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異世界生活始めました編
6 私とマイホーム
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ステータス画面の異常さに私は、うほうほ言っていた。自分の発したうほうほという声とも言えない音に、まずは人の身に戻ることが先決だと考えた。
ゲームの時とステータスの表示はだいたい一緒だったので、称号欄の二次職ゴリラに触れてみる。すると、別のウインドウが新たに現れた。現れたウインドウには、ゴリラ状態という文字が明るい色で表示されていた。
そのことから、文字に触れれば解除されるかも知れないと考えた私は、ゴリラ状態の文字に触れてみた。すると、さっきまで明るい色で表示されていた文字がグレーになっていた。
文字がグレーになるのと同時に、私の体は強い光に包まれていた。
光が収まると、私の体はゴリラではなくもとの人間の体に戻っていた。
念の為、体全体に触れて異常がないか確かめるが、触れた感じ変なところはなかったように思えた。
人間に戻った私は、次に檻を抜けることにした。人間サイズに戻ったからには、千歌子ちゃんの作った檻はザルもザルで、通り抜けし放題と言えるほどの隙間があった。
これで、この檻ともおさらばだと私は意気揚々と隙間を出ようとした。
「ぐっ!!」
まさかの展開だった。悲しいことに私のコンプレックスの一つである、とある部分がつっかえて隙間を抜けることができなかった。
態勢を変えても、勢いをつけても無駄だった。
「ぬわぁーー!!この駄肉のせいで!!檻から出られない!!!この無駄な脂肪の塊の所為だ!!ぐぬぬぅ~~~」
叫んでみたが何も変わらなかった。
忌々しく私の体についた無駄な脂肪、駄肉を睨みつけてから、盛大なため息を吐いた。
中学一年の終わり頃から急に大きくなった私の胸は、私にとってのコンプレックスだった。
背が小さいのに、胸だけは大きくて……。それに、その頃には顔を隠したい一心で俯くようになっていて、自然と姿勢は猫背になっていた。
だから、私は無駄に太って見えていたと思う。
だって、その頃からかっちゃんの意地悪が酷くなっていったように思うんだよね。
前までは、「ブス」「のろま」とか罵られるだけだったけど、その頃くらいからだ。二人でいる時はそんなんじゃないけど、他の人がいるところだと、「ドブス、俺の側に寄るんじゃねぇ!!」「ちょっ!近すぎだからもっと離れろ!!」って、遠ざけるようになっていたんだ。
きっと、可愛くもない上に太って見える私が側にいることが恥ずかしかったんだよね。
でも、かっちゃんに顔を見られるのは嫌だったけど、父さんと母さんを失った私は、寂しさからかっちゃんと千歌子ちゃんの側にいたかったんだよね。
そんなことを考えながら、無駄に発達した自分の胸に呪いの言葉を吐いていた。
「胸なんて普通くらいでいいのに……。それよりも身長が欲しかったよ……。はぁぁ」
そんなことを言っていても何も始まらない。
私は、どうにかしてこの檻を出る方法はないかと考えたが何も思いつかなかった。
次第に空腹から私の思考は雑なものになってきていた。
そう、バグったステータスでこの檻をこじ開けるという考えに至っていた。
何も考えず、檻を壊すことだけを考えていた私は、アイテムリストからとあるものを取り出していた。
それは、鍛冶師のレベルを上げるためにひたすら作った武器の中でも硬さと攻撃力のパラメーターが異常に高かった戦斧だ。
ただこの檻を出たいという一心で戦斧を力任せに振るった。
戦斧が檻に当たる瞬間、もしかすると弾かれて手を痛めるかも知れないという考えが頭を過ぎらなくもなかったが、それでも私は力任せに戦斧を振り抜いていた。
そう、私の振るった戦斧は何かに遮られることもなく簡単に「パリンッ」という音だけを残して振り抜けたのだ。
あっけなく壊れた檻は、キラキラと輝く光の粒子となって消えていった。
「えっ?簡単に壊れちゃった……。まっ、いっか。それよりもこれからのことを考えなくちゃ。まずは、食料と拠点の確保。その後に周囲の調査……。でも、本格的な拠点を作るのは、周囲の調査が終わった後ね。安全地帯に拠点を作らないと」
敢えて考えを口に出してみると、やるべき事が纏っていった。
そうと決まれば、即行動よ!!
とりあえず、簡単に周辺を探索開始ね。
私がスクロールで飛ばされた場所を見回してみたけど、事前に言われていた魔の森という言葉を疑いたくなるような穏やかな空気が漂っていた。
温かい木漏れ日と、草木が暖かな風に戦ぐ穏やかな空気に満ちていた。
時折、小鳥と思われる「ちゅぴぴぴ」という、可愛らしい鳴き声が聞こえてくるだけで、獰猛な動物やモンスターの気配をまったく感じなかった。
それでも、たまたまここがそういう場所なだけで、少しでも先に行けば凶暴な動物で溢れているかも知れないと、気を引き締めてから慎重に周辺を探索した。
その結果、ここ周辺は運がいいことに安全地帯だと言えるような場所だと思えた。
更に幸運にも、少し先に木々の開けた場所を見つけた。その場所には水場もあった。
私は、この場所に拠点を置くことに決めた。
拠点づくりに役立つスキルは何かないかと、ステータス画面を眺めた私は、あるJOBのことを思い出していた。
「そうだ、家主のスキルで作ったマイホームって使えないかな?」
良いことを思いついたとばかりに、私は早速マイホームの画面を探した。
EX職の家主に触れると、別のウインドウが現れた。そこには、以前ゲーム内で私がコツコツと作り上げた庭付き2階建てのマイホームが表示されていた。
ゲームの時とステータスの表示はだいたい一緒だったので、称号欄の二次職ゴリラに触れてみる。すると、別のウインドウが新たに現れた。現れたウインドウには、ゴリラ状態という文字が明るい色で表示されていた。
そのことから、文字に触れれば解除されるかも知れないと考えた私は、ゴリラ状態の文字に触れてみた。すると、さっきまで明るい色で表示されていた文字がグレーになっていた。
文字がグレーになるのと同時に、私の体は強い光に包まれていた。
光が収まると、私の体はゴリラではなくもとの人間の体に戻っていた。
念の為、体全体に触れて異常がないか確かめるが、触れた感じ変なところはなかったように思えた。
人間に戻った私は、次に檻を抜けることにした。人間サイズに戻ったからには、千歌子ちゃんの作った檻はザルもザルで、通り抜けし放題と言えるほどの隙間があった。
これで、この檻ともおさらばだと私は意気揚々と隙間を出ようとした。
「ぐっ!!」
まさかの展開だった。悲しいことに私のコンプレックスの一つである、とある部分がつっかえて隙間を抜けることができなかった。
態勢を変えても、勢いをつけても無駄だった。
「ぬわぁーー!!この駄肉のせいで!!檻から出られない!!!この無駄な脂肪の塊の所為だ!!ぐぬぬぅ~~~」
叫んでみたが何も変わらなかった。
忌々しく私の体についた無駄な脂肪、駄肉を睨みつけてから、盛大なため息を吐いた。
中学一年の終わり頃から急に大きくなった私の胸は、私にとってのコンプレックスだった。
背が小さいのに、胸だけは大きくて……。それに、その頃には顔を隠したい一心で俯くようになっていて、自然と姿勢は猫背になっていた。
だから、私は無駄に太って見えていたと思う。
だって、その頃からかっちゃんの意地悪が酷くなっていったように思うんだよね。
前までは、「ブス」「のろま」とか罵られるだけだったけど、その頃くらいからだ。二人でいる時はそんなんじゃないけど、他の人がいるところだと、「ドブス、俺の側に寄るんじゃねぇ!!」「ちょっ!近すぎだからもっと離れろ!!」って、遠ざけるようになっていたんだ。
きっと、可愛くもない上に太って見える私が側にいることが恥ずかしかったんだよね。
でも、かっちゃんに顔を見られるのは嫌だったけど、父さんと母さんを失った私は、寂しさからかっちゃんと千歌子ちゃんの側にいたかったんだよね。
そんなことを考えながら、無駄に発達した自分の胸に呪いの言葉を吐いていた。
「胸なんて普通くらいでいいのに……。それよりも身長が欲しかったよ……。はぁぁ」
そんなことを言っていても何も始まらない。
私は、どうにかしてこの檻を出る方法はないかと考えたが何も思いつかなかった。
次第に空腹から私の思考は雑なものになってきていた。
そう、バグったステータスでこの檻をこじ開けるという考えに至っていた。
何も考えず、檻を壊すことだけを考えていた私は、アイテムリストからとあるものを取り出していた。
それは、鍛冶師のレベルを上げるためにひたすら作った武器の中でも硬さと攻撃力のパラメーターが異常に高かった戦斧だ。
ただこの檻を出たいという一心で戦斧を力任せに振るった。
戦斧が檻に当たる瞬間、もしかすると弾かれて手を痛めるかも知れないという考えが頭を過ぎらなくもなかったが、それでも私は力任せに戦斧を振り抜いていた。
そう、私の振るった戦斧は何かに遮られることもなく簡単に「パリンッ」という音だけを残して振り抜けたのだ。
あっけなく壊れた檻は、キラキラと輝く光の粒子となって消えていった。
「えっ?簡単に壊れちゃった……。まっ、いっか。それよりもこれからのことを考えなくちゃ。まずは、食料と拠点の確保。その後に周囲の調査……。でも、本格的な拠点を作るのは、周囲の調査が終わった後ね。安全地帯に拠点を作らないと」
敢えて考えを口に出してみると、やるべき事が纏っていった。
そうと決まれば、即行動よ!!
とりあえず、簡単に周辺を探索開始ね。
私がスクロールで飛ばされた場所を見回してみたけど、事前に言われていた魔の森という言葉を疑いたくなるような穏やかな空気が漂っていた。
温かい木漏れ日と、草木が暖かな風に戦ぐ穏やかな空気に満ちていた。
時折、小鳥と思われる「ちゅぴぴぴ」という、可愛らしい鳴き声が聞こえてくるだけで、獰猛な動物やモンスターの気配をまったく感じなかった。
それでも、たまたまここがそういう場所なだけで、少しでも先に行けば凶暴な動物で溢れているかも知れないと、気を引き締めてから慎重に周辺を探索した。
その結果、ここ周辺は運がいいことに安全地帯だと言えるような場所だと思えた。
更に幸運にも、少し先に木々の開けた場所を見つけた。その場所には水場もあった。
私は、この場所に拠点を置くことに決めた。
拠点づくりに役立つスキルは何かないかと、ステータス画面を眺めた私は、あるJOBのことを思い出していた。
「そうだ、家主のスキルで作ったマイホームって使えないかな?」
良いことを思いついたとばかりに、私は早速マイホームの画面を探した。
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