緋色の小刀-ナイフ-

八雲 銀次郎

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燃えた人形

#7

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 思い出した訳では無い…。忘れていなかっただけだった…。私が、まだ、幼稚園の年長組だったころ、碌に乗れない、自転車で、転んだことがあった。幸い頭や、胸を打つことは無かったが、利き手である、右腕の骨に、罅が入り、一週間程、幼稚園を休まされた事がある。
 当時は、友だちは居たものの、一緒に居ると、遊んでしまい、回復が遅れる可能性があったため、お見舞いは、玄関先で、済まされていた。
 遊びたい盛りだった、私は、本当につまらなかったことを、今でも、覚えている。
 そんな生活が、3日程続いた、日の昼下がり、母が、買い物に行き、私は、独りで、留守番をしていた時だ。
 ある女の子が、ウチを訪ねてきた。背丈は、私より、少し、大きいくらいで、長い髪は、ツインテールにしていた。名前も顔も、知らない子だったが、何故か、私は、彼女を、自宅に招き入れた。多分、遊び相手が欲しかったのだろう…。
 そして、件の遊び部屋で、彼女と二人、遊んだ。どんな遊びを、したかまでは、覚えていなかったが、楽しかったのを覚えている。
 彼女は、とても、無口だったが、何故か、考えている事が、似ていたり、やりたいことも一緒だった。
 そして、母が帰ってくるころ、彼女は、フッと姿を消す様に、足早に、家を出て行った。
 私は、その事を、母や父に話したが、眠っていて、夢でも見たのだろうと、それなりにあしらわれた。なぜなら、この家の、近所に、そんな子、居なかったからだ。ましてや、平日の、日中に、独りで、訊ねてくるなんて、まずあり得ない…。今の私だったら、確かに疑問に思う…。
 
 次に、彼女が、現れたのは、それから、更に三日が経ち、明日から、幼稚園にまた、通い始められるとなった日だ。
 私はそれが、嬉しくて、彼女に、それを、話した。少し寂しそうな表情をした、彼女に、私は、改めて、名前を聞いた。
 それで、彼女の表情は、暗くなり、口をキッと窄めた…。
 「名前…。無いの?」
 「…。」彼女は、無言で頷いた。
 「だったら、私が、着ける!えっと~私が、“れいか“だから………」


 「かれん…。」
 私は、ぼそりと、そう呟いた。すると、女の子は、深く頷いた…。
 「そう…。」私は、彼女の方に向き直った…。
 「何となく、理解しました…。私の思っている事が、真実なら、首を縦に振ってください…。
 貴女は、私の“姉”ですか?」
 実は、私が、小4の時に、両親から聞かされたことが、一つあった。
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