異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ

文字の大きさ
4 / 123
異世界生活始めました編

4 私と異世界召喚

しおりを挟む
 呆然としている私を他所に、クラスの中心的な存在の千歌子ちゃんが代表するかのように言葉を発していた。
 
「ちょっと!!どういうことよ!誰かいないの!?」

 千歌子ちゃんの声が聞こえたのか、私達のいる場所よりも更に奥の方から一人の男性が現れた。
 現れた男性は、丸で聖職者のような格好をしていた。
 聖職者のような姿の男性は、私達に視線を向けた後に全員に聞こえるように言った。
 
「ようこそ、異世界の救済者様」

 男性の発した言葉を聞いた私達は、全員がポカンとした顔をしていたと思う。
 だって、良い年したおっさんが、聖職者コスプレをしてそんな事を言うなんて、何の冗談だって感じだ。
 エイプリルフールには、まだまだ早すぎるその頭のおかしなおっさんのセリフに、クラスメイト全員が爆笑した。
 
「ぷっ!おっさん頭大丈夫?なにこれ、何のドッキリ?」

「ちょっと、センセー。これなんの撮影?」

「うわー、あの年で中二病?ヤババ~」

「マジウケるわ~」

 クラスメイト達がそう言って、不審なおっさんのことを笑って、こんな馬鹿げたドッキリを仕掛けただろう、仕掛け人を探し出そうとしていた。
 だけど、そのイカれた中二病丸出しのおっさんは、真面目な口調で私達に言った。
 
 
「突然のことで驚かれるのは当然です。ですが、今は時間がないのです。どうか、私めの話をお聞き下さい」

 イカれた中二病丸出しのおっさんの言葉に、全員が声をなくしていた。
 これはドッキリでもなく、本当に私達の身に起きている現実なのだと。
 静まり返った私達を見たおっさんは、続けて言った。
 
「救済者の皆様には能力を授けます。その力を使って、どうかベルディアーノ王国をお助け下さい。ですが、我々が想定していたよりも多くの救済者様にお越しいただいたことで、皆様、それぞれが希望する力を与えている時間がありません。皆様、上を見て下さい」

 私達は、言われるままに上を見た。上にはさっき見た美しいステンドグラスがキラキラと輝いていた。だけど、さっきよりもキラキラが弱くなっているように感じられた。
 
 全員が上を見たのを確かめてから、おっさんが話し始めた。
 
「上に見えるのは、皆様をお呼びした聖なる光です。あの光があるうちにしか、皆様に力を授けることができません。光は刻一刻と弱まっております。そのため、皆様、一人ひとりのご希望を伺っている時間がないのです」

 そこまでおっさんが話したところで、千歌子ちゃんがまたまたクラスを代表するように言った。
 
「待って、それってとっても大事なことじゃん。異世界に召喚されて、チート能力の一つも与えられないなんてそんなクソゲーあり得ない。それに、全員が同じ力なんてもらっても、全然異世界満喫できないじゃん」

 千歌子ちゃんの言葉に、クラスの男子たちが同意するように頷いていた。
 
 それを見た千歌子ちゃんは、更に言葉を続けた。
 
「ねぇ、だったらこういうのはどう?このゲームのステータスやスキルを使えるようにするっていうのは。そうすれば、全員がいろいろな力を持てるし」

 千歌子ちゃんの提案に、クラスの大多数が賛成していた。
 
「オッシャァー、俺一次職剣聖!勝ち組間違いなし!!」

「俺なんて、暗黒騎士だぜ!俺TUEEE確定じゃん!!」

「やった!私、調教師と忍者の2個持ちよ!!」

 みんなは、ゲーム内の自分のJOBを思い出して騒ぎ出していた。
 そんな、全員の姿を見ていたおっさんは全員に聞こえるように言った。
 
「それでは、皆様の希望されているその、げーむとやらの力を授けたいと思います」

 そう言ってから、千歌子ちゃんのスマホのFJOのアイコンに触れてから、祝詞のような何かを唱え始めた。
 唱え終わるのと同時に、私達は強い光に包まれていた。
 目も開けられないような強い光の中で、私は体の中に暖かくて強い力が入ってくるのを感じていた。
 光が収まったときには、頭上にあったステンドグラスのキラキラはなくなり、ただのキレイなステンドグラスとなっていた。
 
 目がなれて、周囲を見渡すと、何故か全員が私のことを引きつった青い顔で見ていた。
 
 どうしたんだろう?
 どうしてそんな顔で私を見るの?
 そんなことを考えていると、千歌子ちゃんが私の近くにやってきた。
 私は、千歌子ちゃんに助けを求めるように手を伸ばして話しかけようとして私の身に起こったことを理解した。
 私の目に映った、私の腕は焦げ茶色の毛に覆われた丸太のように太いものだった。
 そして、私の口から出たのは、「うほ……」という、ものだった。
 
 そこで私は思い出したのだ。私のゲーム内のキャラの状況を。
 だけど、唯一フレンド登録をしている千歌子ちゃんなら私のこと分かってくれるはずだと、千歌子ちゃんを見た私は、自分の目と耳を疑った。
 
「どうしてここにモンスターが!!大変、早く捕らえないと!!」
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~

空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」 氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。 「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」 ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。 成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~

咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】 あらすじ 「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」 ​聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。 彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。 ​しかし、エリーナはめげなかった。 実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ! ​北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。 すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。 ​「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」 ​とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。 以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。 ​最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?

処理中です...