最強と言われるパーティーから好きな人が追放されたので搔っ攫うことにしました

バナナマヨネーズ

文字の大きさ
10 / 13

第十話 ともだち

しおりを挟む
「待ってたのよぉ!!」

「ただいま。マーティー」

「あらっ! まあ!! もう、ラヴィちゃんったらぁ」

 ラヴィリオラにマーティーと呼ばれた人物はそう言うと、ラヴィリオラに小声で続けたのだ。
 
「彼ピかしら?」

 マーティーにそう尋ねられたラヴィリオラは、全身を真っ赤にさせて小声で答える。
 
「まだ……」

「ふ~ん」

 そんな二人のやり取りに、完全に蚊帳の外になっていたノエルは、面白くないと感じてしまう。
 不満そうな表情のノエルに、いち早く気が付いたマーティーは、朗らかに笑って手を差し出すのだ。
 
「うふふ。あたしはマーティーよ。ラヴィちゃんのお友達よ」

「ノエルです……」

 差し出された手を戸惑いつつも握ったノエルは、思いのほか強い力で引き寄せられて目を丸くさせた。
 
「大丈夫よ。あたしにはちゃんと愛する彼ピがいるから安心して。ラヴィちゃんとは、仲のいいお友達よ」

 そう言われたノエルは、無言でマーティーを見つめてから無言で頷くのだ。
 ノエルの反応にマーティーの方が、目を丸くさせていた。
 
「あら……。あなたっていい人ね?」

 そう言われたノエルは、何でもないことのように返す。
 
「そういうのって人それぞれだと思いますよ」

「もうっ! いい子なんだから!!」

 感激したようにそう叫んだマーティーは、ラヴィリオラ以外で初めての反応に感激していた。
 マーティーは、人よりも大きな体、褐色の肌、スキンヘッドで、極めつけに趣味で布面積の少ない衣服を着ていた。その外見のせいで初めて会う人には、変な視線を向けられることが多かったが、自分の主義主張を他人によって変えることには抵抗があったのだ。
 その上、恋愛対象が同性ということで、大抵の人間に白い目で見られがちだった。
 それなりの時間を共に過ごせば、その人となりが善人のそれだとわかるが、初見では難しかった。
 ノエルとしては、ラヴィリオラに惚れていなければなんてことはなかったのだ。ただそれだけの話だったのだ。
 
「ノエル。改めて紹介するよ。この人はマーティー。わたしの友達で、ギルド嬢だ。マーティー、彼はノエル・ゾーシモス令息だ。わたしのパーティー仲間だ。長期休暇を一緒に過ごすってことで連れて来た」

 ノエルはマーティーの紹介について一部おかしな部分があったが、それを受け流して改めて挨拶をしていた。
 
「俺のことはノエルでいいですよ」

 ノエルの見事なスルーっぷりに、明るく野太い笑い声をあげたマーティーは、愛嬌のあるウインク顔で答える。
 
「おっけーよ。あたしのこともマーティーでいいわ。よろしくね」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります

奏音 美都
恋愛
 ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。  そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。  それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです

果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。 幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。 ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。 月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。 パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。 これでは、結婚した後は別居かしら。 お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。 だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。

感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました

九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」 悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。 公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。 「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」 ――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。

身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~

ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。 彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。 ――死んだはずの彼女が、生きている? 同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。 「今さら、逃げ道があると思うなよ」 瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。 秘された皇子と、選び直した愛。 三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?    * * * 後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

処理中です...