16 / 72
燃えた人形
#4
しおりを挟む
先ほどの女の子が、棚の上にある、写真を見て居た。髪は、長く、彼女の表情は、見えない。だが、感覚としては、伝わってくる…。この、悪寒と、ゾッとする様な、畏怖…。
私の額から、流れる汗は、冷や汗に、変っていた。
「……。」
女の子は、写真を見つつ、何かをぶつぶつと、呟いていた。
それを見て、私は、何も言えないでいた。むしろ、身動き一つ取れない。まるで、金縛りにあったかの様に…。
私は、息を殺し、彼女の声に、集中した。それでも、彼女の言葉は、聞き取ることも、理解することも、出来なかった。
そして、次第に、彼女は、私の、視線に気が付いたのか、こちらに、顔を向けた。
その眼には、白い結膜がなく、黒一色に、染まっていた。当然、光なんてものも、無く。ただ、そこに、黒い穴が、ある様に
感じだった。
私は、それを見て、更に、怯えた。
「麗華…。」
彼女の言葉が、漸く聞こえた。それは、私の名前だった。
何故、私の名前を知っているのか。それが、私には、分からない…。だが、反射的に、私は、身体を動かしていた。
座っていた、椅子を、押し倒し、最短距離で、リビングの入り口に向かった。
ここに居てはいけない…。私は、それを本能的に、理解していた。
玄関に向かい、扉のノブを、動かした。しかし、扉は、動かず、開くことは無かった。鍵が掛かっているわけでも、何かが、つっかえて居る訳でもない。扉自体が、固定されている様な、そんな感じだった…。
「麗華…。」
声の大きさと、影の形からして、近づいてきているのは、分かった。
私は、怯えつつも、その脇を通り、直近くの階段を這いつくばり、二階に上った。そして、一番近場の、自室に立て籠もった。
扉の鍵をかけ、近くにあった、本棚や、机など、重石になりそうな物を、扉の前に置き、更に、施錠を、強固にした。
あの女の子は、一体何だったのだろうか…。私の名を知っていた。それに、リビングにあった、私たち家族の写真を見つめていた…。
もし、あの女の子が、この世の者では、無いのならば、何かしら、私や、私の家族に、何かしら、憎しみや、恨みを持っているのか…。そうだとすれば、何故…。
ドン!
扉が、大きな音を立てて、揺れた。まるで、部屋全体が、大きく揺れている様な、感覚に襲われた。
怖い…。
感情というのは、常に、無茶苦茶だ。冷静になっていたかと思えば、すぐにこの、感覚に、引き戻されてしまう…。この、現実とも、夢とも、捉えられない、何とも曖昧な世界では、最も、重要な情報源だ。
私の額から、流れる汗は、冷や汗に、変っていた。
「……。」
女の子は、写真を見つつ、何かをぶつぶつと、呟いていた。
それを見て、私は、何も言えないでいた。むしろ、身動き一つ取れない。まるで、金縛りにあったかの様に…。
私は、息を殺し、彼女の声に、集中した。それでも、彼女の言葉は、聞き取ることも、理解することも、出来なかった。
そして、次第に、彼女は、私の、視線に気が付いたのか、こちらに、顔を向けた。
その眼には、白い結膜がなく、黒一色に、染まっていた。当然、光なんてものも、無く。ただ、そこに、黒い穴が、ある様に
感じだった。
私は、それを見て、更に、怯えた。
「麗華…。」
彼女の言葉が、漸く聞こえた。それは、私の名前だった。
何故、私の名前を知っているのか。それが、私には、分からない…。だが、反射的に、私は、身体を動かしていた。
座っていた、椅子を、押し倒し、最短距離で、リビングの入り口に向かった。
ここに居てはいけない…。私は、それを本能的に、理解していた。
玄関に向かい、扉のノブを、動かした。しかし、扉は、動かず、開くことは無かった。鍵が掛かっているわけでも、何かが、つっかえて居る訳でもない。扉自体が、固定されている様な、そんな感じだった…。
「麗華…。」
声の大きさと、影の形からして、近づいてきているのは、分かった。
私は、怯えつつも、その脇を通り、直近くの階段を這いつくばり、二階に上った。そして、一番近場の、自室に立て籠もった。
扉の鍵をかけ、近くにあった、本棚や、机など、重石になりそうな物を、扉の前に置き、更に、施錠を、強固にした。
あの女の子は、一体何だったのだろうか…。私の名を知っていた。それに、リビングにあった、私たち家族の写真を見つめていた…。
もし、あの女の子が、この世の者では、無いのならば、何かしら、私や、私の家族に、何かしら、憎しみや、恨みを持っているのか…。そうだとすれば、何故…。
ドン!
扉が、大きな音を立てて、揺れた。まるで、部屋全体が、大きく揺れている様な、感覚に襲われた。
怖い…。
感情というのは、常に、無茶苦茶だ。冷静になっていたかと思えば、すぐにこの、感覚に、引き戻されてしまう…。この、現実とも、夢とも、捉えられない、何とも曖昧な世界では、最も、重要な情報源だ。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
雨が止むとき、人形は眠る
秋初夏生
ホラー
「雨の日に人が突然倒れる」という不可解な事件が、金沢で続発していた。
冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリは調査の末、ひがし茶屋街に佇む老舗の人形店「蓮月堂」へ辿り着く。
そこでは“誰も作った覚えのない人形が、夜ごと少しずつ増えている”という奇妙な噂が立っていた。
病に伏す人形師・桐生誠士は、異変の真相解明を二人に託し、さらに姿を消した元弟子の人形師“斎宮”を探してほしいと願う。
増え続ける人形、曖昧に濁される証言、消えた記録。静かな雨音の下で、隠された想いが少しずつ輪郭を帯びていく。
これは、失ったものを手放せなかった人間の執念が引き起こす、じわじわと心を侵す怪異の物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
洒落にならない怖い話【短編集】
鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。
意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。
隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる