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3 エステバンのお兄様は騎士団長
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ここセント・アリアナ学園は貴族の子女が通い、爵位とは切り離した友情が築ける貴重な学び舎だった。私はその教室で休み時間に大きなため息を三度もついた。
「どうしたんのさ? 浮かない顔をして」
同じクラスのエステバンが暗い顔をしている私に度々聞いてくる。
「こっちは深刻な悩みを抱えているのよ。貴男みたいなオラン侯爵家のお気楽次男坊にはわからないのよ」
私は不敬な言葉を言うけれど、彼はにこにこしている。そう、彼はどうやら私に気があるようだった。このエステバンは、少し小太りの冴えない同級生だったけれど心根の優しい男子だ。
「ねぇ。もしも酷く殴られている綺麗な女性がいて、助けてほしいと言ったらエステバンはどうする?」
私はじっと彼の瞳を見つめて真剣な面持ちで尋ねた。
「助けたいと思うかなぁ。その女性が理由もなく殴られているとしたら、放ってはおけないよね。ただ、僕は基本的に人と争うことは好まない・・・・・・」
「あのね、その女性って私のお姉様なのよ! 両親は頼りにならないわ・・・・・・エステバンは侯爵家でしょう? だったらスラエ侯爵家とどちが家格が上?」
「スラエ侯爵家? あぁ、それはオラン侯爵家の方が力があるかな。だって、僕のお祖母様は先王の妹だもん」
「え! なんでそんな大事なことを早く言わないのよ!」
「だって、聞かれなかったし・・・・・・お祖母様が王女だからって僕は僕だし。それに次男だからオラン侯爵家は継げないしね」
「今日、エステバンの屋敷に行ったらだめ? そのお祖母様と会えないかな?」
「お祖母様は静養で隣国にいるんだけれど、10日後には戻ってくるよ。僕の兄上に相談したらいいんじゃないかな。兄上は騎士団長だし正義感の塊だよ?」
「ねぇ、ちなみにお兄様は独身?」
私は楽しい計画を思いついた。お姉様のように綺麗な素敵な女性は、あんなクズのスラエ侯爵とは別れて、もっと素敵な男性と結婚しなおすべきだわ!
「うん、独身だよ。ちなみに婚約者もいないんだ。恋愛結婚したいんだって! あ、僕も恋愛結婚したい。うちの両親もそうだからね」
「うん、うん。そこはわかったわ。じゃぁ、お兄様に会わせてよ!」
「いいよ。オラン侯爵家に招待しよう」
エステバンが笑った。なんか可愛い笑顔でキュンときた。エステバンをもう少し痩せさせようかな。そしたらきっと・・・・・・うふふ。
お姉様、待っていて! 絶対、助けだすわ!
「どうしたんのさ? 浮かない顔をして」
同じクラスのエステバンが暗い顔をしている私に度々聞いてくる。
「こっちは深刻な悩みを抱えているのよ。貴男みたいなオラン侯爵家のお気楽次男坊にはわからないのよ」
私は不敬な言葉を言うけれど、彼はにこにこしている。そう、彼はどうやら私に気があるようだった。このエステバンは、少し小太りの冴えない同級生だったけれど心根の優しい男子だ。
「ねぇ。もしも酷く殴られている綺麗な女性がいて、助けてほしいと言ったらエステバンはどうする?」
私はじっと彼の瞳を見つめて真剣な面持ちで尋ねた。
「助けたいと思うかなぁ。その女性が理由もなく殴られているとしたら、放ってはおけないよね。ただ、僕は基本的に人と争うことは好まない・・・・・・」
「あのね、その女性って私のお姉様なのよ! 両親は頼りにならないわ・・・・・・エステバンは侯爵家でしょう? だったらスラエ侯爵家とどちが家格が上?」
「スラエ侯爵家? あぁ、それはオラン侯爵家の方が力があるかな。だって、僕のお祖母様は先王の妹だもん」
「え! なんでそんな大事なことを早く言わないのよ!」
「だって、聞かれなかったし・・・・・・お祖母様が王女だからって僕は僕だし。それに次男だからオラン侯爵家は継げないしね」
「今日、エステバンの屋敷に行ったらだめ? そのお祖母様と会えないかな?」
「お祖母様は静養で隣国にいるんだけれど、10日後には戻ってくるよ。僕の兄上に相談したらいいんじゃないかな。兄上は騎士団長だし正義感の塊だよ?」
「ねぇ、ちなみにお兄様は独身?」
私は楽しい計画を思いついた。お姉様のように綺麗な素敵な女性は、あんなクズのスラエ侯爵とは別れて、もっと素敵な男性と結婚しなおすべきだわ!
「うん、独身だよ。ちなみに婚約者もいないんだ。恋愛結婚したいんだって! あ、僕も恋愛結婚したい。うちの両親もそうだからね」
「うん、うん。そこはわかったわ。じゃぁ、お兄様に会わせてよ!」
「いいよ。オラン侯爵家に招待しよう」
エステバンが笑った。なんか可愛い笑顔でキュンときた。エステバンをもう少し痩せさせようかな。そしたらきっと・・・・・・うふふ。
お姉様、待っていて! 絶対、助けだすわ!
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