(完)あなたの瞳に私は映っていなかったー妹に騙されていた私

青空一夏

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16 スタインフェルド男爵視点

※ぽん桔さん作成エミールのイメージAIイラストが「Ⅱ小説登場人物の為のイラストギャラリー」の3に投稿されています。興味のある方はどうぞ覗いてみてください。

※銀太郎だよさん作成のエミールさんも「Ⅱ小説登場人物の為のイラストギャラリー」の4に追加しました。


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 スネイプ侯爵閣下から、スタインフェルド男爵家に訪問したいというお手紙をいただき、わたしは感動の涙でむせび泣く。

「おい、聞いてくれよ! わたしにもついに良い運が巡ってきたぞ。なんと、あの雲の上のスネイプ侯爵閣下が当家にいらっしゃると知らせがきたのだ。もちろん、いつでも来ていただいて良いのだが、屋敷のなかを今一度点検しようではないか」

「まぁ、侯爵様ってとても偉い方ですわね? 凄いです。どうしてこちらに来られることになったのかしら? 絨毯やカーテンを新調した方が良いですか? あ、私のドレスも新しいものを・・・・・・」

 妻のテリーザもとても喜び、たくさんの提案をしてくれたが、どれも恐ろしく金がかかるし時間もない。 

「絨毯もカーテンもすぐに変えることはできない。ただ清潔感は大事だから掃除だけはしっかり使用人にさせよう。良いかい? スネイプ侯爵閣下は王族の血こそ引いてはいらっしゃらないが、社交界で絶大な影響力と尊敬を集めている。スネイプ侯爵夫人に絶対に気に入られるんだぞ」

 わたしがテリーザに言い含めると、テリーザはにこりとうなづいた。とても理解力のある理想の妻だと思う。ただ優しすぎるのが欠点だな・・・・・・なぜなら、あの怠け者の姉のマリアンにお金も時間も奪われていたのだから。しかもあの女狐は家出をしてノースカット画廊に戻って来ないというじゃないか!  

「義理の兄であるワトキンさんに迷惑をかけられないわ。だから今までどおりに、いいえ、今まで以上にお手伝いに行かないといけないのよ」

 そんな心優しいことを言うテリーザは天使だよ。



❁.。.:*:.。.✽.



 約束の日、華やかな衣装をまとったスネイプ侯爵夫妻がいらっしゃった。

「ようこそお越しくださいました。スネイプ侯爵閣下と親しくこうしてお話ができることは光栄でございます」

「あぁ、君はわたしと相当親しいとファーガソン画廊で公言していたと聞いたが本当かね? パーティでも挨拶をする程度だったと思うがね」

「えぇっと、そうですね。ちょっとした願望も含めていたかもしれません。スネイプ侯爵閣下はわたしのような末端貴族にとっては憧れでございますから」

「そうかね。わたしもそう言われて悪い気はしない。今日はそんな君に気の毒な知らせを持ってきた」

 意味深な言葉とともに、執事が新たな来客の知らせを持ってきた。

「奥様のお姉様でいらっしゃいますマリアン様が、男性の方を伴っていらっしゃっております。ぜひ、旦那様に会いたい、とのことですが」

「は? わたしは今とても忙しい。なんて身のほど知らずな女だ。追い返せ! さては男と駆け落ちしたくて金の無心にでも来たか! なんて恥知らずな女だ」

 いらいらとした口調でそう言えば、スネイプ侯爵閣下が鋭い目つきでわたしを睨んだ。

「その者達をこちらに呼ぶんだ。わたしの連れだよ」

 絶対零度の声が不気味だった。不穏な空気が室内を支配し、息苦しさにわたしは思わず手で胸のあたりをおさえる。

 これが高位貴族の威厳なのか・・・・・・こ、怖い・・・・・・ 



  

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