ずユーステルの居場所に繋がる情報は得られるだろう。何もかも黙ったままのキリュウからは、これ以上有益な情報など得られない可能性だってある。
 キリュウが何も語りたくないのであれば、語らなせなくてもいい……マツナギの提案を、レッドとナッツは実に、上手い具合に解釈しやがったな。

 まぁ、どっちみちだ。
 どっちみち、俺達はユーステルを助けに行く気満々だから、理由やら事情やらは、別にどうだっていいんだ取敢えず。そういう態度は取り続けて見た所、最終的にキリュウは悩みつつも、今ナッツが持っている手紙にしたため、俺達に渡して来た。なんとか深い事情に当たり障りの無い部分だけを手紙でカミングアウトしてくれた訳だ。
 手紙にしたのは……再び湧き上がるであろう大量の謎を、何でだと突っ込まれる事を嫌がってだろうな。確かにそれで正解だ。レッドやナッツだけなら聞き分けもいいだろうが、俺やアベルはそれじゃぁ納得しない。実際、俺今相当に煮えきってませんから。不承不承だよ、ただでさえ後味悪いってのに……。

 その手紙の中に同封されていたらしい、レッドが持っている封書。それはユーステルを救出する為に必要なイベントアイテムに違いない。

 いや何しろ。指摘するまでもないんだが……。
 手紙の上には、正規イベントプログラムであるグリーンフラグが見て取れるんだよ。

 その手紙の『役割』については、トビラの外からやって来ている俺達にはあまりにも良く理解できる事だよな。重要アイテムって意味だ。捨てるなんてとんでもないアイテムだよ。それでも捨てちゃうと、イベントクリアできなくなっちまう類いの奴。
 再び、魔王を巡って俺達は赤ではなく、緑の旗に戻って来た。シナリオは全て壊れている訳ではなさそうだな……魔王って部分が何か、ぶっ壊れているっぽい。

「魔王、というものの構成が問題だな」
 ナッツは手紙を読み終わりそれをどうしようかと思ったところ、アベルから奪われている。
 寄越せと、手を伸ばそうと思ったがやめた。いいやもう、俺それ読まなくても。お前等からちゃんと事情を聞ければ読む手間省けるもんな。
 でナッツ、何が問題だって?
「魔王八星、つまり魔王というのは8人居るという状況って事だよね?」
「魔王が、8人?」
 ちょっと待て?魔王のイメージが今、一気に分裂した気がするんだが気のせいか?なんだって?魔王が、8人?
 レッドも頷き困った顔で目を眇める。
「ええ、すっかり八逆星などというものは……そういう名称の魔王の手先だろうと思っていたでしょう?僕はその点どうも怪しいのではないかと感じていたんです」

 俺、思い出せ。
 俺達が追うべき魔王の名前、それはイシュタル国ですでに知らされていたよな?
 イシュタル国で『魔王』だ、として知らされた名前はギルとか、インティじゃない。

 ギガースだ。

 って事は何か?俺達がイシュタル国で受けたグリーンフラグシステムでの魔王討伐は、『魔王ギガース』に関連する場合って事なのか?
 とすると、ギルやインティは全然無関係かッ!?
「じゃ、じゃぁ緑旗と赤旗のイベントはやっぱり別なんだな!グリーンフラグシステム自体はマトモに動いてるって事か。俺達はそれ以外に別のイベントも拾っちまった状態?」
「いえ、わかりませんよ?」
 レッドはにやりと笑い、横目で俺を窺う。
「大魔王という可能性も在ります」
「だいまおう?」
 ……あれか。
 村人>村長>長老、みたいな階級制度の一種で……。

 魔王より偉いのが、大魔王。

「んな、アホな話があるかッ?」
「だから、分かりませんって」
「だからって、どうして女王がカルケードに居るって断言するのよ?」
 と、アベルが手紙を振る。
 どうやらその様にキリュウの手紙には書いてあるんだろう。突然行き先が南国カルケードと分かり、俺は驚きつつ自然と、レッドを伺っていた。

 ……奴はこっちの世界ではカルケード国出身だからな。

「分かりませんかね」
 レッドは顔を隠すように、相変わらず無い眼鏡を押し上げる仕草をした。
「キリュウさんからの情報では、ギルとインティは仲が悪い、別のグループの魔王であるとあります。インティの言葉や態度からもそうであろうと思われます。そして女王はギルではなくインティの方から攫われていったんですよ?」
「だから、どうしてそれがカルケードになるのよ?」
「どうしてなのかは僕にも分かりませんがつまりそれは、カルケードにも魔王の本拠地があるという事でしょう」
 さらりと言ったが、そもそも魔王の本拠地とやらが全国各地津々浦々にあるのも問題だよなぁ?大体レッド、お前カルケードが故郷なんだろうが。もうちょっと自国の心配をしたらどうなんだ?
「どうも、再び戦争を始めそうな気配がありますからね……もしかすると、もしかするのかもしれません」
 ああそういえば、ミンもそんな事を漏らしていたな。

 カルケードも、シーミリオン国くらいにやばいぞ、とかなんとか。

「じゃ、取りあえず目指すは南国か」
 テリーは頭の後ろで手を組んで近付く町を遠く眺める。
「南国か……あたしは、初めてだな」
 と、マツナギが呟くとあたしもあたしもーと、アベルが手を上げて陽気に答えている。実は、俺も俺もーなのだが一緒になって手を上げる程、まだテンションが上がっていない。
 あー……何とか、前向きに考えてはいるんだがいまいちな。
 ユーステルの年齢……じゃなくて、いや、それもあるけどとにかく。ユーステルがすぐ側で、攫われていってしまったのがショックなのか、何なのか。それ以外にも、割と信頼されて全てを相談されていたわけじゃないんだなぁというのが分ってきてショックだというか……。
 突然、頭の上に何かが乗っかった気配に俺は肩を竦める。
 この堅い爪の感覚、確認するまでもねぇ。
「アイン、何だよ突然」
「元気ないなぁ、と思って」
 両肩に後ろ足を置いて鉤爪のある翼で、俺の頭にしがみ付いた格好であろうアインは、首だけ伸ばして上から俺を覗きこんで来る。
「ほっとけよ、」
「あら、あたしを小動物マスコットみたいに甘くみないでよね?」
「マスコットじゃねぇかよ」
 俺は頭上のアインを見上げて苦笑した。
「中身は皆と同じ、プレイヤーなのよ?」
 そりゃぁそうだが……。実際お前、戦力になるのか?
「ねぇ、ユースちゃんの事、好きなの?」
 突然齎された疑問形の言葉に、俺は無駄に反応するのは墓穴と知りつつちょっと、のけぞってしまう。
「ばッ、ばか、仮にも、女王陛下だろうがッ」
 慌てる俺にアインは鼻息をついて顔を上げる。
「愛さえあれば、身分の差なんてーよッ」
「アイー?あんた、なんでソコに食いつくの?」
 と、アベルが不思議そうな顔で俺と、俺の頭上のアインを窺っている。んあ?どこに、食いついてるって?……アイン、俺の頭齧ってるんじゃぁねぇよな?
「んふふ、ちょっとねー」
 なぜか、ちょっと不気味な笑みを俺の頭上で漏らしたアイン。
 ……何だ?女どもの会話はよくわからん。アベルはその言葉に、何か思案していたが……俺はともかくと頭上を見上げてアインに言ってやった。
「別に、好きってわけじゃぁねぇよ。まぁ仲よくなれそうだったから、可愛い子だよなぁ……位には思ったっていいだろ?それに……攫われてんだぞ?攫われた先でどんな扱いを受けているかッ」
 いかん、変な部分でテンションが上がって来てしまった!俺は無理矢理アインを頭の上から追い払う。
 無駄に上がった心拍数を悟られたくなかったんだが、空に逃げつつアインはなぜか笑っているように……見える。
 平常心!平常心だ俺!ドラゴンが笑って見えるのは、俺の心の迷いが見せる幻だ!
「それで、南国まではどれくらい掛かるんだい?」
 俺達のそんなやり取りをほぼ無視しての、先頭を歩いているマツナギとナッツの会話が耳に入る。
「移動手段は色々あるからね、ものすごくお金をかければ1日2日で西方大陸を縦断する手もあるし」
「西方での魔王の情報も手に入れておきたい所です。あ、南国の事情についても同じくですね」
 レッドがマツナギの背後から小さく手を上げて主張。ナッツは頷きつつマツナギに向く。
「思い出すコマンドでも色々限界があるだろうね。僕等が入り込んでからのタイムリーな情報は自分で取得しないといけないはずだし、それらを調べて……」
「タイムリーっつえば、ナッツよ」
「はい?」
 テリーから唐突に名前を呼ばれて、ナッツはちょっと驚いて振り返った。
「俺らの国でも神さんが出やがっただろ?俺ぁそれを思い出して見てるんだが、いまいち理解してねぇみたいなんだよ……」
「はぁ……『ファマメント』ですか」
 ナッツは視線を空の上に上げて、ちょっと困った顔をする。そんなナッツに、テリーは一瞬俺らを窺ってから若干の小声で聞いた。
「……バラすとまずいのか?」
「いや、別に問題は」
「じゃぁ、聞いていいんだな」
 ナッツが頷いている。

 何だ?何の話を聞こうとしているんだテリー?
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