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それぞれの末路
17 反省できなかったイアン(イアン視点)
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俺は子種がないのか?・・・・・・そんなはずはないと思っても・・・・・・改めて王家お抱えの医者に調べられたら、やっぱりないと言われた。鉱山に行く前に、そんな事実をわざわざ知らせるなんて、王妃陛下も人が悪いよ。
連れて行かれた鉱山は灼熱地獄だ。なんでこんなところで働かなければいけないのだっけ? 5人ひと部屋の雑魚寝で幸い俺はブサイクだったから襲われないで済んだが、男しかいないここは寝込みを男に襲われることもある怖いところだ。
自分に子種がないくせに嫁を責めて愛人を作り、屋敷にまで連れ込み子供を産ませようとした極悪人と言われた俺。跡継ぎになる子供を作ろうとイシド伯爵家に貢献しようとしただけなのに! 自分の罪を毎晩思って反省しようとするけれど、それが鉱山で働けなければならないほどの重い罪なのか納得できない。
こんなのはおかしいって断言できるさ!
逃げるんだ! ここを逃げて、くだらない慰謝料なんて払わねーぞ!
1年も働いて我慢も限界だった俺は、休憩時間に看守の隙を見て全力で駆けて、馬車の荷台に身を潜めた。まんまと逃げ出せた俺は、路地裏を住処にするようになった。
そのうち、あの王妃陛下に感謝するようになった。だって、子供ができないなら女とやっても大丈夫なんだろう?妊娠させられないってある意味パラダイスかも!!
路地裏は犯罪の宝庫だ。夜はやりたい放題だよ。でも、殺人はしないし無理矢理強姦なんてしていない。ただ、ちょっと脅してお金を少しだけ恵んでもらいだけさ。
ある日どうしてもそそる女がいたから、殴って暗がりに引っ張り込もうとしたその時・・・・・・屈強な男に半殺しにされるまで殴られて路地裏に捨てられた。
「お前のような男は死んでしまえ!」
去っていくその男に、他の男達がシーザー騎士団長殿と呼びかけていた。あぁ、あんなふうにかっこいい男に産まれたかったな。そうか、俺の罪は俺をブサイクに産んだ母親の罪だな・・・・・・綺麗な男は得だよ。なにもしなくてもモテるんだろ?
しばらくして、本物の悪党達がやってきた。俺はズルズルと馬車に乗せられる。
「まだ、こいつ生きてるし健康そうだな。きっと隅々まで売れるよなぁ」
「あぁ、病気で困っているお金持ちに新鮮な臓器が提供できる」
「へっへへ。今日は運がよかったなぁ」
待ってくれよ・・・・・・まさか・・・・・・これって・・・・・・悪かったよ。今こそ、俺は猛烈に反省する。アメリア、兄上、母上、助けて! 兄上・・・・・・酷いよ・・・・・・昔はあんなに仲が良かったのに。
ꕤ୭*
――鉱山ではーー
「看守長様。あいつ、なんでわざと逃がしたんですか?」
「あぁ、あいつの兄貴が逃がしてやってくれって金をもってきたからさ。弟を心配したんだろうなぁ」
「はぁーー、んじゃ、あいつは今頃まっとうに暮しているんですね」
「さぁな。そこまでは知らねーーよ。ただ、兄貴の思いやりがあだになってなけりゃいいけどな」
連れて行かれた鉱山は灼熱地獄だ。なんでこんなところで働かなければいけないのだっけ? 5人ひと部屋の雑魚寝で幸い俺はブサイクだったから襲われないで済んだが、男しかいないここは寝込みを男に襲われることもある怖いところだ。
自分に子種がないくせに嫁を責めて愛人を作り、屋敷にまで連れ込み子供を産ませようとした極悪人と言われた俺。跡継ぎになる子供を作ろうとイシド伯爵家に貢献しようとしただけなのに! 自分の罪を毎晩思って反省しようとするけれど、それが鉱山で働けなければならないほどの重い罪なのか納得できない。
こんなのはおかしいって断言できるさ!
逃げるんだ! ここを逃げて、くだらない慰謝料なんて払わねーぞ!
1年も働いて我慢も限界だった俺は、休憩時間に看守の隙を見て全力で駆けて、馬車の荷台に身を潜めた。まんまと逃げ出せた俺は、路地裏を住処にするようになった。
そのうち、あの王妃陛下に感謝するようになった。だって、子供ができないなら女とやっても大丈夫なんだろう?妊娠させられないってある意味パラダイスかも!!
路地裏は犯罪の宝庫だ。夜はやりたい放題だよ。でも、殺人はしないし無理矢理強姦なんてしていない。ただ、ちょっと脅してお金を少しだけ恵んでもらいだけさ。
ある日どうしてもそそる女がいたから、殴って暗がりに引っ張り込もうとしたその時・・・・・・屈強な男に半殺しにされるまで殴られて路地裏に捨てられた。
「お前のような男は死んでしまえ!」
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しばらくして、本物の悪党達がやってきた。俺はズルズルと馬車に乗せられる。
「まだ、こいつ生きてるし健康そうだな。きっと隅々まで売れるよなぁ」
「あぁ、病気で困っているお金持ちに新鮮な臓器が提供できる」
「へっへへ。今日は運がよかったなぁ」
待ってくれよ・・・・・・まさか・・・・・・これって・・・・・・悪かったよ。今こそ、俺は猛烈に反省する。アメリア、兄上、母上、助けて! 兄上・・・・・・酷いよ・・・・・・昔はあんなに仲が良かったのに。
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「あぁ、あいつの兄貴が逃がしてやってくれって金をもってきたからさ。弟を心配したんだろうなぁ」
「はぁーー、んじゃ、あいつは今頃まっとうに暮しているんですね」
「さぁな。そこまでは知らねーーよ。ただ、兄貴の思いやりがあだになってなけりゃいいけどな」
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