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おまけ
11 大事なことに気づいたお祖父様(クリスティアーナの父親視点)
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私は妻がボランティア活動にいそいそと行くのを内心、苦々しく思っていた。障害を持つ子なんて魔法もまともに使えない、ろくでなし予備軍じゃないか!
ーーあ、いかんいかん。こういうことを言うとまずいのはわかっている。それに子供には無限の可能性があるからな。
出版した本がベストセラーになってしばらくすると、私の足が動かなくなった。長年の運動不足と美食が祟ったのかもしれない。車椅子でしか動けない私は、気分が落ち込み自室に閉じ籠もった。
こんな生き方をしてきた私に、クリスティアーナも15歳になった孫娘のオダリス・コーディ女伯爵も、離れに会いに来ようとはしなかった。妻でさえ私を侍女に任せっきりで、外出してしまう。
「貴男のお世話は疲れますわ。文句ばかりで感謝の言葉がないです! それに子供は大物になるから大事にするのではないんです! 存在そのものが私達親を成長させるのですって。最近、やっとわかったような気がしますよ」
宗教じみたことを言いだす妻にはうんざりだ。存在そのものが? ばかばかしい !
ꕤ୭*
ある日、オダリスの妹のカサンドラが訪ねてきた。まだ10歳ちょっとのカサンドラはおとなしい平凡に見える普通の子で、勉強の成績も特別優秀とは聞いていない。
姉のオダリスはとても優秀だと侍女達の噂で知っていたから、このカサンドラは要するに『冴えない方の子供』だよな?
「お祖父様。大丈夫? お見舞いに来ました」
カサンドラの瞳は、気弱な印象すら与える優しすぎる眼差しで小動物のようだ。これでは到底大魔女の娘には見えない。きっと魔法の力も受け継いでいないに違いない。
週に一回は来るようになったカサンドラは、なぜかこんな気難しい老いぼれに優しい言葉をかけてくれるのさ。
「なんで、カサンドラはここに来てくれるのだい?」
「近くにお祖父様が住んでいて病気なら、元気づけたいって思うのが普通です」
なんとカサンドラは、当然のようにそう言ったんだ。
ーー元気づける? 確かに私はカサンドラが来るのが楽しみになっていた。孫のカサンドラに嫌われないように身だしなみにも気を遣うようになったし、カサンドラの朗らかな笑い声に足の痛みも和らいだ。
「お祖父様は私を、お好きですか? 私が17歳になって魔力がゼロと言われたら、もうこうしてお話できなくなりますか? お祖父様は魔力を持った人間しか認めない、とお祖母様から聞きました・・・・・」
打ち解けておしゃべりするようになって半年ほど経ったある日、そんな質問を私に投げかけたカサンドラ。
「ばかばかしい! 魔力などなんの価値もないさ! カサンドラは魔力などなくても大事な子だ! そこにいるだけで私は幸せなんだから!」
私は思わずそう言って・・・・・・苦笑した。そうか、妻が言っていたのはこういうことか・・・・・・死ぬ前にわかって良かったよ。もちろん、可愛い大事なカサンドラが成人するまでは元気で生きてやるとも!
ーーあ、いかんいかん。こういうことを言うとまずいのはわかっている。それに子供には無限の可能性があるからな。
出版した本がベストセラーになってしばらくすると、私の足が動かなくなった。長年の運動不足と美食が祟ったのかもしれない。車椅子でしか動けない私は、気分が落ち込み自室に閉じ籠もった。
こんな生き方をしてきた私に、クリスティアーナも15歳になった孫娘のオダリス・コーディ女伯爵も、離れに会いに来ようとはしなかった。妻でさえ私を侍女に任せっきりで、外出してしまう。
「貴男のお世話は疲れますわ。文句ばかりで感謝の言葉がないです! それに子供は大物になるから大事にするのではないんです! 存在そのものが私達親を成長させるのですって。最近、やっとわかったような気がしますよ」
宗教じみたことを言いだす妻にはうんざりだ。存在そのものが? ばかばかしい !
ꕤ୭*
ある日、オダリスの妹のカサンドラが訪ねてきた。まだ10歳ちょっとのカサンドラはおとなしい平凡に見える普通の子で、勉強の成績も特別優秀とは聞いていない。
姉のオダリスはとても優秀だと侍女達の噂で知っていたから、このカサンドラは要するに『冴えない方の子供』だよな?
「お祖父様。大丈夫? お見舞いに来ました」
カサンドラの瞳は、気弱な印象すら与える優しすぎる眼差しで小動物のようだ。これでは到底大魔女の娘には見えない。きっと魔法の力も受け継いでいないに違いない。
週に一回は来るようになったカサンドラは、なぜかこんな気難しい老いぼれに優しい言葉をかけてくれるのさ。
「なんで、カサンドラはここに来てくれるのだい?」
「近くにお祖父様が住んでいて病気なら、元気づけたいって思うのが普通です」
なんとカサンドラは、当然のようにそう言ったんだ。
ーー元気づける? 確かに私はカサンドラが来るのが楽しみになっていた。孫のカサンドラに嫌われないように身だしなみにも気を遣うようになったし、カサンドラの朗らかな笑い声に足の痛みも和らいだ。
「お祖父様は私を、お好きですか? 私が17歳になって魔力がゼロと言われたら、もうこうしてお話できなくなりますか? お祖父様は魔力を持った人間しか認めない、とお祖母様から聞きました・・・・・」
打ち解けておしゃべりするようになって半年ほど経ったある日、そんな質問を私に投げかけたカサンドラ。
「ばかばかしい! 魔力などなんの価値もないさ! カサンドラは魔力などなくても大事な子だ! そこにいるだけで私は幸せなんだから!」
私は思わずそう言って・・・・・・苦笑した。そうか、妻が言っていたのはこういうことか・・・・・・死ぬ前にわかって良かったよ。もちろん、可愛い大事なカサンドラが成人するまでは元気で生きてやるとも!
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__| ̄|○スイマセン _| ̄|○))ユルシテクダサイ
有り難いお言葉を読んでいながら返信したつもりになっておりました๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
コメントいただき(*ˊᵕˋo嬉o アリガト💕ゴザイマス
今日も良い一日をお過ごしくださいませ🌷🌷🌷
タイトル見えにくくなってますよ
|・ω・`)ィラッシャィ
(^-^✿) (_ _✿)(^-^✿) (_ _✿)うんうん
だと思っていました。
完結表示に切り替えたので、すっきりしたと思いまぁす😄
コメントいただき(*ˊᵕˋo嬉o アリガト💕ゴザイマス
おじいさま、最後にわかってよかったね♪
ざまあばかりでなく、救いがあるこういう終わり方、初めて読みました。
結構好きです!
ありがとうございました!
コンニチワ―((*´▽`o)o゛―♪
ヾ(*´∀`*)ノ♥ワーイッ
ありがとうございます◝(⑅•ᴗ•⑅)◜..°♡
救いがある終わり方、私の作品には多いかもです(#^.^#)
たくさんの小説のなかからお読みくださいまして、ありがとうございます🌷
コメントいただき(*ˊᵕˋo嬉o アリガト💕ゴザイマス