女王様の言う通り

水道水

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第一章 血の香り

弱き者

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部屋の扉をノックし「入るぞ」と声をかけ扉を開く。

そこには使用人に土下座をさせ叱っていた。
フリュールはというとまるで凍らされたかのように身体を声を何も発せない動けないでいた。


「エルフィン!すまない!使用人が粗相を起こしてだな、少し注意していただけだ!
すぐに部屋から出す!」

思った通りだ。
フリュールは慌てた様子で使用人を部屋から追い出し私に謝罪の言葉を述べた。

少しの注意とはなんだ。
部屋の外まで聞こえる声で大声を出して、使用人を叱っていたではないか。

「構わない。私に用とはなんだ。」

すぐ隣を使用人は慌てて通り過ぎ部屋を出る。

「エルフィン相談があるんだ」

こう言う時は大体YESかNOで決まる内容だ。

「なんだ。」
「べーレルという国から資金補助を頼まれているんだ。
こういう時エルフィンなら一体どうする?」

全く意見のひとつもない。
確かべーレルという国は優れている。
国民も何不自由なく暮らし、兵も弱くは無い。
何故急に資金補助という話があがるのか。
こういう時は純粋に疑問をぶつける。

「何故だ。
べーレルは困ることが無い国だとおもうが」
「新しい兵器の製造に必要らしい、べーレルとは仲が深いので許可したいんだがどうすればいい?」
「もちろん答えはNOだ。有り得ない。
むしろ我々への宣戦布告と受け取ってもいい。」

フリュールはぽかんと口を開けている。
そんなことも分からないのか。
呆れて頭を抱える。

「べーレルが新しい兵器を作ったらどうなると思う?」

あえて質問として投げかけてみた。

「それは我が国ミヒールと親睦が深いからでは?」

こいつの脳みそには蜂蜜でも詰まっているのか

「違う。答えはこうだ。
自らの国を強化しいずれは我が国を攻めいるつもりだ。
最近べーレルの兵力強化に加えて新兵器のために勤しんでる。
その中でミヒールに資金援助を頼むなど、隙をつかれるようなものだ。
資金援助を頼み頭を下げ下手に出ればミヒールには攻撃が来ない、そう思わせる算段だ。」

こんなこと10歳を過ぎればわかるものだ。
いかに甘やかされてきたか目に見える。

「なるほど、べーレルめ、、、
わかった。今回の取引は断る。
エルフィン助かるよ」

そう言って頭を下げた。
いい大人、ましては一国の王が妻に頭を下げている状態など国民には到底見せられない。

「気をつけておけ。
いずれ恐らくべーレルと争う事になるだろう。
その為に兵力、兵器共に鍛えることを怠るなと伝えておけ。」

「わかった。いつもありがとうエルフィン」

柔和な笑顔を見せる。
こいつはいつまで平和ボケしているんだろうか。

「絶対に伝えておけ。
忘れるなよ。そして笑うな。今我が国は狙われる可能性が大いにある。」

「すまない。つい。」

そしてフリュールは両手をもじもじと合わせる。
お前はいつ王としての自覚を持つんだ。
いい加減にしてくれ。

「それで話は以上か?」

「ああ、呼びつけてしまって大変すまない。
僕一人の判断じゃどうしても分からなくて」

「自覚しているなら良い。だが呼びつける時間は考えた方がいい。それでは失礼する」

「ありがとう」

その言葉が聞こえるか聞こえないかの内に
フリュールの部屋を出た。
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