準聖女の幼馴染が好きすぎて仕事が手に付かないので、騎士団副団長をやめることにしました

バナナマヨネーズ

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05 兄弟喧嘩の理由はしょうもないことだったそうです(後編)

 表情を引きつらせた後に、視線を泳がせたフィーニスは、空々しく言ったのだ。

「あはは、ボクは別に遊んでいるわけじゃないよ? これも研究の一環で……」

「そうだな、愚弟。これも、自分の趣味の研究の一環だな?」

「ソ、ソンナコトナイヨ? コレモ(もしかしたら)召喚ノ研究ニ繋ガル(かもしれないし)」

「そうか、そうか。お前は、早く始まりの聖女のところあの世にいきたいようだな?」

 唐突に始まった、リム兄弟の口喧嘩だったが、いつものことなので、周りにいた騎士団員達は放っておく事にした。
 メリッサはというと、「二人とも、いつまでも仲が良くていいなぁ」と言った、ちょっと、いや、かなりずれた事を思いながら、二人のことをニコニコしながら見守っていた。

 しかし、その日のリム兄弟はそれぞれ違うベクトルで煮詰まっていたので、いつもよりも口喧嘩は激しいものとなっていた。
 ファニスは、メリッサ成分の圧倒的不足によって。
 フィーニスは、召喚術研究が行き詰っていたことで、思うように始まりの聖女の研究が出来ないことによって。

「なんだよ、兄さんこそメリッサに相手してもらえないからって、ボクに当るのやめて欲しいな? それに、騎士団の人も大変だよね?」

「は?」

「だって、兄さんの八つ当たりで厳しい訓練を課されるなんてさ!!」


 ―――やめてーーーー!! 俺達のことを引き合いに出さないで!!!

 騎士団員達は、まさかフィーニスが自分達のことを引き合いに出してまでファニスに言い返すとは思っていなかった。フィーニスの言葉で団員達はもれなく青い顔をして距離を取っていた。

「は? 何を意味のわからないことを言っているんだ? それに、俺と、メリッサは、その、アレだ!!」

「ふん。無自覚って笑える。ははは。それに、メリッサとアレって? なんだよ?」

「相思相愛だ!!」

 ファニスがそう言った瞬間、フィーニスはメリッサを見た。しかし、メリッサはニコニコした表情で、それが真実なのか表情から読み取ることが出来なかった。
 なので、あろうことかメリッサに確認するという暴挙に出たのだ。

「ねえ、メリッサは兄さんと相思相愛なの?」

 急に話を振られたメリッサはというと。

「えっ? 相思相愛?」

 メリッサの反応で、フィーニスは爆笑。ファニスは、周辺メリッサ以外に殺気を振りまいていた。
 その殺気をモロに受けてしまった者達は、その場で卒倒した。
 フィーニスは、思いっきり爆笑した後に白目をむいて倒れたのだ。

 実は、メリッサは「二人とも仲いいなぁ~」と思いぼーっとしていたら突然話を振られたため、どう返していいのか分からず、あの返答となったのだ。しかし、ファニスはそのことを、知る由もなかった。

 その日、謎の集団気絶があったと、その場にいなかった騎士が、騎士団に報告したことで、さらなる悲劇が起ころうとは誰も思いはしなかっただろう。

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