16 / 29
第16章:秘密の「お勉強会」
しおりを挟む
自室の勉強机の上で、俺のスマホが、まるで心臓のように、定刻を告げる鼓動を始めた。
時刻は、21時00分。
画面には、昨日、半ば強制的に登録させられた、あの女王様からの着信が表示されている。
『白鳥 美月』
俺は、ゴクリと生唾を飲み込み、覚悟を決めて通話ボタンをタップした。
数秒の呼び出し音の後、画面が切り替わり、そこに、彼女の姿が映し出される。
「……!」
思わず、息を呑んだ。
画面の向こうの彼女は、学校で見せる完璧な優等生の姿とは、似ても似つかない、あまりにも無防備な格好をしていたからだ。
ふわりとした、シルクだろうか、淡いピンク色のキャミソール一枚。
華奢な鎖骨と、滑らかな肩のラインが惜しげもなく晒されている。
豊かな胸の膨らみが、薄い生地を内側から押し上げ、その存在を雄弁に主張していた。
画面の下半分は、彼女が座っているベッドのシーツに隠れて見えないが、おそらく下も揃いのショートパンツか何かだろう。
普段は制服のスカートの下に隠されている、あの完璧な造形の太ももが、今はどうなっているのか……想像しただけで、腹の底がズクリと熱くなる。
「時間通りね。執事としては及第点かしら」
彼女は、ベッドの上でクッションを背もたれに、優雅に足を組んで微笑んでいる。
その声は、昼間の悪戯っぽい響きとは違い、どこか落ち着いていて、しっとりと濡れたような色気を帯びていた。
背景に映る彼女の部屋は、白を基調とした、まるでお城の一室のような洗練された空間だ。
それに比べて俺の部屋は、ラノベと漫画とゲームソフトが散乱する、典型的なオタクの巣窟。
この画面越しの格差社会に、俺はめまいを覚えそうになる。
「さあ、『お勉強』を始めましょうか。例の医学書は、ちゃんと用意してあるわよね?」
「あ、は、はい! もちろんです!」
俺は、慌てて机の上の分厚い本をカメラに見せる。
『改訂版・人体の構造と機能』
この本が、これから始まる倒錯的な講義の教科書だ。
「よろしい。じゃあ、248ページを開いてちょうだい」
言われるがままにページをめくる。
そこには、女性の泌尿器系に関する、生々しい図解と、びっしりと書き込まれた専門的な文章が並んでいた。
「まずは、基本からよ。この図を見て。膀胱の平均的な容量は、成人女性で約500ミリリットル。でもね」
彼女は、画面越しに、俺の目を見つめてくる。
そして、おもむろに、自分のキャミソールの上から、その滑らかな下腹部に、そっと手のひらを置いた。
「私の……ここの許容量は、気分によって、大きく変わるの」
その言葉と仕草に、俺の思考は、完全にフリーズした。
彼女の白い指が、下腹部を、まるで愛おしむかのように、ゆっくりと、円を描くように撫でている。
「例えば……そうね、強い緊張や、興奮を感じると、神経が過敏になって、実際の容量よりも、ずっと少ない量で、強い尿意を感じるようになるの……わかる?」
分かるか! と叫びたいのを、必死にこらえる。
分かるどころか、俺の下半身が、彼女のその言葉と仕草に、正直すぎるくらいに反応してしまっている。
机の下で、俺の「息子」が、じわりと熱を持って、その存在を主張し始めていた。
「医学書にも……精神的要因が、って書いてありますね……はは……」
俺は、必死に平静を装い、医学書に視線を落とす。
しかし、もうダメだ。文字なんて、何一つ頭に入ってこない。
俺の意識は、画面の向こうの、彼女の一挙手一投足に、完全に釘付けにされていた。
「そうよ。そして、その『精神的要因』というのが、私の『実験』の、一番大事なところなの」
彼女は、うふふ、と妖艶に微笑むと、今度は組んでいた足を、ゆっくりと組み替えた。
その瞬間、画面の端に、ショートパンツから伸びる、眩しいくらいに白い、彼女の太ももが一瞬だけ映り込む。
俺は、息を呑み、慌てて視線を逸らした。
まずい、まずいまずい!
これ以上見たら、俺の理性が、本当に持たない!
「私の場合はね、特に『見られるかもしれない』っていうスリルが、一番のスパイスになるの。この間、あなたが私を見つけた……あの時、私の膀胱は、もうはち切れそうなくらい、熱く、硬く、なっていたわ」
彼女の声は、次第に、吐息まじりの、甘い囁きに変わっていく。
まるで、あの瞬間の快感を、今、この場で追体験しているかのように。
「誰かに、見つかってしまうかもしれない。私の、こんな、はしたない姿を……。そう思えば思うほど、我慢するのが、快感に変わっていくの。わかるかしら、この、背徳感と高揚感が入り混じった、最高の感覚が……」
彼女の瞳は、潤んでトロンとし、頬はほんのりと上気している。
その表情は、旧校舎の裏で見た、あの恍惚の表情そのものだった。
ゴクリ、と俺の喉が鳴る。
机の下で、俺の分身は、もはや限界寸前まで硬く膨れ上がっていた。
「……これが、明日の『実技試験』で、とても重要になるから、しっかり覚えておくことね」
彼女は、まるで夢から覚めたかのように、ふっと表情を普段の知的なものに戻した。
そのギャップが、また俺の心をかき乱す。
「明日の5限、体育の授業よ。せいぜい私の期待に応えなさい、執事くん」
彼女は、最後に、とろけるように甘い笑みを浮かべると、俺に反論の隙も与えず、一方的に通話を切った。
プツン、と、画面が暗くなる。
部屋に、静寂が戻る。
俺は、しばらくの間、放心状態で、黒い画面を見つめていた。
そして、ゆっくりと、机の下に視線を落とす。
スラックスを内側から突き上げ、その存在を力強く主張している、俺の熱い塊。
俺は、乾いた笑いを漏らしながら、力なく椅子にもたれかかった。
明日の体育の授業。
一体、俺は、彼女の、どんな姿を、見せられることになるのだろうか。
不安と、恐怖と、そして、抗いがたい興奮が、俺の体の中で、渦を巻いていた。
時刻は、21時00分。
画面には、昨日、半ば強制的に登録させられた、あの女王様からの着信が表示されている。
『白鳥 美月』
俺は、ゴクリと生唾を飲み込み、覚悟を決めて通話ボタンをタップした。
数秒の呼び出し音の後、画面が切り替わり、そこに、彼女の姿が映し出される。
「……!」
思わず、息を呑んだ。
画面の向こうの彼女は、学校で見せる完璧な優等生の姿とは、似ても似つかない、あまりにも無防備な格好をしていたからだ。
ふわりとした、シルクだろうか、淡いピンク色のキャミソール一枚。
華奢な鎖骨と、滑らかな肩のラインが惜しげもなく晒されている。
豊かな胸の膨らみが、薄い生地を内側から押し上げ、その存在を雄弁に主張していた。
画面の下半分は、彼女が座っているベッドのシーツに隠れて見えないが、おそらく下も揃いのショートパンツか何かだろう。
普段は制服のスカートの下に隠されている、あの完璧な造形の太ももが、今はどうなっているのか……想像しただけで、腹の底がズクリと熱くなる。
「時間通りね。執事としては及第点かしら」
彼女は、ベッドの上でクッションを背もたれに、優雅に足を組んで微笑んでいる。
その声は、昼間の悪戯っぽい響きとは違い、どこか落ち着いていて、しっとりと濡れたような色気を帯びていた。
背景に映る彼女の部屋は、白を基調とした、まるでお城の一室のような洗練された空間だ。
それに比べて俺の部屋は、ラノベと漫画とゲームソフトが散乱する、典型的なオタクの巣窟。
この画面越しの格差社会に、俺はめまいを覚えそうになる。
「さあ、『お勉強』を始めましょうか。例の医学書は、ちゃんと用意してあるわよね?」
「あ、は、はい! もちろんです!」
俺は、慌てて机の上の分厚い本をカメラに見せる。
『改訂版・人体の構造と機能』
この本が、これから始まる倒錯的な講義の教科書だ。
「よろしい。じゃあ、248ページを開いてちょうだい」
言われるがままにページをめくる。
そこには、女性の泌尿器系に関する、生々しい図解と、びっしりと書き込まれた専門的な文章が並んでいた。
「まずは、基本からよ。この図を見て。膀胱の平均的な容量は、成人女性で約500ミリリットル。でもね」
彼女は、画面越しに、俺の目を見つめてくる。
そして、おもむろに、自分のキャミソールの上から、その滑らかな下腹部に、そっと手のひらを置いた。
「私の……ここの許容量は、気分によって、大きく変わるの」
その言葉と仕草に、俺の思考は、完全にフリーズした。
彼女の白い指が、下腹部を、まるで愛おしむかのように、ゆっくりと、円を描くように撫でている。
「例えば……そうね、強い緊張や、興奮を感じると、神経が過敏になって、実際の容量よりも、ずっと少ない量で、強い尿意を感じるようになるの……わかる?」
分かるか! と叫びたいのを、必死にこらえる。
分かるどころか、俺の下半身が、彼女のその言葉と仕草に、正直すぎるくらいに反応してしまっている。
机の下で、俺の「息子」が、じわりと熱を持って、その存在を主張し始めていた。
「医学書にも……精神的要因が、って書いてありますね……はは……」
俺は、必死に平静を装い、医学書に視線を落とす。
しかし、もうダメだ。文字なんて、何一つ頭に入ってこない。
俺の意識は、画面の向こうの、彼女の一挙手一投足に、完全に釘付けにされていた。
「そうよ。そして、その『精神的要因』というのが、私の『実験』の、一番大事なところなの」
彼女は、うふふ、と妖艶に微笑むと、今度は組んでいた足を、ゆっくりと組み替えた。
その瞬間、画面の端に、ショートパンツから伸びる、眩しいくらいに白い、彼女の太ももが一瞬だけ映り込む。
俺は、息を呑み、慌てて視線を逸らした。
まずい、まずいまずい!
これ以上見たら、俺の理性が、本当に持たない!
「私の場合はね、特に『見られるかもしれない』っていうスリルが、一番のスパイスになるの。この間、あなたが私を見つけた……あの時、私の膀胱は、もうはち切れそうなくらい、熱く、硬く、なっていたわ」
彼女の声は、次第に、吐息まじりの、甘い囁きに変わっていく。
まるで、あの瞬間の快感を、今、この場で追体験しているかのように。
「誰かに、見つかってしまうかもしれない。私の、こんな、はしたない姿を……。そう思えば思うほど、我慢するのが、快感に変わっていくの。わかるかしら、この、背徳感と高揚感が入り混じった、最高の感覚が……」
彼女の瞳は、潤んでトロンとし、頬はほんのりと上気している。
その表情は、旧校舎の裏で見た、あの恍惚の表情そのものだった。
ゴクリ、と俺の喉が鳴る。
机の下で、俺の分身は、もはや限界寸前まで硬く膨れ上がっていた。
「……これが、明日の『実技試験』で、とても重要になるから、しっかり覚えておくことね」
彼女は、まるで夢から覚めたかのように、ふっと表情を普段の知的なものに戻した。
そのギャップが、また俺の心をかき乱す。
「明日の5限、体育の授業よ。せいぜい私の期待に応えなさい、執事くん」
彼女は、最後に、とろけるように甘い笑みを浮かべると、俺に反論の隙も与えず、一方的に通話を切った。
プツン、と、画面が暗くなる。
部屋に、静寂が戻る。
俺は、しばらくの間、放心状態で、黒い画面を見つめていた。
そして、ゆっくりと、机の下に視線を落とす。
スラックスを内側から突き上げ、その存在を力強く主張している、俺の熱い塊。
俺は、乾いた笑いを漏らしながら、力なく椅子にもたれかかった。
明日の体育の授業。
一体、俺は、彼女の、どんな姿を、見せられることになるのだろうか。
不安と、恐怖と、そして、抗いがたい興奮が、俺の体の中で、渦を巻いていた。
0
あなたにおすすめの小説
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
洗脳機械で理想のヒロインを作ったら、俺の人生が変わりすぎた
里奈使徒
キャラ文芸
白石翔太は、いじめから逃れるため禁断の選択をした。
財閥令嬢に自作小説のヒロインの記憶を移植し、自分への愛情を植え付けたのだ。
計画は完璧に成功し、絶世の美女は彼を慕うようになる。
しかし、彼女の愛情が深くなるほど、翔太の罪悪感も膨らんでいく。
これは愛なのか、それとも支配なのか?
偽りの記憶から生まれた感情に真実はあるのか?
マッチポンプ(自作自演)の愛に苦悩する少年の、複雑な心理を描く現代ファンタジー。
「愛されたい」という願いが引き起こした、予想外の結末とは——
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる