68 / 71
第二部
第68話 ご先祖様ぁぁ……
しおりを挟む
「それと、少女よ。お前は我の嫁にする。魔王にはやらん」
とんでもない話を、さらにややこしくする発言はやめて欲しい。それに嫁って……。
「殿、小春さんは市様の血筋の可能性もあります。その場合は仕来たり通りに……」
「無理だ。嫌だ。ありえないな。我はこの少女が気にいった」
「はぁ、殿。あって間もないのに何を――」
「ほれ、可愛かろう」
そう言って、殿様は勝手に私の前髪をかきあげた。突然目の前がクリアになって、私は硬直してしまった。
「ほれほれ、その邪魔な眼帯も外してしまえ。どこも怪我などしておらんだろう?我は、お前のすべてが見たい――っと、物騒な番犬だのぅ」
「ちっ、外した」
何が起こったのか分からないけど、殿様は私から離れてくれた。駆君は、右手を殿様の方に向けて舌打ちをした。
「ですから、小春さんが美少女で気にいったとしても、市様の血筋なら生贄になっていただかなければ―――」
えっ?今真田さん。生贄って言ったような?私は自分の耳を疑った。だって、生贄って……。
「おい、どういうことだ!!」
「ほれほれ、真田が余計なことを言うから番犬が吠える吠える」
「殿が、話をややこしくしているだけです!!黙っていてください!!」
「我のせいにするな。お前が墓穴を掘っただけだ」
「黙っててください。はぁ。私の説明不足でした。命を取ろうという訳ではないのです。仕来たりで、市様の血筋の方が現れた時は、信長公が封印されている要石に赴いていただき、その魂を鎮め、浄化していただくことになっているのです」
「それだったら、小春は無関係だな。何しろ、俺達はお前達とは別の日本から召喚されたんだから」
そう、駆君の言う通り。私達は、真田さん達とは違う日本から召喚されたのよ。だから、お姫様の血縁がいたとしても、別のお姫様ということになる。
「いえ、無関係ではありません。記録によると、家臣達と市様がこの島に逃げ延び国を作って数年後、市様のお孫さまにあたる方が西の国の惨状を聞いて、責任を感じてなのか出奔されてしまったのです。その際、その方について行った者から、不定期に文が届いていたそうで、その後についてある程度記録に残っているのですが、その方が西の国にわたられて何世代か後に生まれたお子様が、西の国に結界を張り、国を守ったそうです。更に、理由は分かりませんが、その方は異世界。つまり、日本に渡ったということなのです」
「それなら、俺達のいた日本じゃない並行世界の日本に言ったと考えるのが普通だろう?」
「いえ、小春さん達の日本に渡ったという可能性が高いんです」
「なぜだ?」
「今までの召喚で、私達のいた日本から召喚された者が一人もいないからです」
「たまたまじゃないか?」
「私達もそう思っていましたが、昔の研究者がある仮説を立てました。それは、私達の世界の日本は、信長公の暴走の影響で消滅したのではないかと。それならば、今までの召喚で、誰ひとりいなかったことにも納得がいく。そのことから、並行世界の日本に、市様の子孫が渡ったという話に繋がるのですよ」
「さっきから、記録にあると言っていたが、ステイル聖王国と東の国で手紙のやりとりなんて、今ならありかも知れなが、昔は難しいんじゃないか?」
「はい。市様のお孫さまについて行った者は、人ではないのです。市様の力で生み出された、あやかしがお供について行ったようなのです。なので、あやかしの力で不定期ではありますが、報告がされていたようなのです。更に、日本に渡った時に、あやかしも着いて行ったようで、一度だけ連絡があり、渡った先の日本は、市様の望んだ方の日本だったと」
真田さんの話を聞いて、私達は無言になった。だって、この話って、魔の森が出来た原因が、織田信長って事だよね。
私達の世界の織田信長ではないと言っても、無関係とは言い切れないよ。今までは、無関係な私達がこっちに呼ばれて、被害者のように考えていたけど、本当はこっちが加害者だったってことじゃない。
「ほれほれ、そんなに深く考えなくてもよいのだ。小春は、我の嫁だからな。我が、小春を守り、幸せにするぞ。安心して、我に身を委ねればよい。嫁を守るのは当然のこと」
「殿……」
「小春は、市姫の子孫で間違いない。その証拠がその眼帯だ。見たところ、目を患っているわけでもないというのに、その眼帯。つまり何か隠したい事がある。この世界で隠したい事となれば、色違いの瞳しかなかろう」
「小春さん、それは本当ですか!!」
殿様の推理力……。ただの変な人じゃなかったのね。というか、普通見ただけで目が悪くないなんて分からないと思うんだけど?
「それは……」
「我には、分かるのだ。小春の動きから、最近眼帯を付け始めたことがな。それに、目を患っている様子もないしの。となればじゃ」
「はぁ。当たってます」
「小春!!」
「小春さん!!」
「二人ともいいの。それに、今の話が本当だとすると私の先祖の問題ってことになる訳だし。その前に、何んでこの目が子孫の証拠になるのか聞いても?」
「それは、市姫、さらにその子供達が色違いの瞳をしていたからだ。もっというと、異世界に渡った者も色違いの目をしていたのだ」
「そうですか……。それで、生贄ってどうしたら?」
「小春!お前が悪いわけじゃない!!」
「小春さんがそこまでする必要はないです!!」
「まぁまぁ、聞くだけだよ。だって、私死ぬ気なんてないし。それで、生贄って具体的に何をするの?」
「小春は我の嫁になるのだから、知る必要はない」
「嫁になることは絶対にないので安心してください。それで、真田さん何をすればいいんですか?」
「具体的なことは分かりません。ただ、信長公を封印した要石に何かをすればいいとだけしか記録が残っていません」
なんだろう、何をしたらいいのか分からないって、大事なところが抜けてて記録の意味って……。それに、どこから生贄の話が出たんだろう?
「あの~。元をただせば、どこから生贄の話が出てきたんですか?」
「すみません。説明が抜けていましたね。先ほど、市様のお孫様が西の国の惨状を聞いて出奔したとお話しましたが、その当時信長公を封印した影響か、西の国で魔物の被害が拡大していたそうです。結局、お孫様は市様のような力をお持ちではなかったので、何かをすることはできなかったようですが、その何代かあとのお子様が、力を持って生まれたようで、後に聖女と言われる存在になったようです。また、その際に、信長公を浄化されようとしたそうなのですが、力及ばずだったそうで、辛うじて結界と結界を維持する力の継承をしたようです。更に、世界を渡る前に有事の際に自分の血筋を呼び寄せるための召喚の術を残したそうですが、今まで血筋の者が召喚された様子はないですね。ただ、召喚の副作用としてなのか、何らかの力を持った者が現れて、今までは事なきを得ていたようです。と、言うのが残された記録と、今まで西の国を監視していた結果からの推測です」
「大体の事情は分かりました。最後に一つ疑問が……」
「はい。なんでしょうか?」
「魔の森の原因を作っておいて、ステイル聖王国に協力するでもなく、静観していたのはなぜですか?」
「そっ、それは……」
「ぶっちゃけて言うと、先祖がした事とはいえそんなことばれれば、大変なことになるからの、常に監視し状況を打破できそうならそれとなく協力して……。まぁ、海があるからうちに被害もないし、昔のことだしの!」
「おっ、お馬鹿ーーー!!!隠ぺい最悪!!最低よ!!」
はあ。でも、元をたどれば、別の世界とはいえ、私のご先祖様がやらかしている訳だし、しりぬぐいはしないといけないわね。
「はぁ。いまさら、こんなこと言っても、混乱を招くだけなのは分かったわ。だけど、ステイル聖王国では死活問題なの。こうなったら、サクッと解決して平和な世の中にするわ。いえ、してみせるわ!!!」
ああ、自由を満喫するための旅が……。二日目で台無しってどういうこと?
とんでもない話を、さらにややこしくする発言はやめて欲しい。それに嫁って……。
「殿、小春さんは市様の血筋の可能性もあります。その場合は仕来たり通りに……」
「無理だ。嫌だ。ありえないな。我はこの少女が気にいった」
「はぁ、殿。あって間もないのに何を――」
「ほれ、可愛かろう」
そう言って、殿様は勝手に私の前髪をかきあげた。突然目の前がクリアになって、私は硬直してしまった。
「ほれほれ、その邪魔な眼帯も外してしまえ。どこも怪我などしておらんだろう?我は、お前のすべてが見たい――っと、物騒な番犬だのぅ」
「ちっ、外した」
何が起こったのか分からないけど、殿様は私から離れてくれた。駆君は、右手を殿様の方に向けて舌打ちをした。
「ですから、小春さんが美少女で気にいったとしても、市様の血筋なら生贄になっていただかなければ―――」
えっ?今真田さん。生贄って言ったような?私は自分の耳を疑った。だって、生贄って……。
「おい、どういうことだ!!」
「ほれほれ、真田が余計なことを言うから番犬が吠える吠える」
「殿が、話をややこしくしているだけです!!黙っていてください!!」
「我のせいにするな。お前が墓穴を掘っただけだ」
「黙っててください。はぁ。私の説明不足でした。命を取ろうという訳ではないのです。仕来たりで、市様の血筋の方が現れた時は、信長公が封印されている要石に赴いていただき、その魂を鎮め、浄化していただくことになっているのです」
「それだったら、小春は無関係だな。何しろ、俺達はお前達とは別の日本から召喚されたんだから」
そう、駆君の言う通り。私達は、真田さん達とは違う日本から召喚されたのよ。だから、お姫様の血縁がいたとしても、別のお姫様ということになる。
「いえ、無関係ではありません。記録によると、家臣達と市様がこの島に逃げ延び国を作って数年後、市様のお孫さまにあたる方が西の国の惨状を聞いて、責任を感じてなのか出奔されてしまったのです。その際、その方について行った者から、不定期に文が届いていたそうで、その後についてある程度記録に残っているのですが、その方が西の国にわたられて何世代か後に生まれたお子様が、西の国に結界を張り、国を守ったそうです。更に、理由は分かりませんが、その方は異世界。つまり、日本に渡ったということなのです」
「それなら、俺達のいた日本じゃない並行世界の日本に言ったと考えるのが普通だろう?」
「いえ、小春さん達の日本に渡ったという可能性が高いんです」
「なぜだ?」
「今までの召喚で、私達のいた日本から召喚された者が一人もいないからです」
「たまたまじゃないか?」
「私達もそう思っていましたが、昔の研究者がある仮説を立てました。それは、私達の世界の日本は、信長公の暴走の影響で消滅したのではないかと。それならば、今までの召喚で、誰ひとりいなかったことにも納得がいく。そのことから、並行世界の日本に、市様の子孫が渡ったという話に繋がるのですよ」
「さっきから、記録にあると言っていたが、ステイル聖王国と東の国で手紙のやりとりなんて、今ならありかも知れなが、昔は難しいんじゃないか?」
「はい。市様のお孫さまについて行った者は、人ではないのです。市様の力で生み出された、あやかしがお供について行ったようなのです。なので、あやかしの力で不定期ではありますが、報告がされていたようなのです。更に、日本に渡った時に、あやかしも着いて行ったようで、一度だけ連絡があり、渡った先の日本は、市様の望んだ方の日本だったと」
真田さんの話を聞いて、私達は無言になった。だって、この話って、魔の森が出来た原因が、織田信長って事だよね。
私達の世界の織田信長ではないと言っても、無関係とは言い切れないよ。今までは、無関係な私達がこっちに呼ばれて、被害者のように考えていたけど、本当はこっちが加害者だったってことじゃない。
「ほれほれ、そんなに深く考えなくてもよいのだ。小春は、我の嫁だからな。我が、小春を守り、幸せにするぞ。安心して、我に身を委ねればよい。嫁を守るのは当然のこと」
「殿……」
「小春は、市姫の子孫で間違いない。その証拠がその眼帯だ。見たところ、目を患っているわけでもないというのに、その眼帯。つまり何か隠したい事がある。この世界で隠したい事となれば、色違いの瞳しかなかろう」
「小春さん、それは本当ですか!!」
殿様の推理力……。ただの変な人じゃなかったのね。というか、普通見ただけで目が悪くないなんて分からないと思うんだけど?
「それは……」
「我には、分かるのだ。小春の動きから、最近眼帯を付け始めたことがな。それに、目を患っている様子もないしの。となればじゃ」
「はぁ。当たってます」
「小春!!」
「小春さん!!」
「二人ともいいの。それに、今の話が本当だとすると私の先祖の問題ってことになる訳だし。その前に、何んでこの目が子孫の証拠になるのか聞いても?」
「それは、市姫、さらにその子供達が色違いの瞳をしていたからだ。もっというと、異世界に渡った者も色違いの目をしていたのだ」
「そうですか……。それで、生贄ってどうしたら?」
「小春!お前が悪いわけじゃない!!」
「小春さんがそこまでする必要はないです!!」
「まぁまぁ、聞くだけだよ。だって、私死ぬ気なんてないし。それで、生贄って具体的に何をするの?」
「小春は我の嫁になるのだから、知る必要はない」
「嫁になることは絶対にないので安心してください。それで、真田さん何をすればいいんですか?」
「具体的なことは分かりません。ただ、信長公を封印した要石に何かをすればいいとだけしか記録が残っていません」
なんだろう、何をしたらいいのか分からないって、大事なところが抜けてて記録の意味って……。それに、どこから生贄の話が出たんだろう?
「あの~。元をただせば、どこから生贄の話が出てきたんですか?」
「すみません。説明が抜けていましたね。先ほど、市様のお孫様が西の国の惨状を聞いて出奔したとお話しましたが、その当時信長公を封印した影響か、西の国で魔物の被害が拡大していたそうです。結局、お孫様は市様のような力をお持ちではなかったので、何かをすることはできなかったようですが、その何代かあとのお子様が、力を持って生まれたようで、後に聖女と言われる存在になったようです。また、その際に、信長公を浄化されようとしたそうなのですが、力及ばずだったそうで、辛うじて結界と結界を維持する力の継承をしたようです。更に、世界を渡る前に有事の際に自分の血筋を呼び寄せるための召喚の術を残したそうですが、今まで血筋の者が召喚された様子はないですね。ただ、召喚の副作用としてなのか、何らかの力を持った者が現れて、今までは事なきを得ていたようです。と、言うのが残された記録と、今まで西の国を監視していた結果からの推測です」
「大体の事情は分かりました。最後に一つ疑問が……」
「はい。なんでしょうか?」
「魔の森の原因を作っておいて、ステイル聖王国に協力するでもなく、静観していたのはなぜですか?」
「そっ、それは……」
「ぶっちゃけて言うと、先祖がした事とはいえそんなことばれれば、大変なことになるからの、常に監視し状況を打破できそうならそれとなく協力して……。まぁ、海があるからうちに被害もないし、昔のことだしの!」
「おっ、お馬鹿ーーー!!!隠ぺい最悪!!最低よ!!」
はあ。でも、元をたどれば、別の世界とはいえ、私のご先祖様がやらかしている訳だし、しりぬぐいはしないといけないわね。
「はぁ。いまさら、こんなこと言っても、混乱を招くだけなのは分かったわ。だけど、ステイル聖王国では死活問題なの。こうなったら、サクッと解決して平和な世の中にするわ。いえ、してみせるわ!!!」
ああ、自由を満喫するための旅が……。二日目で台無しってどういうこと?
3
あなたにおすすめの小説
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
婚約破棄された没落寸前の公爵令嬢ですが、なぜか隣国の最強皇帝陛下に溺愛されて、辺境領地で幸せなスローライフを始めることになりました
六角
恋愛
公爵令嬢アリアンナは、王立アカデミーの卒業パーティーで、長年の婚約者であった王太子から突然の婚約破棄を突きつけられる。
「アリアンナ! 貴様との婚約は、今この時をもって破棄させてもらう!」
彼の腕には、可憐な男爵令嬢が寄り添っていた。
アリアンナにありもしない罪を着せ、嘲笑う元婚約者と取り巻きたち。
時を同じくして、実家の公爵家にも謀反の嫌疑がかけられ、栄華を誇った家は没落寸前の危機に陥ってしまう。
すべてを失い、絶望の淵に立たされたアリアンナ。
そんな彼女の前に、一人の男が静かに歩み寄る。
その人物は、戦場では『鬼神』、政務では『氷帝』と国内外に恐れられる、隣国の若き最強皇帝――ゼオンハルト・フォン・アドラーだった。
誰もがアリアンナの終わりを確信し、固唾をのんで見守る中、絶対君主であるはずの皇帝が、おもむろに彼女の前に跪いた。
「――ようやくお会いできました、私の愛しい人。どうか、この私と結婚していただけませんか?」
「…………え?」
予想外すぎる言葉に、アリアンナは思考が停止する。
なぜ、落ちぶれた私を?
そもそも、お会いしたこともないはずでは……?
戸惑うアリアンナを意にも介さず、皇帝陛下の猛烈な求愛が始まる。
冷酷非情な仮面の下に隠された素顔は、アリアンナにだけは蜂蜜のように甘く、とろけるような眼差しを向けてくる独占欲の塊だった。
彼から与えられたのは、豊かな自然に囲まれた美しい辺境の領地。
美味しいものを食べ、可愛いもふもふに癒やされ、温かい領民たちと心を通わせる――。
そんな穏やかな日々の中で、アリアンナは凍てついていた心を少しずつ溶かしていく。
しかし、彼がひた隠す〝重大な秘密〟と、時折見せる切なげな表情の理由とは……?
これは、どん底から這い上がる令嬢が、最強皇帝の重すぎるほどの愛に包まれながら、自分だけの居場所を見つけ、幸せなスローライフを築き上げていく、逆転シンデレラストーリー。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる