婚約破棄は2回までー元婚約者と親友がいちゃつくなか、私はさらにハイスペックな男性に溺愛される。

青空一夏

文字の大きさ
5 / 8

アイラは多分、もともと敵?

しおりを挟む

普通科と魔法科、騎士科は授業や教室は基本的には分かれている。

でも、共通の科目があって、大きな教室に移動して合同で授業をうけることも少なくない。

アイラはいつもサイラスを右にセオドル王子を左に、前にはダカールで後ろにはカーシンという貴公子達に囲まれた席の真ん中に座っている。

「やれやれ、まるで女王バチだわね」
同じ魔法科のソフィアがつぶやくと、私の隣にいるナタリーが強くうなずいている。

アイラがサイラスに体を近づけ耳元でなにか囁いているのが見える。

サイラスの腕に触るアイラ、アイラに優しい目を向けるサイラス。

そして必ず、合同授業のあとにされる噂は、私がアイラのノートを破いたとか、テキストを隠したとか。




お昼になって、魔法科のみんなと学食に移動した。

ソフィアとナタリーが私の隣に座り、マイケルはナタリーの前に座ってランチを食べる。

「ジュースをとってくるね」
私はおかわりのジュースを持ってこようと席をたち、少し離れた場所にあるジュースのピッチャーが並んでいるテーブルに向かう。そして、アイラがぶつかってきた。

「いやだぁーーージュースがこぼれちゃった。ドレスもびちゃびちゃよーーひどいわ!わざとぶつかるなんて!!」
アイラはピンクの大きな目に涙をいっぱい溜めている。

「え?あなたがぶつかってきたのでしょう?」

「えぇーーーひどいーーーーー」
アイラは泣きながらセオドル王子たちのところに走って行く。

4大貴公子たちは私を睨み付け悪口をいっているみたい。

そして、セオドル王子が私の方に歩いてくる。かなり怒っているようだ。


「ジュースはオレンジでいい?」
後ろからオレンジジュースが入っているコップを二つ持ったディラン様が来てふわりと微笑んだ。

「はい。ありがとうございます」

「早く食べよう。さぁ、おいで」
手をつないでくれて、席に戻ると、ナタリーはほっとしたような顔をしていた。

「あぁーーー本気で殴りたい!!」
ナタリーがブツブツと言っているのをマイケルが青ざめてなだめていた。

ディラン様はすごく黒い笑顔を浮かべて私の前に座っている。



セオドル王子はいったん引き返したようだが、今度はダカーリと一緒にやって来た。

「今、わざとアイラにぶつかったな!アイラに謝れ!」
セオドル王子がダカーリと一緒に私に忌々しそうな目を向ける。

「ふっ。ダカーリ・チキン!英雄とうたわれる騎士団長の息子が運悪くぶつかってジュースをこぼした女の子同士の些細ないざこざに首を突っ込むのかい? それと、セオドル王子、君の婚約者はポージだ。庇う相手が違うだろう?」

赤い目の中にはっきりとメラメラと揺れる炎が見える。炎の上級魔法使いのディラン様は怒るとこうなるみたい。
私はその綺麗な目にみとれていた。

彫刻のような綺麗な顔立ちだがたまに見せる表情は少し悪魔的?でも、いつもは朗らかで余裕がある顔をしている。

ディラン様といると安心できる。


炎の上級魔法使いの筆頭公爵嫡男の怒りを感じて、ダカーリはすぐに回れ右をして席に戻っていく。


「こ、今回だけは見逃してやる!以後、気をつけるように」
セオドル王子はもごもごと言って去って行った。


でも、アイラはなんであんなに変わったのだろう?

変わったのではないのかもしれない。

もともとは今みたいな子で前のアイラが嘘なのかしら?

アイラは私がもとから本当は嫌いだったのかしら?

いろいろ考えたけどもう疲れてしまった。

人の心のなかは誰にもわからないが、行動と目を見れば、どう思われているかは想像がつく。








卒業パーティの前日、最後の学園の授業の日に、セオドル王子が放課後、魔法科の教室にやってきた。

「明日の卒業パーティはエスコートできない。すまないね。」
セオドル王子が、ブロンドの長い髪を王子様らしくなびかせて、颯爽とはいってきた。

「はい、かしこまりました」

「ふーーん。それなら、俺がエスコートしてもかまわないよねぇー?」
背後からディラン様が、黒い笑顔で微笑んでいた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

早く恋人関係になりたい ~もう二度と婚約破棄はしない

青の雀
恋愛
学園の卒業パーティで、生まれた時から決まっていた公爵令嬢サファイヤ嬢との婚約を破棄してしまった。そして、俺は、男爵令嬢オパールと婚約したが、浪費家で妃教育も投げ出すアホ女だった。国政や外交に支障をきたしていた時、サファイヤ嬢は、従兄弟マクロスと婚約し、支え、やがて従兄弟マクロスに王太子の座を奪われてしまう。俺は、廃嫡されアホ女は逃げ、平民落ちになった。 立太子の礼が終わり、剣の模範試合で、相手の剣が鳩尾に刺さった時、気を失って倒れてしまった。その時に前世の記憶を思い出してしまった。 アホ女のデマに惑わされず、今度こそ婚約者を守り抜く王太子のお話です。

堕とされた悪役令嬢

芹澤©️
恋愛
「アーリア・メリル・テレネスティ。今日を持って貴様との婚約は破棄する。今迄のレイラ・コーストへの数々の嫌がらせ、脅迫はいくら公爵令嬢と言えども見過ごす事は出来ない。」 学園の恒例行事、夏の舞踏会場の真ん中で、婚約者である筈の第二王子殿下に、そう宣言されたアーリア様。私は王子の護衛に阻まれ、彼女を庇う事が出来なかった。

婚約破棄ならもうしましたよ?

春先 あみ
恋愛
リリア・ラテフィール伯爵令嬢の元にお約束の婚約破棄を突き付けてきたビーツ侯爵家嫡男とピピ男爵令嬢 しかし、彼等の断罪イベントは国家転覆を目論む巧妙な罠!?…だったらよかったなぁ!! リリアの親友、フィーナが主観でお送りします 「なんで今日の今なのよ!!婚約破棄ならとっくにしたじゃない!!」 ……… 初投稿作品です 恋愛コメディは初めて書きます 楽しんで頂ければ幸いです 感想等いただけるととても嬉しいです! 2019年3月25日、完結致しました! ありがとうございます!

【完結】待ち望んでいた婚約破棄のおかげで、ついに報復することができます。

みかみかん
恋愛
メリッサの婚約者だったルーザ王子はどうしようもないクズであり、彼が婚約破棄を宣言したことにより、メリッサの復讐計画が始まった。

婚約破棄ですか? ならば慰謝料を請求いたします

樹里
恋愛
わたくしはあなたのお気持ちに寄り添おうと最大限努力してまいりました。 けれどそれがあなたの最終決断ですか。 ならば、わたくしは――あなたに慰謝料を請求いたします。 ※三話完結です。

人の話を聞かない婚約者

夢草 蝶
恋愛
 私の婚約者は人の話を聞かない。

婚約破棄ってしちゃダメって習わなかったんですか?

みやび
恋愛
政略に基づく婚約を破棄した結果

婚約者の不倫相手は妹で?

岡暁舟
恋愛
 公爵令嬢マリーの婚約者は第一王子のエルヴィンであった。しかし、エルヴィンが本当に愛していたのはマリーの妹であるアンナで…。一方、マリーは幼馴染のアランと親しくなり…。

処理中です...