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18 二人の恋を応援したい国王と伯父
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「カラハン第一王子殿下、体質改善をなさったら良いのです。アナスターシアがカラハン第一王子を鍛えてさしあげなさい。それから、滋養があり体質改善を促す食事内容も考えてさしあげるのだ。アナスターシアは食物の栄養についても研究していたろう? 大事なカラハン第一王子殿下には長生きしてもらわねば困るであろう?」
「伯父様、とても良い考えですわ。本当にその通りで、大事なカラハン様には長生きしてもらいたいです! カラハン様、私たち共に白髪が生えるまで元気に長生きしましょうね!」
カラハン第一王子はすっかり感動してしまい、言葉にならない。ただ嬉しそうに微笑んでいた。これで3度目の愛の告白になっていることに、もちろんアナスターシアは気づいていなかった。
「ところで、ドラゴニウムを原料とした防御服の開発はゴルボーン王国とフォードハム王国に大いなる利益をもたらしそうだな。私の姪は本当に頭が良い」
あまりにもアナスターシアがカラハン第一王子に愛の告白をするので、少しだけ寂しい気持ちになってしまったマッキンタイヤー公爵は話題を変えることにした。すっかり娘を嫁に出す父親のような気分になってしまったのだ。
「ダメですわ、伯父様。そんなに大々的に生産したらいけません。秘密にやるのです。公にたくさん生産すれば悪人たちもそれを手にするでしょう? これは私の大事な人たちだけが知っていて、着れば良いのですわ。伯父様とカラハン様だけです」
いつもの天使のようなアナスターシアの笑みが、今回ばかりは不敵な笑みに変わっていたが、マッキンタイヤー公爵は豪快に笑った。
「ふむ。天使のような優しい気持ちだけでは大事な人は守れない。確かにその通りだ。これは私たちだけの秘密だ」
マッキンタイヤー公爵は賢いアナスターシアの頭を撫でた。自分もしっかり大事な人のなかに入っていたので、すっかり機嫌をよくしていたのだ。
「カラハン第一王子殿下。しばらくマッキンタイヤー公爵家に滞在なさってください。アナスターシアも喜ぶ。王都からは距離があるが、これからは頻繁にこちらに立ち寄ってください。国王陛下には私からご報告しておきます。我が家には特別な伝書鳩がいますから、早速二人のことを報告します」
マッキンタイヤー公爵はフットマンにカラハン第一王子や側近たちの部屋を用意するように命令した。また、アナスターシアにはカラハン第一王子に庭園を案内するように言い、自分は国王に上申する手紙を書くため執務室に向かった。マッキンタイヤー公爵はアナスターシアの恋をなんとしても叶えたかったのだ。
国王への手紙には、カラハン第一王子とアナスターシアが両思いであることが綴られた。この二人の結婚を許してもらえるのであれば、カラハン第一王子を心から支え、この国を今以上に盛り立てていくよう尽力を惜しまない、とも書き添えた。
重要な任務を背負った伝書鳩はマッキンタイヤー公爵家お抱えの錬金術士が手を加えた鳩であった。通常の鳩ではなしえない速度で飛び、疲れることもない。マッキンタイヤー公爵の望む相手に正確に情報を伝え、返事を持ち帰ることができた。
アナスターシアとカラハン第一王子が庭園の散歩を済ませ、サロンで談笑する頃には、伝書鳩は国王からの手紙をもってマッキンタイヤー公爵のもとに戻っていた。
このような経緯で、マッキンタイヤー公爵は楽しい秘密を国王と共有するようになった。その秘密とはアナスターシアが16歳になった時に盛大な婚約パーティを開くということだった。愛し合う二人へのサプライズはこの時から準備が始められた。国王はカラハン第一王子を、マッキンタイヤー公爵はアナスターシアを溺愛していたので、親バカよろしくこの二人はこれ以降、伝書鳩で頻繁に連絡し合う仲になった。
そんなわけで、カラハン第一王子は国王の許可を得て、マッキンタイヤー公爵家にしばらく留まることになった。マッキンタイヤー公爵家で体質改善に努めるようとの王命であったが、二人が一緒にいられるようにとの配慮も込められていたのだった。
「伯父様、とても良い考えですわ。本当にその通りで、大事なカラハン様には長生きしてもらいたいです! カラハン様、私たち共に白髪が生えるまで元気に長生きしましょうね!」
カラハン第一王子はすっかり感動してしまい、言葉にならない。ただ嬉しそうに微笑んでいた。これで3度目の愛の告白になっていることに、もちろんアナスターシアは気づいていなかった。
「ところで、ドラゴニウムを原料とした防御服の開発はゴルボーン王国とフォードハム王国に大いなる利益をもたらしそうだな。私の姪は本当に頭が良い」
あまりにもアナスターシアがカラハン第一王子に愛の告白をするので、少しだけ寂しい気持ちになってしまったマッキンタイヤー公爵は話題を変えることにした。すっかり娘を嫁に出す父親のような気分になってしまったのだ。
「ダメですわ、伯父様。そんなに大々的に生産したらいけません。秘密にやるのです。公にたくさん生産すれば悪人たちもそれを手にするでしょう? これは私の大事な人たちだけが知っていて、着れば良いのですわ。伯父様とカラハン様だけです」
いつもの天使のようなアナスターシアの笑みが、今回ばかりは不敵な笑みに変わっていたが、マッキンタイヤー公爵は豪快に笑った。
「ふむ。天使のような優しい気持ちだけでは大事な人は守れない。確かにその通りだ。これは私たちだけの秘密だ」
マッキンタイヤー公爵は賢いアナスターシアの頭を撫でた。自分もしっかり大事な人のなかに入っていたので、すっかり機嫌をよくしていたのだ。
「カラハン第一王子殿下。しばらくマッキンタイヤー公爵家に滞在なさってください。アナスターシアも喜ぶ。王都からは距離があるが、これからは頻繁にこちらに立ち寄ってください。国王陛下には私からご報告しておきます。我が家には特別な伝書鳩がいますから、早速二人のことを報告します」
マッキンタイヤー公爵はフットマンにカラハン第一王子や側近たちの部屋を用意するように命令した。また、アナスターシアにはカラハン第一王子に庭園を案内するように言い、自分は国王に上申する手紙を書くため執務室に向かった。マッキンタイヤー公爵はアナスターシアの恋をなんとしても叶えたかったのだ。
国王への手紙には、カラハン第一王子とアナスターシアが両思いであることが綴られた。この二人の結婚を許してもらえるのであれば、カラハン第一王子を心から支え、この国を今以上に盛り立てていくよう尽力を惜しまない、とも書き添えた。
重要な任務を背負った伝書鳩はマッキンタイヤー公爵家お抱えの錬金術士が手を加えた鳩であった。通常の鳩ではなしえない速度で飛び、疲れることもない。マッキンタイヤー公爵の望む相手に正確に情報を伝え、返事を持ち帰ることができた。
アナスターシアとカラハン第一王子が庭園の散歩を済ませ、サロンで談笑する頃には、伝書鳩は国王からの手紙をもってマッキンタイヤー公爵のもとに戻っていた。
このような経緯で、マッキンタイヤー公爵は楽しい秘密を国王と共有するようになった。その秘密とはアナスターシアが16歳になった時に盛大な婚約パーティを開くということだった。愛し合う二人へのサプライズはこの時から準備が始められた。国王はカラハン第一王子を、マッキンタイヤー公爵はアナスターシアを溺愛していたので、親バカよろしくこの二人はこれ以降、伝書鳩で頻繁に連絡し合う仲になった。
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