61 / 123
お店編
61 彼女が隠したがっている何か
しおりを挟む
「ちょっと待て、俺は変態なんかじゃない!!おい!!そこの兄弟!!いい加減な事を言うな!お前たちだって、俺と同じ状況だったら、全く同じ事をしていたはずだ!!断じて俺は変態なんかじゃない!!」
そう言って、必死に否定しているカツヒトとシズを改めて見た俺は、なんとなく何があったのか理解し始めていた。
明らかにサイズの合っていないブカブカのシャツを袖を通さない状態で、尚且、全てのボタンを留めていることから、カツヒトが自分のシャツをシズに着せたことが理解できた。
カツヒトの顔が赤いことから、恐らくシズが薄着の状態でいた事に気がついての行動だろう。
そう分かった途端、カツヒトに悪いことをしたという気持ちが俺の中で沸き起こっていた。
「カツヒト……、悪かった。俺の勘違いのようだ……。シズのことを考えた結果の行動だったんだろう?」
「ああそうだよ!!しずが無防備な格好でいたから、自分のシャツをとっさに着せたんだよ!!だから俺は変態なんかじゃない!しずもあの兄弟の言ったことは勘違いの早とちりだから!!」
必死な様子でカツヒトがそう言うと、一歩身を引いた状態だったシズが、不安そうな表情ながらも頷いていた。
「うん……。分かった。かっちゃんは、変態さんなんかじゃない……」
「ああ、そうだ。俺は、変態なんかじゃない。分かってくれればいいよ……。はぁ……」
「うん。そうだね。本当の変態さんは、変態的な行動を徹底的に隠そうとするもんね……」
あぁ……。それはちょっと違うな……。変態には、確かに隠れ変態もいるが、オープンな変態もいるからなぁ。
そんな事を考えながら、俺はふとシズの言葉に違和感を感じていた。
何ていうか、こう……、実感めいた発言だったのだ。
そう、身の回りにそういった人間がいたかのような、実感の籠もった口調だったのだ。
カツヒトも同じ事を考えていたようで、俺と同時に口を開いていた。
「シズ?なんだか、そういった人間が身の回りにいたような口振りなのが気になるんだが……」
「おい……、静弥……。変態の知り合いでもいるかのようなその口振り……」
同時に、似たようなことをシズに問い詰めていた俺とカツヒトはお互いの顔を見合っていた。
「やっぱり、カツヒトは変態だったのか?!」
「おい、しず!!こいつが変態なのか?!」
そして、互いを指差して同時に言い合っていた。
互いに睨み合っていると、シズが慌てて俺とカツヒトを止めていた。
「待って、違うの!!」
「何が違うんだ?」
「何が違うんだよ!」
「二人のことじゃないから!別の人のことだから!!」
「別の人?!」
「別のやつだと!!」
俺とカツヒトが、嘗てないほどのシンクロ具合でシズを問い詰めていると、シズはとっさに顔をそらしていた。
「なっ、何でもないよ!!言い間違いだよ!!変態さんの知り合いなんていないもん!!」
そう言って、シズはぷいっと顔を背けてしまった。
俺は、それ以上問い詰めることが出来なかったが、カツヒトは違っていた。
「静弥、それ!!隠してることがあるだろう!!」
「ないもん!!」
そう言って、シズはさらに顔をぷいっとさせてカツヒトの言葉を否定していた。
しかし、カツヒトも引くことはなかった。
「なら、俺の目を見て同じ事が言えるのかよ?言えないよな?」
「言えるもん……」
そう言ったシズは、少しだけ下唇を噛みながら、上目遣いでカツヒトの目を見つめていた。
「はぁ。やっぱりな。怒らないから」
「やっ!!言わないもん!!」
何か確信していることがあるのか、カツヒトは食い下がっていた。
それでも、シズは否定し続けていた。
気安い感じで、二人にだけ分かる会話をされると、正直面白くなかった。
モヤモヤとした気持ちになっていると、カツヒトがシズに着せたシャツの袖をシズに巻きつけて後ろで縛っていた。
「おい、カツヒト!!それはやり過ぎだ!!」
あまりの仕打ちに、俺はカツヒトを非難したが、カツヒトはそれを無視して、シズの鼻を摘んで言ったのだ。
「言え、じゃないと……。コショコショの刑だぞ?」
「言わないもん!!」
「ふ~ん。コショ」
そう言って、カツヒトはシズの耳の後ろをくすぐった。
すると、シズが少しだけ飛び上がったのが分かった。
「みゃっ!!」
「ほらほら、言わないと次はもっとだぞ?」
カツヒトがそう言うと、シズはぷいっと顔を背けていた。その顔は、唇を噛んで何かを耐えるような表情をしていた。
「たく……。その強情なところ変わんないのな……。でも、言うまでやめない。コショコショ」
「みゃぁぁっ!!」
「しず……。そこまで言いたくないってことは……。千江府のことだったり……」
「ちっ、違うもん!!違うったら違うもん!!」
「はぁ。分かった。アイツのことなんだな?」
「違うもん……」
何かに納得したような表情をした後に、カツヒトはシズを解放していた。
俺には全くわからない二人のやり取りに、割って入ることも出来ずただ見ていることしか出来なかった俺は、モヤモヤがムカムカに変わっていたが、それをどうすることも出来なかった。
そう言って、必死に否定しているカツヒトとシズを改めて見た俺は、なんとなく何があったのか理解し始めていた。
明らかにサイズの合っていないブカブカのシャツを袖を通さない状態で、尚且、全てのボタンを留めていることから、カツヒトが自分のシャツをシズに着せたことが理解できた。
カツヒトの顔が赤いことから、恐らくシズが薄着の状態でいた事に気がついての行動だろう。
そう分かった途端、カツヒトに悪いことをしたという気持ちが俺の中で沸き起こっていた。
「カツヒト……、悪かった。俺の勘違いのようだ……。シズのことを考えた結果の行動だったんだろう?」
「ああそうだよ!!しずが無防備な格好でいたから、自分のシャツをとっさに着せたんだよ!!だから俺は変態なんかじゃない!しずもあの兄弟の言ったことは勘違いの早とちりだから!!」
必死な様子でカツヒトがそう言うと、一歩身を引いた状態だったシズが、不安そうな表情ながらも頷いていた。
「うん……。分かった。かっちゃんは、変態さんなんかじゃない……」
「ああ、そうだ。俺は、変態なんかじゃない。分かってくれればいいよ……。はぁ……」
「うん。そうだね。本当の変態さんは、変態的な行動を徹底的に隠そうとするもんね……」
あぁ……。それはちょっと違うな……。変態には、確かに隠れ変態もいるが、オープンな変態もいるからなぁ。
そんな事を考えながら、俺はふとシズの言葉に違和感を感じていた。
何ていうか、こう……、実感めいた発言だったのだ。
そう、身の回りにそういった人間がいたかのような、実感の籠もった口調だったのだ。
カツヒトも同じ事を考えていたようで、俺と同時に口を開いていた。
「シズ?なんだか、そういった人間が身の回りにいたような口振りなのが気になるんだが……」
「おい……、静弥……。変態の知り合いでもいるかのようなその口振り……」
同時に、似たようなことをシズに問い詰めていた俺とカツヒトはお互いの顔を見合っていた。
「やっぱり、カツヒトは変態だったのか?!」
「おい、しず!!こいつが変態なのか?!」
そして、互いを指差して同時に言い合っていた。
互いに睨み合っていると、シズが慌てて俺とカツヒトを止めていた。
「待って、違うの!!」
「何が違うんだ?」
「何が違うんだよ!」
「二人のことじゃないから!別の人のことだから!!」
「別の人?!」
「別のやつだと!!」
俺とカツヒトが、嘗てないほどのシンクロ具合でシズを問い詰めていると、シズはとっさに顔をそらしていた。
「なっ、何でもないよ!!言い間違いだよ!!変態さんの知り合いなんていないもん!!」
そう言って、シズはぷいっと顔を背けてしまった。
俺は、それ以上問い詰めることが出来なかったが、カツヒトは違っていた。
「静弥、それ!!隠してることがあるだろう!!」
「ないもん!!」
そう言って、シズはさらに顔をぷいっとさせてカツヒトの言葉を否定していた。
しかし、カツヒトも引くことはなかった。
「なら、俺の目を見て同じ事が言えるのかよ?言えないよな?」
「言えるもん……」
そう言ったシズは、少しだけ下唇を噛みながら、上目遣いでカツヒトの目を見つめていた。
「はぁ。やっぱりな。怒らないから」
「やっ!!言わないもん!!」
何か確信していることがあるのか、カツヒトは食い下がっていた。
それでも、シズは否定し続けていた。
気安い感じで、二人にだけ分かる会話をされると、正直面白くなかった。
モヤモヤとした気持ちになっていると、カツヒトがシズに着せたシャツの袖をシズに巻きつけて後ろで縛っていた。
「おい、カツヒト!!それはやり過ぎだ!!」
あまりの仕打ちに、俺はカツヒトを非難したが、カツヒトはそれを無視して、シズの鼻を摘んで言ったのだ。
「言え、じゃないと……。コショコショの刑だぞ?」
「言わないもん!!」
「ふ~ん。コショ」
そう言って、カツヒトはシズの耳の後ろをくすぐった。
すると、シズが少しだけ飛び上がったのが分かった。
「みゃっ!!」
「ほらほら、言わないと次はもっとだぞ?」
カツヒトがそう言うと、シズはぷいっと顔を背けていた。その顔は、唇を噛んで何かを耐えるような表情をしていた。
「たく……。その強情なところ変わんないのな……。でも、言うまでやめない。コショコショ」
「みゃぁぁっ!!」
「しず……。そこまで言いたくないってことは……。千江府のことだったり……」
「ちっ、違うもん!!違うったら違うもん!!」
「はぁ。分かった。アイツのことなんだな?」
「違うもん……」
何かに納得したような表情をした後に、カツヒトはシズを解放していた。
俺には全くわからない二人のやり取りに、割って入ることも出来ずただ見ていることしか出来なかった俺は、モヤモヤがムカムカに変わっていたが、それをどうすることも出来なかった。
141
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる