12 / 22
おまけその2 ナタリーの末路(ナタリー視点)
しおりを挟む
家庭は、確かに幸せだったけれど、毎日の生活に息抜きがほしかった。
夫は、すごくいい人で真面目で、子育ても積極的に手伝ってくれた。だけれど、なにか、こう日常を忘れるスパイスが欲しかった。
隣人のライアンは、とても見栄えが良かった。夫は背も低いし、お腹も少し出てきて、髪も薄くなってきたから、ライアンと並ぶとみすぼらしい・・・・・・美男美女の隣人が疎ましかったわ。
でも、レティシアに子供ができると、おもしろいぐらいに劣化していった。ライアンは見た目は最高だけれど、夫としては最低なようだった。
私にはいい夫がいるけれど、この隣人のライアンをちょっと借りてもいいんじゃないかしら?
私は、よく集合住宅の廊下ですれ違った、美しいライアンに声をかけた。
「今日も、寒いですねぇーー。こうも、寒いと暖まる飲み物と、温かいぬくもりがほしくなりますよねぇ?」
私は、ちょっと意味深に微笑んでみせた。ライアンは、すぐに、にっこりと笑みをかえしてきて、私を食事に誘った。
急速に仲良くなれたのは、ライアンが軽い男だからだ。けれど、私は、ライアンの中身なんてどうでもいい。中身がいい男はすでに夫にしているのだから。
足りないものを補いたいのよ。ないものは、他から借りて自分の欲望を満たすのは賢いやり方だと思う。
ばれなければ、していないのと同じだわ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ところが、ライアンとの情事が公になった。
離婚になって、子供は二人いるが、夫が引き取ると言い出した。
「もちろん異論はないよな? ナタリーが引き取っても、きっと男を連れ込んだり、子供をほったらかして遊びに行きそうで怖いからね。子供の教育にも良くない」
「普通は母親が引き取るものでしょう?」
「まぁね、普通ならね? でも、君は普通じゃないだろ? 人妻で家庭も幸せだったのに、浮気をしていたのだから」
私は離婚されて、子供にも、二度と会うことができなかった。家を追い出されたうえに、慰謝料も請求されたから、住み込みの雑用女として、貴族のお屋敷で働いた。
少しでも、へまをすると、厳しく叱られて、同僚にもうまく馴染めない。もう、辞めたいと思っていた頃にちょっと、イケメンの馬丁に声をかけられて、私はその男と住むことにした。
「仕事が辛ければ辞めなよ。もっと楽に稼げるところで働けば良いよ」
馬丁が私を連れてきた場所は場末の飲み屋だ。
「はい、これを頭につけて、コスチュームはそっちにあるよ」
私は、渡された衣装を着た。これって・・・・・・ウサギの耳をつけたバニーガールだ。
「その格好で、酒を運んだり、ついだりすればいいだけだよ。大丈夫、ナタリーならできるよ」
馬丁の彼は、にっこりして去って行った。え?ちょっと、待ってよ、私も帰るわ。こんなところにはいられない。
帰ろうとするとキツネ目の人相の悪い男が私の腕を掴んだ。
「逃げてもらっちゃこまるなぁ。もう、三ヶ月分のお給料は、さっきの旦那に渡してあるんだから」
私は、前の夫を思い出して、あの生活に帰りたかった。今になってみると、あの家庭がとても幸せだったことがわかる。なんの心配もなく、笑っていられたあの日々を、私は自分から棄てたんだ。愛でもない、恋でも無い、ただのスパイスの為に・・・・・・
神様・・・・・・お願い、時間を戻して・・・・・・二度と、あんなバカなことはしないから・・・・・・
どんなに願っても、時間はもちろん戻らない。
私は、今日も、酔っ払いに身体をベタベタ触られて、酒臭い息をかけられて、飲みたくもないお酒を飲みつづける・・・・・そして、自宅に帰れば今度は馬丁が酔っ払って私を殴りつけて言うのだった。
「稼ぎが少ないなぁーー! あんな上品な店じゃぁダメだな」
夫は、すごくいい人で真面目で、子育ても積極的に手伝ってくれた。だけれど、なにか、こう日常を忘れるスパイスが欲しかった。
隣人のライアンは、とても見栄えが良かった。夫は背も低いし、お腹も少し出てきて、髪も薄くなってきたから、ライアンと並ぶとみすぼらしい・・・・・・美男美女の隣人が疎ましかったわ。
でも、レティシアに子供ができると、おもしろいぐらいに劣化していった。ライアンは見た目は最高だけれど、夫としては最低なようだった。
私にはいい夫がいるけれど、この隣人のライアンをちょっと借りてもいいんじゃないかしら?
私は、よく集合住宅の廊下ですれ違った、美しいライアンに声をかけた。
「今日も、寒いですねぇーー。こうも、寒いと暖まる飲み物と、温かいぬくもりがほしくなりますよねぇ?」
私は、ちょっと意味深に微笑んでみせた。ライアンは、すぐに、にっこりと笑みをかえしてきて、私を食事に誘った。
急速に仲良くなれたのは、ライアンが軽い男だからだ。けれど、私は、ライアンの中身なんてどうでもいい。中身がいい男はすでに夫にしているのだから。
足りないものを補いたいのよ。ないものは、他から借りて自分の欲望を満たすのは賢いやり方だと思う。
ばれなければ、していないのと同じだわ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ところが、ライアンとの情事が公になった。
離婚になって、子供は二人いるが、夫が引き取ると言い出した。
「もちろん異論はないよな? ナタリーが引き取っても、きっと男を連れ込んだり、子供をほったらかして遊びに行きそうで怖いからね。子供の教育にも良くない」
「普通は母親が引き取るものでしょう?」
「まぁね、普通ならね? でも、君は普通じゃないだろ? 人妻で家庭も幸せだったのに、浮気をしていたのだから」
私は離婚されて、子供にも、二度と会うことができなかった。家を追い出されたうえに、慰謝料も請求されたから、住み込みの雑用女として、貴族のお屋敷で働いた。
少しでも、へまをすると、厳しく叱られて、同僚にもうまく馴染めない。もう、辞めたいと思っていた頃にちょっと、イケメンの馬丁に声をかけられて、私はその男と住むことにした。
「仕事が辛ければ辞めなよ。もっと楽に稼げるところで働けば良いよ」
馬丁が私を連れてきた場所は場末の飲み屋だ。
「はい、これを頭につけて、コスチュームはそっちにあるよ」
私は、渡された衣装を着た。これって・・・・・・ウサギの耳をつけたバニーガールだ。
「その格好で、酒を運んだり、ついだりすればいいだけだよ。大丈夫、ナタリーならできるよ」
馬丁の彼は、にっこりして去って行った。え?ちょっと、待ってよ、私も帰るわ。こんなところにはいられない。
帰ろうとするとキツネ目の人相の悪い男が私の腕を掴んだ。
「逃げてもらっちゃこまるなぁ。もう、三ヶ月分のお給料は、さっきの旦那に渡してあるんだから」
私は、前の夫を思い出して、あの生活に帰りたかった。今になってみると、あの家庭がとても幸せだったことがわかる。なんの心配もなく、笑っていられたあの日々を、私は自分から棄てたんだ。愛でもない、恋でも無い、ただのスパイスの為に・・・・・・
神様・・・・・・お願い、時間を戻して・・・・・・二度と、あんなバカなことはしないから・・・・・・
どんなに願っても、時間はもちろん戻らない。
私は、今日も、酔っ払いに身体をベタベタ触られて、酒臭い息をかけられて、飲みたくもないお酒を飲みつづける・・・・・そして、自宅に帰れば今度は馬丁が酔っ払って私を殴りつけて言うのだった。
「稼ぎが少ないなぁーー! あんな上品な店じゃぁダメだな」
12
あなたにおすすめの小説
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。
毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。
世界の現実は、理不尽で残酷だ――平等など存在しない
鷹 綾
恋愛
「学園内は、身分に関係なく平等であるべきです」
その“正義”が、王国を崩しかけた。
王太子ルイスは、貴族学院で平民出身の聖女マリアがいじめられたと信じ、
婚約者である公爵令嬢アリエノール・ダキテーヌを断罪し、婚約破棄を宣言する。
だが――
たとえそれが事実であったとしても、
それは婚約破棄の正当な理由にはならなかった。
貴族社会において、婚約とは恋愛ではない。
それは契約であり、権力であり、国家の均衡そのものだ。
「世界は、残酷で不平等なのです」
その現実を理解しないまま振るわれた“善意の正義”は、
王太子の廃嫡、聖女の幽閉、王家と公爵家の決定的な断絶を招く。
婚約破棄は恋愛劇では終わらない。
それは、国家が牙を剥く瞬間だ。
本作は、
「いじめられたという事実があっても、それは免罪符にはならない」
「平等を信じた者が、最も残酷な結末に辿り着く」
そんな現実を、徹底して描く。
――これは、ざまぁではない。
誰も救われない、残酷な現実の物語である。
※本作は中世ヨーロッパをモデルにしたフィクションです。
学園制度・男女共学などは史実とは異なりますが、
権力構造と政治的判断の冷酷さを重視して描いています。
---
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる