錬金術師の恋

バナナマヨネーズ

文字の大きさ
29 / 71
第一部

第29話 空飛ぶ箒再び

しおりを挟む
 夕食の後、明日持っていく物についてリストアップすることにした。
 今、お店に置いている、料理の手間を省くことが出来る人気の調味料をいくつか思い起こす。
 コンソメの素、鶏がらスープの素、ケチャップ、ソース。それから、お店には置いていないけどマヨネーズとお酢。
 お砂糖はどうしようかしら?一応少量持っていこう。
 そうだ、ロジエルさんとジョエルさんに砂糖のこと相談してみようかな?

 調味料はこれくらいにして、やっぱりお米は必要だよね。
 それから、チーズとジャムとパンも焼いて行こう。
 そうだ、バターもいるよね。う~ん。後は普通に買えるものばかりだよね?

 じゃぁ、次は女の子のために、シャンプーとコンディショナーとトリートメント。
 さらに、化粧水と乳液に保湿クリームも用意しなくちゃ。

 お店の在庫を見ると少し足りないような気がしたので、いくつか追加で作成しよう。
 準備をしていると、駆君が工房に様子を見にやってきた。

「結構、大荷物になったな」
「うん。女の子用の荷物がすごいことになっちゃった。なんか、あれやこれやと考えている内にね」
「女子達、きっと喜ぶよ」
「うん!」
「準備もいいけど、そろそろ休めよ?」
「うん。大体準備も出来たから、お風呂いただいてから寝るよ」
「そうしな。俺とタイガは先に入ったから、ゆっくりつかれよ」

 そういって、駆君は自室に戻って行った。私も、お風呂に入ったらすぐに寝なくちゃね。明日は、いつもより早起きしてパンを焼かないとね。



 ◆◇◆◇




 さて、持っていくパンはロールパンとクロワッサンで良いかしら?パン生地は昨日のうちに作ってあるので後は形成して焼くだけ。
 まきまき、おりおりとそれぞれ形を作って、業務用オーブン(仮)に入れる。
 実は、常連客の皆さんからのリクエストでたまにお店でパンを焼いて出しているのよね。最初は、オーブンレンジ(仮)で作っていたのだけれど、もっと大きなオーブンが欲しいと思い、大きなオーブンを作ることにしたんだけど、結構大変だったのよね。
 思考が逸れてしまったけど、パンを焼いている間にクッキーも焼くことにした。まだ、カカオもしくはそれに類似したものと巡り合えていないため、チョコレートが作れないのよね。
 なので、オーソドックスなバタークッキーとジャムクッキー、それとナッツクッキーの三種類を作った。
 そうしている内に、二人が起きてきたので、焼きたてのパンとふわふわオムレツとオレンジサラダと野菜スープで朝食にした。

 朝食後、手分けして家事を片づけた後に、タイガ君はお店へ、私と駆君はお城に向かうことにした。

 荷物は大きな木箱二つ分になった。一つは駆君が持って、もう一つは私が持つと言ったところで、駆君にストップをかけられた。

「二つとも俺が持つ。小春にこんな重い荷物持たせる訳にはいかない」
「大丈夫だよ」
「いや、無理だ。俺が二つ重ねて持つから」
「それじゃ、前が見えなくて危ないよ!それに、私が行く意味がないよ」
「小春は、パンだけ持ってくれればいいから」
「大丈夫なの、私に考えがあるから!」

 そう言って、以前見せた箒を見せた。

「まさか……」
「そのまさかだよ!」
「いやいやいや」

 私は、前に映画で見た魔女が箒に乗って配達をするアニメを見たことを思い出し今回の計画を思いついたのだ。
 木箱を縄でしっかりと縛ってから、その縄を箒の柄に通す。タイガ君のアドバイスに従い横乗りの状態で浮くことをイメージした。
 すると、縛られた木箱も一緒に浮いた。

「ねっ!大丈夫でしょ!駆君の歩調に合わせて低空飛行するから問題ないよ!どや~」
「分かったから、それとドヤ顔しているつもりだと思うけど、(可愛いだけで)出来てないから。口に出しただけでは、ドヤ顔にはなりませんから」
「えっ!そうなの?」
「それじゃ、いくぞ」
「そうだね。タイガ君いってきます」
「二人とも、いってらっしゃ~い」



 ◆◇◆◇




 駆君の歩調は速かったため、思いの外早くお城に着いた。

 門のところに立っていた男の人が、一瞬驚いた表情を塩ていたけど、それに構わずに、駆君が門番の男の人に声をかけた。
 
「勇者(笑)からの依頼で商品を売りに来た。勇者(笑)にそう言えば伝わるので伝言をお願いします」

 事前に話が通っていたのか、門番の男の人は、「こちらにどうぞ」と言ってすぐに中に通してくれた。

 失礼かもとは思いつつ、荷物を運ぶには飛ぶしかないので箒に乗ったまま案内について行った。
 通されたのは、広い会議室と思われる部屋だった。荷物を降ろして、私自身も箒から降りてから周りを見回した。
 クラスメイト達の他に何故か、ジョエルさんとロジエルさんがいた。
 二人も私が居ることが意外だったのか、驚いた表情でやってきた。

「小春さんが来るとは思いませんでした」
「駆君一人で持つには大荷物ですしね」
「小春君、そっ、その―――」
「ロジエル、その話は後にしなさい。まずは、荷物の買い取りからですよ」
「あぁ、こいつらは城で面倒見てるんだったな。そうなると、支払いは宰相がするって訳か。でも、筆頭錬金術師のあんたまでなんでいるんだ?」
「それは、小春さんのお店扱っている商品を持ってくると聞いて―――」
「是非、小春君の作ったものを同じ錬金術師として見たかったから、同席を願い出たんですよ。出だしから面白そうな物に乗って登場したので、ワクワクが最高潮ですよ!!」
「ロジエル、ちょっと黙っていてください」

 そんなやり取りをしていると、様子を見ていたクラスメイト達の中から、高遠君ともう一人の男子が近づいてきた。
 駆君が、こそっと教えてくれたのだけれど、もう一人は高田君だと教えてくれた。話には聞いていたけど高田君、
すごく痩せていて心配だわ。

「よう!早速ありがとう。清水さん?もありがとう。ところでその―――」

 高遠君が何かを言いかけた時、駆君が高頭君の方に近づいた。そう思ったら何故か、ジョエルさんが私の前に立って耳をふさいできた。ジョエルさんは少ししたら耳をふさいでいた手を退けてくれた。
 何だったんだろうと思い再び、高遠君を見ると、こめかみや額が赤くなっていた。それに他のクラスメイトは少し青い顔をしていた。どうしたんだろう?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

巻き込まれて死亡?!神様、責任とってくださいね?

紅子
恋愛
新作のゲームの為に創った魔法陣に魅入られた神様の眷族のせいで、死んじゃった私。別の世界で残りの生を消化しないと、永遠を流離うって、酷くありませんか?剣と魔法の世界で生き残るなんて出来る気がしません。私、一見、平和そのものなあの世界の住人ですよ?原因を作った眷族をつけてくれる?それなら、なんとか・・・・?はぁ、永遠を流離うくらいなら、眷族と一緒になんとか生き残れるように頑張ります! 毎日00:00に更新します。 完結済み R15は、念のため。 自己満足の世界につき、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

対人恐怖症のメンダーと辺境の騎士 ~この恋は、世界のほころびを繕う~

Moonshine
恋愛
辺境の地・ディトマスの第6要塞の制服管理課で、一人の働く女の子がいた。 彼女の名前はドルマ。仕事はこの要塞で働く騎士達の制服の繕い物だ。 ドルマは対人恐怖症で誰とも話をしない。だがドルマが繕った制服を纏うと、ほんの少しだけ戦闘の時に運が良くなると騎士達の間で評判なのだ。 辺境の防衛責任者として、毎年多くの犠牲者に胸を痛めていた辺境伯の息子・マティアスは、第6要塞にはその年一人も犠牲者が出ていない事に着目して、覆面調査を始める。 小さな手仕事が紡ぐ、静かな恋物語。

処理中です...