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第九話 ようこそ!
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ぱちんっ。
軽い音がした後だった。
一瞬の浮遊感を感じたノエルは、ぎゅっと目を閉じる。
「着いたぞ」
ラヴィリオラのその声に、閉じていた目を開けたノエルは、首を傾げてしまう。
「あれ? 内装が……変わってる?」
不思議そうなノエルを見たラヴィリオラは、にやにやとした表情でノエルを見上げるのだ。
「ふふっ。内装どころじゃないぞ!」
そう言ったラヴィリオラは、ノエルの手を引いて、扉の外に飛び出す。
扉の外の光景に、ノエルは目を丸くさせる。
「街並みが……、もしかしてここは、王都じゃないのか……?」
「ふふっ。ようこそ! ここがわたしのホームだ! 通称冒険者の街へようこそだ!」
「えっ? はあ? ええっ?」
ひとしきり驚いたノエルは、最後にはため息を吐くのだ。
「はぁぁ……。ラヴィリオラだしな……。うん、ラヴィリオラのすることだし、気にしたら負けだ」
「なんだよ?」
ノエルのいいように、ラヴィリオラは腰に手を当てて不満そうな表情を作って見せる。
しかし、その表情は一瞬だけで、すぐにいつもの笑顔を見せるのだ。
「ふふ。そんなことよりも、街を案内するよ。それと、ギルドにも顔を出して……。食材の買い出しと……」
「うん。とりあえず、荷物の整理をしてからでかけようか?」
こうして、長期休暇がスタートしたのだ。
荷ほどきをした後に、ラヴィリオラの案内で街を見て回っている間、ノエルは周りからの謎の視線に首を傾げることになる。
何とも言えない、不可解な視線の正体がわからないまま、ラヴィリオラの用事を済ますべく冒険者ギルドに到着していた。
ラヴィリオラは、慣れた様子で建物の中に入っていく。ノエルはその後ろを物珍しそうにしながら続くのだ。
ラヴィリオラが冒険者ギルドの扉を開けた瞬間。何とも言えないざわめきが起こる。
「おい、氷姫だ」
「相変わらずだな」
「うわ……、氷姫」
周囲で起こるざわめきを全く気にも留めないラヴィリオラは、後ろを歩くノエルを振り返り笑顔を見せて言うのだ。
「ここがわたしが世話になっている冒険者ギルドだ。今日は知り合いの職員に挨拶だけして、依頼は後日から……、そうだ、君も一緒に依頼を受けるか?」
「ラヴィリオラ……、もしかして君って、結構有名だったりするのか?」
ノエルがそう聞いたのは、間違いなく周囲の悲鳴のようなざわめきを聞いたからだ。
ラヴィリオラがノエルに微笑んだ瞬間、冒険者ギルド内は様々な悲鳴が上がっていたのだ。
「ぎゃぁーーーー! 鬼が笑ってる……」
「氷姫が笑うなんて、この街の命運は尽きたとでもいうのか……」
「キャー! 笑うとすごく可愛いのね!」
周囲のことなど、どうでもいいラヴィリオラは、ノエルには見せたことのないような冷たい視線を周囲に向ける。
絶対零度のような視線に、ざわめきはすぐに治まる。
そんな空気を破壊するかのような、野太い悲鳴が冒険者ギルド内に響くのだ。
「きゃーーーーー! ラヴィちゃん!! おかえりなさい!! 待ってたんだからね!!」
軽い音がした後だった。
一瞬の浮遊感を感じたノエルは、ぎゅっと目を閉じる。
「着いたぞ」
ラヴィリオラのその声に、閉じていた目を開けたノエルは、首を傾げてしまう。
「あれ? 内装が……変わってる?」
不思議そうなノエルを見たラヴィリオラは、にやにやとした表情でノエルを見上げるのだ。
「ふふっ。内装どころじゃないぞ!」
そう言ったラヴィリオラは、ノエルの手を引いて、扉の外に飛び出す。
扉の外の光景に、ノエルは目を丸くさせる。
「街並みが……、もしかしてここは、王都じゃないのか……?」
「ふふっ。ようこそ! ここがわたしのホームだ! 通称冒険者の街へようこそだ!」
「えっ? はあ? ええっ?」
ひとしきり驚いたノエルは、最後にはため息を吐くのだ。
「はぁぁ……。ラヴィリオラだしな……。うん、ラヴィリオラのすることだし、気にしたら負けだ」
「なんだよ?」
ノエルのいいように、ラヴィリオラは腰に手を当てて不満そうな表情を作って見せる。
しかし、その表情は一瞬だけで、すぐにいつもの笑顔を見せるのだ。
「ふふ。そんなことよりも、街を案内するよ。それと、ギルドにも顔を出して……。食材の買い出しと……」
「うん。とりあえず、荷物の整理をしてからでかけようか?」
こうして、長期休暇がスタートしたのだ。
荷ほどきをした後に、ラヴィリオラの案内で街を見て回っている間、ノエルは周りからの謎の視線に首を傾げることになる。
何とも言えない、不可解な視線の正体がわからないまま、ラヴィリオラの用事を済ますべく冒険者ギルドに到着していた。
ラヴィリオラは、慣れた様子で建物の中に入っていく。ノエルはその後ろを物珍しそうにしながら続くのだ。
ラヴィリオラが冒険者ギルドの扉を開けた瞬間。何とも言えないざわめきが起こる。
「おい、氷姫だ」
「相変わらずだな」
「うわ……、氷姫」
周囲で起こるざわめきを全く気にも留めないラヴィリオラは、後ろを歩くノエルを振り返り笑顔を見せて言うのだ。
「ここがわたしが世話になっている冒険者ギルドだ。今日は知り合いの職員に挨拶だけして、依頼は後日から……、そうだ、君も一緒に依頼を受けるか?」
「ラヴィリオラ……、もしかして君って、結構有名だったりするのか?」
ノエルがそう聞いたのは、間違いなく周囲の悲鳴のようなざわめきを聞いたからだ。
ラヴィリオラがノエルに微笑んだ瞬間、冒険者ギルド内は様々な悲鳴が上がっていたのだ。
「ぎゃぁーーーー! 鬼が笑ってる……」
「氷姫が笑うなんて、この街の命運は尽きたとでもいうのか……」
「キャー! 笑うとすごく可愛いのね!」
周囲のことなど、どうでもいいラヴィリオラは、ノエルには見せたことのないような冷たい視線を周囲に向ける。
絶対零度のような視線に、ざわめきはすぐに治まる。
そんな空気を破壊するかのような、野太い悲鳴が冒険者ギルド内に響くのだ。
「きゃーーーーー! ラヴィちゃん!! おかえりなさい!! 待ってたんだからね!!」
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