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IF コメディ調ハッピーエンド(オーラ視点)
IF
オーラ視点
私はオーラ。ベネディクト商会の一人娘で貴族ではないが裕福な家の一人娘だ。年頃になってたくさんの縁談が舞い込んだけれど、どれもぱっとしない男性ばかり。もっと騎士様のように鍛えられた肉体で貴族様のように上品な顔の男性がいたら最高なのに。
ある日お父様が川岸で倒れている怪我だらけの男性を発見。屋敷に連れ帰り看病をまかせられた。彼に一目ぼれをした私は誠心誠意尽くして看病をした。これほど美しく品のある男性なんて今まで見たことがなかったから。
彼の身体を惚れ惚れとして見ながら汚れた身体を濡れたタオルで拭きとる。服のポケットに入った懐中時計の扉に女性の肖像画が見えた。それはまだ少女のような顔立ちながらも素晴らしい美貌の女性でドレスもとても贅沢なものだった。
きっと婚約者だろう。そんなことはすぐにピンときたけれど、懐中時計はそっと自分のポケットにしまい込んだ。来る日も来る日も看病した成果で彼の瞼がゆっくりとあき、その美しいアクアマリンの瞳が私を映し出した。
「お名前は? あなたはなぜ怪我だらけで倒れていたのですか?」
そんな私の質問にも首を傾げて自分の名前すらわからないと言った。
これはチャンスだ。名前も思い出せないならあの女性のことだって忘れているわ。だったら婚約者なんていないのと同じ。
催淫効果のある香水を身につけて彼の世話をするようになった。段々と打ち解けていき父の仕事も手伝うようになった彼と親密な関係になるのに時間はかからなかった。
私はこの男性と結婚、けれど彼は途中で王女殿下の護衛騎士だったことだけを思い出したのだった。
まさかあの肖像画は王女殿下?
不安は的中し私は今・・・・・・ウィンザー公爵様(王女殿下)の夫の愛人におさまっている。これは私が望んだ幸せの形なんかじゃない。
あのウィンザー女公爵が夫のことを嫌いにならないかしら。あの方が夫に愛想を尽かせば万事は解決するのに。なぜか私の頭はその結論をはじき出し、これ以上いい案はないと思い込むようになった。
私が王女殿下に命を狙われていると夫に思わせる
↓
夫は王女殿下を責める
↓
王女殿下はやってもいないことで責められて呆れる
↓
王女殿下は夫に愛想を尽かす
とても素晴らしい作戦だと思った。ちなみに私の学生時代の成績は下の上だ。
私はせっせと自分の身体に傷をつけたわ。
「オーラ! その傷や火傷はどの侍女からされたのだい? 隠さなくても良い。王女殿下が指示したのだろう。それか忖度ということなのだろう・・・・・・」
ある日、アルフィー様はそう私に尋ねるようになった。
「それは言えません。これは単なる事故ですわ。ちょっと手が滑ってお茶をこぼすのはよくあることですし、肌の手入れの際の毛そりのカミソリもうっかりということはありますから。王女殿下を責めないでください」
私は涙を溜めてうな垂れた。こんなときはしおらしいふりをしなけれないけないわ。
含みを持たせて曖昧な表現も大事!
そして私を診察した医師には王女殿下に意見をするように仕向け、夫もそのあたりにいるようにセッテイング。案の定、王女殿下を責めるようなことを言ったらしい。愛人を庇って何の証拠もなく責めるアルフィー様は王女殿下にとってはどんな夫に映るかしら?
加えて、別邸にいそいそとやって来てにこやかに微笑むアルフィー様を見せつけるために、離れでは本邸から見えやすい庭園にいつまでもいて一家団らんの様子を見せつけていた。
さらに屋上庭園のフェンスに傷をつけたのは私が落ちるふりをするつもりだったから。真夜中にこっそりすこしづつ刻みつけていた傷はもうすぐ良い具合になるはず。私はそこでアルフィー様と二人っきりで散歩をする予定だ。そして見事に落ちそうになる演技をかまし、アルフィー様に縋り付くのだわ。
私のその時の決めぜりふはこれだ。
「王女殿下は恐ろしい人ですね」
あとはアルフィー様が勝手に察して王女殿下に抗議をするだろう。
アルフィー様が私をとても大事にしていて王女殿下を少しも信頼していないと
王女殿下に感じさせる必要がある。王女殿下がアルフィー様を嫌いになればいい。
目標は計画とは全く違う経緯をたどりながらもこのように達成された。
アルフィー様はあのフェンスに手をかけて落ちそうになり王女殿下がその手をつかみ命をかけてたすけようとし、一緒に落ちていくと思われたその瞬間、私が王女殿下の手をつかんだのだ。
「離しなさいよ。あなたまで落ちるじゃない! この一世一代の恋に邪魔をしないで!」王女殿下は私におっしゃったけれど私は意地でも離さない!
「嫌です! ここで離したらアルフィー様はあなたに持って行かれちゃいます。子供がいるんです! 彼はもうあなたの麗しい恋人じゃないんです。目を覚ましてください! アルフィー様は今ではコブ付きのおやじなんですよっ!!」
そこからは護衛騎士やらたくさんの使用人達が協力してアルフィー様と王女殿下を引きあげた。
「あっはははは。ふふふふ。おっかしいわねぇ~~。あっははは! 確かにオーラの言う通りだわ! 私ったらなにをくだらないことに時間をかけていたのかしら。この人はもうコブ付きのおじさんだわね。私の恋人だった彼はもういないんだわ。私の恋人はもうとっくに死んでいたわ」
王女殿下は引きあげられながらも泣き笑いをしていた。
「アルフィー様に恋い焦がれていた私もたった今死んだわ。あなた方は明日にでもこの屋敷を出て行っていいわ」
王女殿下はアルフィー様とお揃いの指輪をその壊れたフェンスの下に投げ落とした。
まるでつきものが落ちたような王女殿下は、その後数々の浮名を流し年下の超絶イケメン騎士様と再婚したらしい。
「失恋したら空を見上げましょう。だって男性は星の数ほどいるのよ」
と言ったかどうかは知らないが、生まれ変わった王女殿下は人が変わったように明るく前向きだったとか。
それからこのジョージア国では失恋するとお揃いの指輪を空中庭園から捨てる風習ができた。終わった悲しい恋は指輪と共に捨てれば良い。
私はベネディクト商会に戻り夫と仕事に精を出して働いている。そしてほどほどに幸せだ。そうそう、彼は今頃になって王女殿下のことを思い出したらしいのよ。
「僕は王女殿下の婚約者の勇者だった」
長男にそう漏らしたそうだ。
「お母様、お父様の言った話は本当なの?」
真剣な口調で聞く長男に私は答えた。
「男性は皆そうよ。ちなみに王女殿下は愛しい女性という意味よ」
まぁ、間違ってはいないわよね?
完
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
コメディ調ハッピーエンド?なのかな
もやっと劇場、これにておしまい(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾です
オーラ視点
私はオーラ。ベネディクト商会の一人娘で貴族ではないが裕福な家の一人娘だ。年頃になってたくさんの縁談が舞い込んだけれど、どれもぱっとしない男性ばかり。もっと騎士様のように鍛えられた肉体で貴族様のように上品な顔の男性がいたら最高なのに。
ある日お父様が川岸で倒れている怪我だらけの男性を発見。屋敷に連れ帰り看病をまかせられた。彼に一目ぼれをした私は誠心誠意尽くして看病をした。これほど美しく品のある男性なんて今まで見たことがなかったから。
彼の身体を惚れ惚れとして見ながら汚れた身体を濡れたタオルで拭きとる。服のポケットに入った懐中時計の扉に女性の肖像画が見えた。それはまだ少女のような顔立ちながらも素晴らしい美貌の女性でドレスもとても贅沢なものだった。
きっと婚約者だろう。そんなことはすぐにピンときたけれど、懐中時計はそっと自分のポケットにしまい込んだ。来る日も来る日も看病した成果で彼の瞼がゆっくりとあき、その美しいアクアマリンの瞳が私を映し出した。
「お名前は? あなたはなぜ怪我だらけで倒れていたのですか?」
そんな私の質問にも首を傾げて自分の名前すらわからないと言った。
これはチャンスだ。名前も思い出せないならあの女性のことだって忘れているわ。だったら婚約者なんていないのと同じ。
催淫効果のある香水を身につけて彼の世話をするようになった。段々と打ち解けていき父の仕事も手伝うようになった彼と親密な関係になるのに時間はかからなかった。
私はこの男性と結婚、けれど彼は途中で王女殿下の護衛騎士だったことだけを思い出したのだった。
まさかあの肖像画は王女殿下?
不安は的中し私は今・・・・・・ウィンザー公爵様(王女殿下)の夫の愛人におさまっている。これは私が望んだ幸せの形なんかじゃない。
あのウィンザー女公爵が夫のことを嫌いにならないかしら。あの方が夫に愛想を尽かせば万事は解決するのに。なぜか私の頭はその結論をはじき出し、これ以上いい案はないと思い込むようになった。
私が王女殿下に命を狙われていると夫に思わせる
↓
夫は王女殿下を責める
↓
王女殿下はやってもいないことで責められて呆れる
↓
王女殿下は夫に愛想を尽かす
とても素晴らしい作戦だと思った。ちなみに私の学生時代の成績は下の上だ。
私はせっせと自分の身体に傷をつけたわ。
「オーラ! その傷や火傷はどの侍女からされたのだい? 隠さなくても良い。王女殿下が指示したのだろう。それか忖度ということなのだろう・・・・・・」
ある日、アルフィー様はそう私に尋ねるようになった。
「それは言えません。これは単なる事故ですわ。ちょっと手が滑ってお茶をこぼすのはよくあることですし、肌の手入れの際の毛そりのカミソリもうっかりということはありますから。王女殿下を責めないでください」
私は涙を溜めてうな垂れた。こんなときはしおらしいふりをしなけれないけないわ。
含みを持たせて曖昧な表現も大事!
そして私を診察した医師には王女殿下に意見をするように仕向け、夫もそのあたりにいるようにセッテイング。案の定、王女殿下を責めるようなことを言ったらしい。愛人を庇って何の証拠もなく責めるアルフィー様は王女殿下にとってはどんな夫に映るかしら?
加えて、別邸にいそいそとやって来てにこやかに微笑むアルフィー様を見せつけるために、離れでは本邸から見えやすい庭園にいつまでもいて一家団らんの様子を見せつけていた。
さらに屋上庭園のフェンスに傷をつけたのは私が落ちるふりをするつもりだったから。真夜中にこっそりすこしづつ刻みつけていた傷はもうすぐ良い具合になるはず。私はそこでアルフィー様と二人っきりで散歩をする予定だ。そして見事に落ちそうになる演技をかまし、アルフィー様に縋り付くのだわ。
私のその時の決めぜりふはこれだ。
「王女殿下は恐ろしい人ですね」
あとはアルフィー様が勝手に察して王女殿下に抗議をするだろう。
アルフィー様が私をとても大事にしていて王女殿下を少しも信頼していないと
王女殿下に感じさせる必要がある。王女殿下がアルフィー様を嫌いになればいい。
目標は計画とは全く違う経緯をたどりながらもこのように達成された。
アルフィー様はあのフェンスに手をかけて落ちそうになり王女殿下がその手をつかみ命をかけてたすけようとし、一緒に落ちていくと思われたその瞬間、私が王女殿下の手をつかんだのだ。
「離しなさいよ。あなたまで落ちるじゃない! この一世一代の恋に邪魔をしないで!」王女殿下は私におっしゃったけれど私は意地でも離さない!
「嫌です! ここで離したらアルフィー様はあなたに持って行かれちゃいます。子供がいるんです! 彼はもうあなたの麗しい恋人じゃないんです。目を覚ましてください! アルフィー様は今ではコブ付きのおやじなんですよっ!!」
そこからは護衛騎士やらたくさんの使用人達が協力してアルフィー様と王女殿下を引きあげた。
「あっはははは。ふふふふ。おっかしいわねぇ~~。あっははは! 確かにオーラの言う通りだわ! 私ったらなにをくだらないことに時間をかけていたのかしら。この人はもうコブ付きのおじさんだわね。私の恋人だった彼はもういないんだわ。私の恋人はもうとっくに死んでいたわ」
王女殿下は引きあげられながらも泣き笑いをしていた。
「アルフィー様に恋い焦がれていた私もたった今死んだわ。あなた方は明日にでもこの屋敷を出て行っていいわ」
王女殿下はアルフィー様とお揃いの指輪をその壊れたフェンスの下に投げ落とした。
まるでつきものが落ちたような王女殿下は、その後数々の浮名を流し年下の超絶イケメン騎士様と再婚したらしい。
「失恋したら空を見上げましょう。だって男性は星の数ほどいるのよ」
と言ったかどうかは知らないが、生まれ変わった王女殿下は人が変わったように明るく前向きだったとか。
それからこのジョージア国では失恋するとお揃いの指輪を空中庭園から捨てる風習ができた。終わった悲しい恋は指輪と共に捨てれば良い。
私はベネディクト商会に戻り夫と仕事に精を出して働いている。そしてほどほどに幸せだ。そうそう、彼は今頃になって王女殿下のことを思い出したらしいのよ。
「僕は王女殿下の婚約者の勇者だった」
長男にそう漏らしたそうだ。
「お母様、お父様の言った話は本当なの?」
真剣な口調で聞く長男に私は答えた。
「男性は皆そうよ。ちなみに王女殿下は愛しい女性という意味よ」
まぁ、間違ってはいないわよね?
完
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
コメディ調ハッピーエンド?なのかな
もやっと劇場、これにておしまい(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾です
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